お話

日々思いついた「お話」を思いついたまま書く

宇宙探検隊の冒険 60 ~今わの際~

2009年03月20日 | 宇宙探検隊の冒険(一話完結連載中)
 宇宙探検隊は宇宙の知られざる惑星や生命体や現象を調査することが目的だ。
「隊長、宇宙人と接触しました」
「異星人か地球外知的生命体と言うのだ」
「臨終を看取ってくれと通信しています」
「これも何かの縁かもしれんな」
 隊員が通信すると場所が指定された。向かうと宇宙船が一機漂っていた。乗り込んでみるとベッドで虫の息の異星人を見つけた。
「もう長く無い。頼みがある・・・」
 苦しそうな異星人に同情した隊長が言う。
「何でも言うと良い。聞き届けるぞ」
「ありがたい。では、後を頼む・・・」
 言い終わると異星人は大きく膨らみ、破裂した。後には産まれたての赤ん坊の異星人がぞろぞろと出てきた。隊員が叫んだ。
「隊長、臨終は再生を意味したんですね!」
 わあわあ泣き叫ぶ赤ん坊たちを見て、隊長はつぶやいた。
「いきなり子持ちになってしまったな」





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