スピーカーの王道とは、音楽を愉しむための手段である事。

2022年03月12日 | オーディオ談義

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 私は物理学者なので理屈には相当うるさいです。しかしながら、スピーカーシステムには多分に楽器的で魑魅魍魎な奥深さがあって、「〇〇方式だから音が良い」などという単純な話では扱えません。そして過去に星の数ほどの〇〇方式や〇〇理論が生まれましたが、特に生楽器や声、空間の再現性となりますと、まったくもって不満な現実があります。

 そこで、理屈をこねるのが私の生業ではありますが、しかし「音を語らずに理屈を語るな」ということをしつこく申し上げる立場です。従って、私のサウンドポリシーは以下の様な物です。

・・・いちいち特性の良し悪しを指摘しても意味が無い。特性論だけで良い音は出せない。技術と音作りを混同するな。音の魅力感とは何か、自分で考えてそれを音にせよ。そうしなければ良い音は出せない。・・・

 とは言え開発技術者の立場としましては、「スピーカーの楽器的な性質」という扱いにくさの生じる根本原因(=音質改善を妨げている問題点)は何かという追求から逃げるわけには行きません。そして私は心臓部たる「振動板」そのものに最大の問題点を見出しました。その答えが当社独自のDSS振動板です。更にその結果として、従来は常識とされていた技術には見直すべき点が多々あるという事も見えてきました。

閑話休題

 新法人である (株)薩摩島津 の製品第一段である 島津Model-1 は、非常に小型でありながらもハイエンド製品としての登場です。これだけでも常識破りかもしれませんが、他にも新発想や逆転の発想が盛り込まれています。コロンブスやガリレオがそうであったように、常識破りは直ぐには理解が得られないかも知れません。特に既成概念がこれを妨げます。

 もしも 島津Model-1 が従来の常識と違和感を生じるとすれば、それはスピーカー技術というもの自体を暗黙裡に目的にしてしまっているからだと思います。しかし実際に音楽を愉しめるかどうかを基準にすれば、従来の常識などはどうでも良い事ではありませんか。目的は音楽を愉しむ事であり、技術はその手段なのです。そして、実際に音を聴いて賛同してくださる方が大多数です。やはり音を聴いてナンボのものだと思います。特に音楽関係者は肌感覚ですぐに理解して下さります。

 私がなによりも提供したいのは、音を論ぜずに理屈ばかりで作った機械装置ではなく、「音楽を愉しむスピーカー」なのであります。

 



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