お話

日々思いついた「お話」を思いついたまま書く

ブラック・ジョーク『名医ハリー・54』

2010年12月24日 | 名医ハリー(ショートショート)
266
「ハリー先生、サンタ姿で手術室へ入って行ったわね」
「毎年恒例のサンタサービスよ」
「でも、白い衣装だったわね」
「大丈夫、出て来る時には真っ赤になっているから」


267
「あら、スミスさんがいないわ。まだ退院じゃないし・・・ どうしたのかしら?」
「それなら、クリスマス・プレゼントになって、スミスさんの奥さんのところへ贈られたわよ」


268
「ねえ、看護師のお姉さん。サンタさんって、本当はいないんでしょ? 想像の人なんでしょ?」
「大人になると、本当にいなくても、想像であっても、充分慰めの元になるものなのよ、メイベルちゃん・・・」


269
「ハイ、クリスマス・プレゼントよ」
「あら、あなたがこんな事をするなんて、どう言う風の吹き回し?」
「別に、たくさん貰ったから、お裾分けよ。どうせあなたは貰えないでしょうから」


270
「アリス先生、ミニスカートサンタになって重病棟を回っているのよ」
「まあ! 元気付けをしてあげてらっしゃるのね。素敵だわ!」
「しかも、患者さん一人ひとりにプレゼントを配っているの」
「まあ、ますます素敵ね! で、何をプレゼントしているのかしら?」
「『治療不能』って直筆で書いたカードよ・・・」



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