お話

日々思いついた「お話」を思いついたまま書く

ブラック・ジョーク『名医ハリー・10』

2008年12月09日 | 名医ハリー(ショートショート)
46
「ハリー先生!」
 看護師が手術室に入ろうとしているハリーに声をかけた。
「なんだい?」
「両手にボクシングのグローブがはまっていますが・・・」
「こりゃあ失礼! ジムで練習中に呼び出されたものでね」 


47
「あら、ハリー先生、手術道具を持ってお出かけですの?」
「ああ、警察に呼ばれてね」
「検死でもなさるんですか?」
「いや、犯人に自白をさせるお手伝いだ。『自白しなきゃ、手術するぞぅ・・・』ってね」 


48
「ハリー先生!」
 看護師が手術室に入ろうとしているハリーに声をかけた。
「なんだい?」
「両手にナイフとフォークを持っていますが・・・」
「こりゃあ失礼! 食事の途中で呼び出されたものでね」 


49
「ハリー先生、お願いですから、出て来て下さい!」
 看護師が男子ロッカー室のドアを叩いていた。通りがかった別の看護師が声をかけた。
「どうしたの? ハリー先生が手術を嫌がるなんて・・・」
「手術前なのに推理小説の犯人当てにばかりに集中しているから、これはいけないと思って、犯人の名前を教えてあげたんです。そうしたら、いじけちゃって・・・」 


50
「ハリー先生!」
 看護師が手術室に入ろうとしているハリーに声をかけた。
「なんだい?」
「両手にドライバーとカナヅチを持っていますが・・・」
「こりゃあ失礼! でも、ちょっと新しい手術の方法を思いついたものでね」 



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