お話

日々思いついた「お話」を思いついたまま書く

ちょっとしたジョーク 2

2009年01月04日 | Weblog
オレは逃亡者だ。組織から逃げて、逃げて、逃げ回った。
そのせいで、オレの足はすり減って無くなってしまった。それでも逃げた。
オレはドラム缶の様にゴロゴロと転がりながら逃げ回った。
そのせいで、からだ中がすり減って棒のようになってしまった。それでも逃げた。
俺はヘビのように体をくねらせながら逃げ回った。
そのせいで、からだがすっかりすり減って、頭だけになってしまった。それでも逃げた。
オレはサッカーボールのように転がり続けて逃げ回った。
そのせいで、頭の肉は全て無くなり骨だけになった。それでも逃げた。
オレは・・・

・・・もう勝手に逃げ回っていてくれぇ!・・・ 


「ちくしょう! どうして俺を捨てたんだ! 恵子・・・」
「は?」
「もう他人様扱いか! そんなに、あいつがいいのか? え? 恵子! 所詮は金か。お前はそんな奴だったのか!」
「いや、あの・・・」
「恵子、いいか・・・ 俺はこれから自殺するからな! 化けて出てやるからな! 覚えていろ・・・」
「ちょっと、もしもし、もしもし! ああ、切れちゃった・・・」
「・・・恵子ぉぉぉぉぉ・・・ あの世は、冷たく、寒いよぉぉぉぉ・・・ お前も連れて行ってやるぅぅぅぅぅ・・・」
「あのね、わたしは芳川洋子。あなた、番号の掛け間違いよ。もう掛けて来ないでね!」
「うわぁぁぁぁ! 俺は何のために自殺までしたんだぁぁぁぁ!」




web拍手を送る

にほんブログ村 小説ブログへ



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« シュタークスミス博士の大発... | トップ | アダムとイヴ »

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事