お話

日々思いついた「お話」を思いついたまま書く

ブラック・ジョーク『名医ハリー・4』

2008年09月21日 | 名医ハリー(ショートショート)
16 
「ハリー先生、大変です! 先生の患者さんが、今日、全快して退院しました!」
「なんだって!」ハリーは空を見上げた。「災害非常用の道具を全てそろえて明日に備えるんだ!」


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 手術室に入って来たハリーを見て看護師が言った。
「先生、いくら難しい手術だからって、神父さんを連れて来るのは弱気過ぎませんか?」

 
18
 ハリーが霊安室に入って来た。シーツのかかった遺体が一体安置されている。ハリーはためらう事なくシーツをはがした。
「ロバート先生、またここでサボってましたね!」
「どうして分かったんだ?」
「遺体のシーツは上下しません」
「しまった、呼吸でバレたか!」


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 ハリーが霊安室に入って来た。シーツのかかった遺体が一体安置されている。ハリーはためらう事なくシーツをはがした。
「ロバート先生、またここでサボってましたね!」
 返事は無かった。
「呼吸を止めていてもダメですよ。そうは続かないですよ」
「ハリー先生」背後から看護師が声をかけた。「ロバート先生は急死なさったんですが・・・」


20
「ハリー先生、ヘンリーの執刀医をお願いします」
「ご家族から直々のご指名とは、めずらしいですね」
「ヘンリーは家族中の鼻つまみ者の嫌われ者でして、ハリー先生なら、始末をつけて下さる確率が高いと、うかがったもので・・・」 



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