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「記憶にございません!」感想

【ネタバレ】

◎「記憶にございません!」

「この男に任せて大丈夫か。」

2019年9月13日公開、監督/脚本:三谷幸喜、127分。
総合評価は、上中下で中くらい。2021年1月に本編ノーカットでTV放送していたので。

なお、三谷さんの作品は映画もドラマもほとんど見たことはないと思いますが、ヒットメーカーということは知っていますし、本作も大ヒット作です。
「『ラヂオの時間』、『THE有頂天ホテル』、『ステキな金縛り』の流れを組む、現代を舞台としたシチュエーションコメディである今作は、まさに三谷コメディの真骨頂にして、最高傑作! こんな映画、今まで記憶にございません!」(公式HPから。)

中井貴一(支持率2.3%で、傲慢不遜な総理大臣の黒田啓介役)、
ディーン・フジオカ(総理の妻と不倫をしていて、総理の秘書の井坂)、
石田ゆり子(総理の妻の黒田聡子)、
小池栄子(総理の秘書の番場のぞみ)、
吉田羊(国会では総理に厳しいが、野党第2党の党首で総理の愛人の山西あかね)、
草刈正雄(影の総理と言われ、あくどい手段もいとわず、総理の座を狙う官房長官の鶴丸大悟)、
濱田龍臣(総理の息子、父が嫌いでグレかけている黒田篤彦)、
斉藤由貴(首相官邸料理人で、ちょっととぼけた寿賀さん)、
佐藤浩市(ゆすりたかりも行い、金で動くフリーライターの古郡祐)、
有働由美子(黒田総理に厳しいニュースキャスター)など。


○黒田総理が演説中に投げられた石にあたって入院、記憶喪失。隠すことにして数人が知るのみ(鶴丸官房長官は政敵でもあるので教えていない。)。
傲慢不遜な態度が変わり、「まとも」な政治家になるが、周囲(特に鶴丸官房長官。)との軋轢も生まれる。実は途中から記憶を取り戻していて、これを機に心を入れ替えて「まとも」な政治家になろうとしたと終盤で明かす黒田総理。

・楽しかったですし、飽きることなく、にこやかに見られましたが、コメディなのに声を出して笑えるという感じはほとんどありませんでした。
真面目にやったらピントがズレて笑いになると言うには生真面目さが少し足りませんし、コミカルにやってコメディになって笑いになるというのとも少し違って、少し中途半端に感じました(演技も音楽も。)。

アニメに慣れているからか、アニメだとどちらかにもう少し寄せて、かつ絵も音楽も声の演技ももう少し大げさにするので、声を出して笑えると思うのですが。

例えば、鶴丸が暴力団の類に依頼してスナイパーに黒田総理を狙わせますが、スナイパーの武器はパチンコでした。モノによっては殺せるでしょうから武器としてはアリだとしても、それにしても威力が無さそうなパチンコで、飛んできたタマをSPが手で掴んだという事は殺す威力はないという事です。演出を含めて、ギャグとして受け取っていいのか、少しばかり戸惑いました。

・有働さん演じるTVのニュースキャスターは、とにかく黒田総理に厳しいことを言い、記憶喪失後に良いことや普通のことをしても点数稼ぎかも、みたいなことを言います。
これまでが最悪の総理だったのですし、記憶喪失のことは知らないですし、それを機に心を入れ替えたことも知らないですし、それらを総理が言ったとしても信じるにはこれまでが最悪の総理だったのですから信じろというほうが無理というものです。

映画を見ている者には心を入れ替えたという設定なのだと分かりますが、現実世界での政治であれば有権者にはそういうこととは分からないのと似たようなものです。
ただ、コメディなのですから、言い方か言う内容をもっと大げさに言っても良かったのではないかと思うのは、大げさな表現が多いアニメの見過ぎかもしれません(なお、他の俳優の演技などとは合った程度のものでしたから、そういう演出だったということです。)。

化粧を派手にしていたのはコメディだからでしょう、ケバさにクスッとできました。

・政治風刺の要素は少ないので、そこは気にしないでコメディとして楽しめばいいと思います。
黒田総理が「まとも」な政治をして結果オーライも含めて上手くいっているのは苦笑ですが、気にしない方がいいです。


【shin】


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