過去に自分も「これは鬱ではないか?」と疑ったこともあった。それでも病院には行かなかった。なぜか?
90年代半ば、精神的な病気で休職する事は簡単ではなかった。休職よりも退職を選ぶ人が多かったように思う。体調不良はあくまでも「個人の事情」だった。制度も整っていなかった。手術等で入院でもしない限り会社に相談できるような雰囲気はない。
単純にお金の問題もあった。休職中は健康保険組合から給料の6割が出るらしいが、それでは一人暮らしには厳しい。
まぁ、その辺を冷静に考えられるだけでも鬱病ではなくただストレスで参っていただけだろう。時間はかかったが頑張って出社しているうちに回復し身体の不調も治っていった。
それに総務や上司の承認を経て休職をしても復帰後の社員は腫れ物扱いだった。忙しい部署には配属できないからと、あまり重要とされていない部署に異動になる社員もいた。必然的に昇給は遅くなっていく。サラリーマン生活を続ける上で一度でも休職をしたら決してプラスにはならない。鬱だと診断されるためにすすんで病院に行く気にはなれなかった。
それでも鬱だと周りに公表する人は余程追い詰められているのだろう。理解してあげなければ…とは思っていても、やはり納得し難い事もまだまだある。
人生で初めて出会った鬱病患者の印象が悪すぎたのか。
つづく(長くてスミマセン。次で完結します)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます