お話

日々思いついた「お話」を思いついたまま書く

ブラック・ジョーク『名医ハリー・38』

2009年10月08日 | 名医ハリー(ショートショート)
186
「ハリー先生の愛読書って、聖書なんですって」
「まあ、意外と信仰心が強いのね!」
「審判の日を切り抜ける記述がないか、調べているのよ」


187
「スミスさんの愛読書って、ソクラテスの著作なんですって」
「まあ、見かけによらずインテリなのね!」
「境遇に共鳴してるんじゃないかしら。悪妻を持つ身同士として・・・」


188
「ねえ、看護師のお姉さん、文字しかない本と絵や写真しかない本とでは、どっちが好き?」
「大人になると、どちらも想像力を高めてくれるようになるものなのよ、メイベルちゃん・・・」


189
「あなたに愛読書ってあるの?」
「失礼ね、あるわよ!」
「あら、ごめんなさい。・・・で、何なの?」
「うるさいわねえ。これから決めるのよ!」


190
「アリス先生の愛読書って、特にないんですって」
「まあ、お気の毒に。きっとお忙しいからだわね!」
「現実の方が、ずっと面白いからよ」





web拍手を送る



にほんブログ村 小説ブログへ




コメントを投稿