1月21日のことなので既に10日近く経過してしまいましたが、
第二回 CDショップ大賞が発表されました。
▼受賞作品一覧
■大賞
『THIS IS MY STORY』 THE BAWDIES
■準大賞
『PHILOSOPHY』 清竜人
『Box Emotions』 Superfly
■入賞(50音順)
『ふりぃ』 阿部真央
『シンシロ』 サカナクション
『三文ゴシップ』 椎名林檎
『あいのわ』 ハナレグミ
『FACT』 FACT
『シャンブル』 ユニコーン
『アルトコロニーの定理』 RADWIMPS
洋楽賞
□大賞
『The Fame』 LADY GAGA
□準大賞(アルファベット順)
『bible belt』 DIANE BIRCH
『THE PAINS OF BEING PURE AT HEART』 THE PAINS OF BEING PURE AT HEART
◆地方賞
北海道ブロック賞
『paratroop』 sleepy.ab
東北ブロック賞
『Rain The Rainbow』 THE YOUTH
甲信ブロック賞
東海ブロック賞
『フォグランプ』 OGRE YOU ASSHOLE
関東ブロック賞
『ハローとグッバイ』 harmonic hammock
関西ブロック賞
『野口、久津川で爆死』 モーモールルギャバン
九州ブロック賞
『強がり虫*寝グセ』 CHEESE CAKE
世の中には「日本ゴールドディスク大賞」など色々な“大賞”がありますが、
今年で2回目の「CDショップ大賞」は、“売れた結果”ではありません。
アルバイトも含めたリアルショップの販売員の皆さんが、
「このアーティストのこのアルバムを売りたい!」
という投票の結果、ということです。
「この国には、過小評価されている音楽が多すぎる。」(全日本CDショップ店員組合サイトより)
90年代に全盛だったユーザーにすり寄りすぎた“マーケティング”が見透かされ、飽きられて、
デジタル化の波に呑まれ、コンテンツ、いや作品としての“価値”をいつの間にか劣化させてしまい、
マーケットスケールは縮む一方。
街中のショップの閉店も恐るべし速度。
“座して死を待つ”わけにはいきません。
そこで求められる販売現場で出来ること。
それは、ショップの面白さ、という極めてシンプルな価値に行きつくのかな、と考えます。
先日も音楽業界歴の長いある方と、
「こんなご時世だからこそアナログじゃないの?」
「便利さより不便さ」
という話になりました。余談ですが。
所謂“ヒットもの(売れ筋)”商品は、ショップの収益のためには不可欠です。
しかし、メーカーが作ってメディアで宣伝したCDを、
ユーザーが“受け取る”だけの場なら、
ショップの役割は低下していく一方でしょう。
しかも、“ヒットもの”自体の売上も減少、
全体としてのマーケットはシュリンク。
経営の効率化も大切でしょうけど、
その効率化のために、ショップの魅力が損なわれ、
優秀なスタッフから辞めていった。
そんな歴史を見てきたら、結果がこんな状態。
経営効率化とマーケット・シュリンクの“負のスパイラル”。
“ヒットもの”にしか興味がないユーザーや、業界人の中には、
(ちなみに私は“ヒットもの”も買いますよ)
“ショップの自己満足”、としか見られない人もおられますが、
(実際、そう言っている“芸能ゴロ”もおられますが、ここではシカトします・・・)
売っている自分達でさえ満足できなくなった状況こそ問題だと考えます。
さらに言えば、趣味・嗜好性の高い商材にも関わらず、
知識・造詣・愛情のある人財が減っているのも危機的。
そんな魅力のないショップから人の足は遠のくばかりです。
ショップの商品は“ヒットもの”だけではありません。
売場面積と在庫管理の制約の中でアピールしなければ消え去ってしまう、
珠玉の作品は埋まっています。
それらの珠玉の作品を目利きしてレコメンドするのは人間。
アマゾンのレコメンドシステムのようなアルゴリズムにはできないことです。
ちょっと力んだ言い方になりましたけど、
要は、ショップから足が遠のいたユーザーが、
時間つぶしとか「サボり」とかでもいいんで、
本屋で立ち読みするような感覚で入ってみたい、
そんなショップであってほしいなと。
コンテンツ=モノを創るメーカーが弱体化し、
コンテンツを創るお金は減っていくばかり。
そんな中、小売現場からの“切り込み”を応援していきたいですね。
受賞作品を見ると、販売の結果であるゴールドディスク大賞や、
オリコンさんの年間チャートと大きく異なるのは当然です。
第一回の大賞は、相対性理論の「シフォン主義」。

実際、昨年の大賞受賞後、バックオーダーが相次いだそうです。
他の販売結果のチャートや賞が発表されたところで、
「買う層が既に買ってしまった」後。
ゼロとは言いませんけど、権威づけされたからといって需要は活性化しません。
しかし、CDショップ大賞の場合、需要喚起という効果があるのも特徴です。
第二回目の今回の大賞は、THE BAWDIES の 「THIS IS MY STORY」。

ポール・ウェラーお墨付きだけあって、骨太のヴォーカル(身体的素養)と王道ロックサウンドです。
リヴァーブのかかっていないギターのブラッシングから始まるM1.を聴いて予想できましたが、
若いのにルーツミュージックを貪欲に吸収されてるのがわかります。
そこそこいいと感じるバンドは多いんですけど、
彼らのように5年後、10年後も楽しみなバンドは少ないです。
ブランディングというのは、実は長い時間と沢山のお金が必要なんです。
(1年とか2年でどうのこうのなるもんじゃありません)
とにかく、まず認知度を高めてほしい。
そして“消費”されることなく、息長く活動していって欲しいです。
自分の好みでは、入賞作品の「FACT」(FACT)のほうがドンピシャだったんですけど、
それは今現在の自分の感性。
先々の楽しみ=可能性ということでは、
「THE BAWDIES」のほうが順当だったのでは? と私は感じてます。
-------------------------------------------------------------------------
番外編です。
先週の土曜日(1/23)の昼下がり、
下北沢の「ヴィレッジ・ヴァンガード」で衝動買いしてしまいました(↓)。

スピーカーからガンガン鳴ってたんで思わず。
ヴィレヴァンは徹底したサブカルのお店で、CDショップとは違いますけど、
CDショップも、ちょっとしたサプライズ・刺激とかがあるようになってくれれば嬉しいです。
もちろん専門ショップならではの強みを発揮されて。
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お読み頂き有難うございます。
(↓)クリックの程、宜しくお願い申し上げます。
第二回 CDショップ大賞が発表されました。
▼受賞作品一覧
■大賞
『THIS IS MY STORY』 THE BAWDIES
■準大賞
『PHILOSOPHY』 清竜人
『Box Emotions』 Superfly
■入賞(50音順)
『ふりぃ』 阿部真央
『シンシロ』 サカナクション
『三文ゴシップ』 椎名林檎
『あいのわ』 ハナレグミ
『FACT』 FACT
『シャンブル』 ユニコーン
『アルトコロニーの定理』 RADWIMPS
洋楽賞
□大賞
『The Fame』 LADY GAGA
□準大賞(アルファベット順)
『bible belt』 DIANE BIRCH
『THE PAINS OF BEING PURE AT HEART』 THE PAINS OF BEING PURE AT HEART
◆地方賞
北海道ブロック賞
『paratroop』 sleepy.ab
東北ブロック賞
『Rain The Rainbow』 THE YOUTH
甲信ブロック賞
東海ブロック賞
『フォグランプ』 OGRE YOU ASSHOLE
関東ブロック賞
『ハローとグッバイ』 harmonic hammock
関西ブロック賞
『野口、久津川で爆死』 モーモールルギャバン
九州ブロック賞
『強がり虫*寝グセ』 CHEESE CAKE
世の中には「日本ゴールドディスク大賞」など色々な“大賞”がありますが、
今年で2回目の「CDショップ大賞」は、“売れた結果”ではありません。
アルバイトも含めたリアルショップの販売員の皆さんが、
「このアーティストのこのアルバムを売りたい!」
という投票の結果、ということです。
「この国には、過小評価されている音楽が多すぎる。」(全日本CDショップ店員組合サイトより)
90年代に全盛だったユーザーにすり寄りすぎた“マーケティング”が見透かされ、飽きられて、
デジタル化の波に呑まれ、コンテンツ、いや作品としての“価値”をいつの間にか劣化させてしまい、
マーケットスケールは縮む一方。
街中のショップの閉店も恐るべし速度。
“座して死を待つ”わけにはいきません。
そこで求められる販売現場で出来ること。
それは、ショップの面白さ、という極めてシンプルな価値に行きつくのかな、と考えます。
先日も音楽業界歴の長いある方と、
「こんなご時世だからこそアナログじゃないの?」
「便利さより不便さ」
という話になりました。余談ですが。
所謂“ヒットもの(売れ筋)”商品は、ショップの収益のためには不可欠です。
しかし、メーカーが作ってメディアで宣伝したCDを、
ユーザーが“受け取る”だけの場なら、
ショップの役割は低下していく一方でしょう。
しかも、“ヒットもの”自体の売上も減少、
全体としてのマーケットはシュリンク。
経営の効率化も大切でしょうけど、
その効率化のために、ショップの魅力が損なわれ、
優秀なスタッフから辞めていった。
そんな歴史を見てきたら、結果がこんな状態。
経営効率化とマーケット・シュリンクの“負のスパイラル”。
“ヒットもの”にしか興味がないユーザーや、業界人の中には、
(ちなみに私は“ヒットもの”も買いますよ)
“ショップの自己満足”、としか見られない人もおられますが、
(実際、そう言っている“芸能ゴロ”もおられますが、ここではシカトします・・・)
売っている自分達でさえ満足できなくなった状況こそ問題だと考えます。
さらに言えば、趣味・嗜好性の高い商材にも関わらず、
知識・造詣・愛情のある人財が減っているのも危機的。
そんな魅力のないショップから人の足は遠のくばかりです。
ショップの商品は“ヒットもの”だけではありません。
売場面積と在庫管理の制約の中でアピールしなければ消え去ってしまう、
珠玉の作品は埋まっています。
それらの珠玉の作品を目利きしてレコメンドするのは人間。
アマゾンのレコメンドシステムのようなアルゴリズムにはできないことです。
ちょっと力んだ言い方になりましたけど、
要は、ショップから足が遠のいたユーザーが、
時間つぶしとか「サボり」とかでもいいんで、
本屋で立ち読みするような感覚で入ってみたい、
そんなショップであってほしいなと。
コンテンツ=モノを創るメーカーが弱体化し、
コンテンツを創るお金は減っていくばかり。
そんな中、小売現場からの“切り込み”を応援していきたいですね。
受賞作品を見ると、販売の結果であるゴールドディスク大賞や、
オリコンさんの年間チャートと大きく異なるのは当然です。
第一回の大賞は、相対性理論の「シフォン主義」。

実際、昨年の大賞受賞後、バックオーダーが相次いだそうです。
他の販売結果のチャートや賞が発表されたところで、
「買う層が既に買ってしまった」後。
ゼロとは言いませんけど、権威づけされたからといって需要は活性化しません。
しかし、CDショップ大賞の場合、需要喚起という効果があるのも特徴です。
第二回目の今回の大賞は、THE BAWDIES の 「THIS IS MY STORY」。

ポール・ウェラーお墨付きだけあって、骨太のヴォーカル(身体的素養)と王道ロックサウンドです。
リヴァーブのかかっていないギターのブラッシングから始まるM1.を聴いて予想できましたが、
若いのにルーツミュージックを貪欲に吸収されてるのがわかります。
そこそこいいと感じるバンドは多いんですけど、
彼らのように5年後、10年後も楽しみなバンドは少ないです。
ブランディングというのは、実は長い時間と沢山のお金が必要なんです。
(1年とか2年でどうのこうのなるもんじゃありません)
とにかく、まず認知度を高めてほしい。
そして“消費”されることなく、息長く活動していって欲しいです。
自分の好みでは、入賞作品の「FACT」(FACT)のほうがドンピシャだったんですけど、
それは今現在の自分の感性。
先々の楽しみ=可能性ということでは、
「THE BAWDIES」のほうが順当だったのでは? と私は感じてます。
-------------------------------------------------------------------------
番外編です。
先週の土曜日(1/23)の昼下がり、
下北沢の「ヴィレッジ・ヴァンガード」で衝動買いしてしまいました(↓)。

スピーカーからガンガン鳴ってたんで思わず。
ヴィレヴァンは徹底したサブカルのお店で、CDショップとは違いますけど、
CDショップも、ちょっとしたサプライズ・刺激とかがあるようになってくれれば嬉しいです。
もちろん専門ショップならではの強みを発揮されて。
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