お話

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オレは超能力を得た

2018年10月15日 | 「オレ」シリーズ(一話完結連載)
 オレは超能力を得た。
 この能力を正義に使うか、悪に使うか、オレは考えた。
 結局、どちらもやめた。
 その日の気分で正義か悪かを決めることにした。
 なぜなら、世の正義と悪の基準など立場や情勢でコロコロ変わるのものだからだ。
 そんなものに振り回されるのは馬鹿らしいからな。
 とか言いながら、オレの気分もそれでコロコロ変わるんだけどね。


 オレは超能力を得た。
 この能力を使うか、使わないか、オレは考えた。
 結局、どちらもやめた。
 使うか使わないかは、提示される条件次第にした。
 なぜなら、オレだって生きていかなければならないから、これを職業にすることにした。
「超能力屋」って看板出して、相手が提示する金額が納得できればこの能力を使うことにした。
 正義だ悪だは問わない。
 文句を言う前に考えれば分かる事だが、どこの会社だってビジネスは利益優先だろ?
 あなたも所属会社のために色々とやってるだろ?
 それと同じだよ。


 オレは超能力を得た。
 この能力を他人に話すか、話さないか、オレは考えた。
 結局、どちらもやめた。
 なぜなら、世界中の人たちも超能力を得たからだ。
 これでは最早「超能力」では無く、誰もが持つのなら、単なる「能力」だ。
 そうなれば、朝起きて仕事行って帰りに居酒屋寄って休みにどこかへ遊びに行ってと、日々の暮らしに大して変化はない。
 変わったのは、正義と悪の戦いが超能力合戦となって、ハイレベルな戦いになったくらいなものだ。
 やれやれ、ご苦労なこったね。

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