シルクホームステイ131日目
先日遊びに来てくれたマンションの方が、勤務先の東京駅近くでキャンペーン
をやっていた、とのことで「日本補助犬協会 会報」の「SSKWにっぽけん通信」
というものを持ってきてくれました。
そこには横浜市旭区に誕生した聴導犬訓練施設「あすなろ学校」のことなどが
載っていましたが、私にとってとても興味深い記事があったので
長くなりますが、抜粋して載せたいと思います。
盲導犬に対するイメージについてです。
以下 抜粋
「全国で活躍する盲導犬の数が965頭、街中で実際に盲導犬を見かけたこと
がある人は限られています。まして、知り合いに盲導犬を利用する目の不自由
な人がいて、盲導犬の日常を知っているという人は、数えるほどしかいません。
一般社会の人にとって、テレビや新聞で見る情報がほとんどです。
そのテレビや新聞で取り上げられる内容は、見ている人が感動するような、
盲導犬が一生懸命仕事をしている場面や、悲しい別れの場面が多く、それは
それで、盲導犬について社会に認知してもらうための1つの情報ではあります
が、目の不自由な人と盲導犬のなにげない日常生活のひとコマは、あまり取り
上げられていません。
そして多くの場面で、「盲導犬は厳しい訓練をうけています」というナレーシ
ョンが流れます。実際私たちが取材を受けたテレビ番組でも、何とかありの
ままの普段の生活を紹介したいと、制作の方たちと打ち合わせて取材を受けた
のですが、実際の放映で映像が流れた後、アナウンサーの方が、「盲導犬は
ストレスが多く、寿命は半分ほどしかないそうです」と説明し、コメンテイタ
ーの方の「本当にかわいそうですね」でコマーシャル・・・。
その後3日間立ち直れませんでした。
犬が人のために働くということで、犠牲になっていると感じる方がいらっしゃ
ると思います。
他方、犬から見てみると、自分の信頼する飼い主に、自分の行動で「喜んで
もらえる」、あるいは、「ほめてもらえる」、そしていつも一緒にいられる
ことはうれしいことなのでないでしょうか。
人同士でも人と犬の関係でも同じですが、どちらか一方が犠牲になった上に
成り立つ関係は、長続きしないのです。
次に犬らしい生活ができなくてかわいそうと感じられる方がいらっしゃると
思います。
盲導犬たちは、普段の生活の中で犬らしい生活を送っています。
ボーンをかんだり、飼い主がOKを出した場所で臭いかぎを楽しんだり、
お気に入りの場所で昼寝をしたり、飼い主とコットンで遊んだりしています。
時には長いリードをつけて、広場で思い切り走り回っています。
犬はとても正直な生き物です。
毎日の生活に満足していなければ、いい仕事をしてくれません。
盲導犬になるために、厳しい訓練を受けるというのも実際とは少し違って
います。例えば、とても活発で待つことが苦手な犬に、待つことを訓練で
強制することはありません。
待つことが苦にならず、すぐに居眠りをするような性格の犬を選び、ほめて
教えることで強化するのです。
訓練で電車に乗り、足元で寝ている盲導犬を見て、「疲れてるのね~」と
しみじみ言われることがあります。
「気持ちよさそうに寝てるね」と言われることはあまりありません。
盲導犬はハードな仕事だと思われているようです。
(ちなみに犬は人の倍程度寝る動物です)
盲導犬の仕事は、高度で特殊な内容ではありません。
角で止まったり、障害物を避けたり、指示された方向に進んだり、ペットの
犬たちでも十分覚えられる内容です。
特に知能が高いわけでもありません。
普通の犬の中から、人や犬、においに対して、気を取られすぎないとか、
警戒心が少なく興奮が低い等、さまざまな場面での反応が
中程度の犬を選ぶだけなのです。
最近、街中でゆったりと散歩しているペットたちに出会うことが多くなりました。
そんなタイプの犬たちに、角で止めて「ほめる」、自分から進んで
止まろうとしたら「もっとほめる」の繰り返しで訓練は進みます。
その延長線上に盲導犬がいるのです。」
最後に、普段の生活の犬らしい盲導犬の写真とともにこんな文章がありました。
「ユーザーをはじめ、ボランティアや私たち育成にかかわる者たちは、
自分たちが愛情込めて育て、一緒に生活している犬たちが、「かわいそう」と
言われるたびに、少し辛くなるのです。
人それぞれの感性にかかわることですから、「かわいそう」と感じる方は
当然いらっしゃると思いますが、今後、実際のユーザーと盲導犬の日常生活を
知ってもらえるように、そして、少なくとも、「ストレスが多くて寿命が短い」
などの誤解を無くすように、啓発活動を行っていきたいと思います。
犬は自分の人生を自分で決めることはできません。
小さな子供と同じように、守られるべき存在です。
犬たちが幸せな生活を送れるよう、それがペットでも盲導犬でも同じように
飼い主としての責任があるとわたしたちは考えています。
ペットとか盲導犬とかではなく、飼い主とどのような関係で
結ばれているかが犬たちにとって重要なのです。」
(SSKWにっぽけん通信 候補犬が行く!より抜粋)
昔は私も盲導犬に対して、可哀想という気持ちがどこかにありました。
でもPWをやる前に自分なりに色々調べて、気持ちが変わっていきました。
でも、今でもたまに自分の中でも少しやもやした気持ちになるときもあります。
これを読んで、とても良かったです。