お話

日々思いついた「お話」を思いついたまま書く

オレの前に天使があらわれた

2018年10月13日 | 「オレ」シリーズ(一話完結連載)
 オレの前に天使があらわれた。
 生まれ変わったら何になりたいかと聞いてきた。
 オレは「金持ちで、健康で、長生きして、イケメンで、女にもてもてで」と、あらん限りの欲望を伝えた。
 天使は「お前で7億人目だ。女も同じような事を言う。残りの男女も似たようなものだろう。やっぱり人間を作ったのは間違いだったと神様に報告だな」と、溜め息をついていた。
 翌日、人類は滅んだ。


 オレの前に天使があらわれた。
 何か望みはないかと聞いてきた。
 オレは「今付き合っている彼女と結婚がしたい」と、素直な気持ちを伝えた。
 天使は「なかなか良い心掛けだな。素晴らしい。お前のような者ばかりだとこの世は平和になるだろうな。お前が次に出会うのは今以上の女なのだがな」と、頷きながら消えた。
 翌日、一つの殺人事件が起こった。


 オレの前に天使があらわれた。
 死ぬ前に言いたい事はないかと聞いてきた。
 オレは「死にたくない。ずっと生きたい」と、魂の叫びを伝えた。
 天使は「それこそ人の本質だ。命は神様からのもの。突き詰めて考えれば、死は邪魔者だとの結論に至る。その結論に至った褒美に、不死身のからだを授けよう」と、微笑んだ。
 翌日、「不死身の男」と言う謎の芸人が生まれた。

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