【ML251 (Marketing Lab 251)】文化マーケティング・トレンド分析

トレンド分析ML251の文化マーケティング関連Blogです。ML251の主業務はトレンド分析をコアにしたデスクリサーチ。

『脳はどこまでコントロールできるか? 』(中野信子著、ベスト新書、2014年8月19日刊)

2015年06月28日 | 書評
「割れ窓理論」という心理学用語を聞いたことのある人は少なくないと思います。

落書きだらけだったニューヨークの地下鉄が綺麗になった、犯罪が減った例が有名です。人には秩序の乱れがあるとそれに同調してしまう、ゴミが落ちていれば、ゴミがどんどん増えて、やがては犯罪に、という性質があることです。

中野氏は、人にも同じことがあてはまると言います。

「人間は、自分を大事にしている人を粗末に扱うのには、抵抗を感じます。しかし自分で自分を粗末に扱っている人には、こちらも同じように粗末に扱ってもいいような気分になってしまうのです。」

昔の自分を振り返るとよく理解できます。馬鹿な酒の飲み方をして、記憶が飛んだり、死んでも決しておかしくなかったいくつもの醜態をさらしたこともありました。さらに、そんな体験を武勇伝のように考えたり、人に吹聴したり。。
世の中一般の「常識」にあらがうようですが、ヤケ酒のような悪い酒はNGですね。お酒は気分のいいときにこそ飲むものなのです。
今では楽しい酒席にしか参加しません。ま、ヤケ酒を飲みたい人のお誘いにはのって話だけは聞きますけどね。
自分の経験で酒席のことを例に出しましたが、身だしなみとか、部屋をきれいにすることとかも、結局は自分を大事にすること、だったんですね。

脳はどこまでコントロールできるか? (ベスト新書)
中野 信子
ベストセラーズ


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「迷信」をめぐる運命のいたずら~スティーヴィ・ワンダーとジェフ・ベック【TAP the POP】阪口さんの記事

2015年06月27日 | ミュージックソムリエ協会
5月18日なので1ヶ月以上前の「TAP the POP」、ミュージックソムリエ阪口さんのコラムです。
「運命の悪戯」でもあるし、運命なんて悪戯だらけ、悪戯だらけだから運命よ、という言い方もできますね。

こういうエピソードって、数多ありますが、アーティストと作品の「コンテキスト(文脈)」です。
アーティストと作品にまつわるコンテキストの紹介もミュージックソムリエの重要なミッションなんですね。

是非、ご覧になってください!

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ダイソンは徹底したエスノグラフィーを展開するマーケティングエクセレント企業

2015年06月26日 | マーケティング話
ほぼ1週間前、『日経MJ』2015年6月17日の一面です。

マスコミではよく、「ダイソンはマーケティングをしていない」と言われていますが、実は綿密なマーケティングを展開されてるんですね。

「商品開発では市場調査を先行させない。従来家電に使い慣れている消費者はその『問題』に気付きにくいためだ」(ダイソン氏)

ということだけなんですよ。
英国本社の技術者たちが、掃除機を使う40代主婦を2時間ほど見つめていた。
主婦が「狭いリビングではちょっと音が大きすぎる」と愚痴をこぼすと、彼らは熱心にメモをとっていたそうです。
英国本社からは毎週、技術者たちが来日し東京と大阪の一般家庭で掃除機や扇風機など発売前新商品を使ってもらい、観察したそうです。

エスノグラフィーですね。

ただ調査会社のアンケートを使わないだけ。
とても賢明な企業だなと思います。

「事前に消費者の声や要望を聞いても多機能になりすぎるだけ。家電は実際に使われる現場を見て、本質的な機能に絞って極めることが大事」(ダイソン氏)

第二に、売場は緻密にプロデュースしているとのこと。
ブランディングの要ですね。

第三に、こっそり値下げをして新規顧客を獲得しているそうです。
これもユーザーをよく知っているからこそだと私は思います。

だからこそ、広告宣伝費より技術開発に投資、(普通の)安売りはしないということが可能になるわけでしょう。

ダイソンの売上高は2,300億円(2013年)で、大半を掃除機が占め、うち日本は約2割だそうです。

「利益主義に偏ると間違ったマーケティングに陥る。新商品開発を常に出して消費者とつながり続け、感想をフィードバックしてもらうことが我々流のマーケティングだ」(ダイソン氏)

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何でもマトリクスというわけではありませんが・・

2015年06月25日 | 徒然
今、Mr.Chirdrenの新譜『REFLECTION』を聴いてますが、例えば1990年代の彼らのベスト盤を聴きこみ、当時の世相・背景を反芻し、もし自分が思春期・青春期だったと仮定したら?

そりゃバカ売れ(大ヒット)して当然だったわなと思わざるを得ません。

このマトリクスは、ある社会学者がドメスティックロック(J-POPってやつ)について描いたもの(書籍化されたもの)を自分でビジュアライズしたものです。



こんなシンプルなマトリクスからでも、約30年の大きな流れから「世相」「トレンド」が読み取れます。

要は、これからどうなるの? なんですけどね。
面白いもんです(笑)。

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『たったの4STEPでこんなに通る!プレゼン』(家弓正彦著、明日香出版社、2015年5月15日刊)

2015年06月24日 | 書評
私の大学の一年先輩(初めてお会いしたのは11年前ですが)、銀座にあるコンサルティング会社、株式会社シナプス 代表取締役 家弓正彦先輩の新著です。

過去数年、私が家弓先輩の「仕事塾」に参加し聴いた重要なポイントを改めて再確認できました。
たとえば、「ニーズの意味の勘違い」ですね。
顧客の発した「ニーズ」は「手段」であることが多く、「目的」まで察することが必要。
顧客の「語ること」をそのまま忠実に「ニーズ」と勘違いするケースは少なくありません。
特にスキルと経験の乏しい営業職の方は要注意です。
そこで必要なのが「Whyを5回繰り返す」だったりします。

あと、以前、私も書きましたが、超基本的なこと。
いきなりPCでパワポを作成に取り掛かるのはNGですよとか。

また、営業プレゼンアプローチでも社内向け問題解決アプローチでも、「AIDMAモデル」でゴールまでのプロセスを体系的に明確化する、というのは本書を読んで目から鱗でした。

他にも、定量的データを棒グラフで表現するところを、マトリクスでビジュアライズするというのは、コンサルならではの見せ方。
調査関係のワーカーには刺激的だと思います。

私達でしたら「普通」に「無意識的」に選ぶチャートにしても、「分解表現」「特性表現」「時間軸表現」と体系的に把握することも、さすが先輩、コンサルタントですねとヨイショしておきます(笑)。

本書のタイトルにある「4つのSTEP」とは、(1)コンセプトを決める、(2)ストーリーを作る、(3)ドキュメントを描く、(4)プレゼンターのルール。
まさに、「Short」「Simple」「Straight」の3Sということですね。

実は、今現在、私は重要なプレゼンに向け企画書を作成している最中なのです。
とてもタイムリーな先輩の新著リリースだったのでした。

ちょうど、出版記念企画第1弾として、無料セミナーを開催されるとのことでです。
企業の皆さん、チャンスですよ。

資料作成から発表までたったの4STEPでこんなに通る! プレゼン (アスカビジネス)
家弓 正彦
明日香出版社


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RETO "CLUB Que夏ノ陣 VSシリーズ vol.3 ~RETURN TO NATURAL~" を楽しみにしております

2015年06月23日 | 徒然
5月23日、Kenji Nakaiさんのレコーディング/ミキシングワークショップでレコーディングされたRETOさんのライブが、7月14日(火)、下北沢clubQueで行われます。

"CLUB Que夏ノ陣 VSシリーズ vol.3 ~RETURN TO NATURAL~"

出演は2バンドで、裸眼 [牧野元 (ザ・カスタネッツ) with ハックルベリーフィン]との対バンです。

私も行ってきます。
ワークショップの懇親会でメンバーさんから、2nd single「 P 」を頂きました。
よくライブなどで頂いたCDなどの音源って、進呈頂いたもののみならず、お金を出して買ったものでさえ、聴くことがなくしまったまというケースが少なくないのですが、RETOの「 P 」は即、自宅のオーディを聴きました。

ワークショップのレコーディング曲「私の歌」は、頭から離れません。
オフィシャルサイトの「私の歌」は、Kenji Nakaiさんのアレンジ以前のバージョンですが、それでも気になってます。
Vocalの小山結衣さんは、Yukiのようなポピュラリティの素養がありながら、椎名林檎のようなエキセントリックさも持ち合わせていると僕は感じています。
ドラムスの杉原さんはリーダーの風格があり、ベースの大阿久さんは70年代のはっぴいえんどを彷彿とさせる職人、ギターの加藤さんの好みは僕が聞いて「ああ! なるほど」、2010年代のギタリストですね。

以下、RETOさんのホームページよりプロファイルを引用させて頂きました。

2009年結成 
東京都下北沢、渋谷を拠点に活動しているポップロックバンド。
「泣いたり 笑ったり ありふれた日常をリズムとメロディーにのせて」というコンセプト通り
Vo小山の世界観のある歌声と詞、キャッチーなメロディー、様々なジャンルを取り入れたアレンジを武器に活動中。

ポップロックというと、底抜けに明るい印象を持たれがちだがコンセプトにあるように様々な曲調、アレンジを得意としているのでリスナーを飽きさせない魅力がある。

2013年5月にフルアルバム「ユメミドリ」を発表。それに伴い東名阪、東北ツアーを行い大成功をおさめる。
ツアー初日を含め過去に企画ライブを3回、ツアーファイナルとなる下北沢clubQueでワンマンライブを行い、全ての講演はソールドアウト。

2013年11月、会場限定シングル「ケセラ」をリリース。即日ソールドアウト。

2014年5月27日にTSUTAYA O-Westでのワンマンライブ、同時にトリプルA面シングル「P」を発売。400人以上を動員し、大成功をおさめる。

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新宿芸術家協会公演を観に行ってきました

2015年06月22日 | 徒然
昨日の日曜日、ご出演者から前売り券をご招待頂き、観に行ってきました。
(どうもありがとうございます!)

新宿芸術家協会公演The Dance gathering vol.19 現代のカオス新宿より 25th anniversary~万華鏡のように~

現代舞踏を観るのは初めてでした。
ちょうど自分のドメインを考えると、いいタイミングで初体験させて頂いたことに、偶然ではない何かを感じます。

初めて観た私は「素人」ですが、人の躍動による「美」というものを存分に堪能させて頂きました。

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「金曜日の朝」(作詞:安井かずみ、作曲:吉田拓郎)

2015年06月20日 | 徒然
もう土曜日になっちゃいましたが、これも4月にFacebookにアップした記事です。
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70年代、勃興してきたシンガーソングライターのムーブメントを嫌悪していた安井かずみ(ZUZU)。
GS隆盛時のゴージャスな芸能界の雰囲気をぶち壊してしまった、クソ真面目でときにメッセージを込めたフォーク(今の言葉で言うと、等身大って奴)を嫌悪していたことは想像がつく。

松任谷由実が八王子の呉服屋のお金持ちの娘で、やはり貧乏臭い四畳半フォークを嫌悪していたのと心性は同じだろうが、その松任谷にとってもZUZUは「雲の上の人」。日本で有数の女性ロールモデルで、松任谷はフォロワーだったわけだ。
それよりも職業作詞家・作曲家の仕事=生活の基盤を奪う脅威でもあったわけだし。詞も曲も自分で書くシンガーソングライターの存在は。
それでも吉田拓郎とはプライベートで交友関係にあったし、曲は少なかったが詞も書いていた。

僕は高校1年のときにシングル「金曜日の朝」を買ったが、今になってZUZUの伝記を読むと、なるほどこの曲は拓郎のレパートリーの中でも異色なんだと実感する。
聴いてた当時はおぼろげなイメージだったけど、どこか「金曜日の朝」だけは当時としてはアーバンな印象があった? だいいち「パリ」なんて都市名がでてくるし。 拓郎自作でも、松本隆や岡本おさみでもそれはあり得ない。
そして、やはり女性の書いた詞、女性の描いた心象風景なんだと今さらながら実感する。

「金曜日の朝」


安井かずみがいた時代 (集英社文庫)
島崎 今日子
集英社


吉田拓郎 ベスト 2 おきざりにした悲しみは 金曜日の朝 伽草子 ビートルズが教えてくれた シンシア 征服 蒼い夏 人生を語らず 襟裳岬 マークII’こうき心 落陽 DQCL-2003
クリエーター情報なし
Sony Music Direct(Japan)Inc.(SME)(M)


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男と女のはなし (3) 最終回

2015年06月18日 | 徒然
Facebookで5月10日のタイムラインにアップした記事です。
前回からの続きです。
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よく結婚式で「(相手を)幸せにすることを誓います」と誓い合う。
日常生活でも多くの人達が「幸せになりたい」と願っているはずだ。

僕が何年も前から心に抱いてて、昨年あたりから「あ~! そういうことね・・」と確信するようになったこととは?
「幸せになりたい」と願うのって「今現在、私は幸せではない」とイコールよね。
そして、「幸せになりたい」と願っている限り、人は一生、幸せにはなれないんだろうなぁ、と。
対象がコトでもモノでもお金でも人の心でも、人の欲望には限りがない、と考えれば当たり前のことなんだけど。

たとえどんな状況に置かれようと、今、ここにいる自分を幸せと考える、いや実感できない人が、どんなに愛しい異性と結ばれたとしても、幸せを感じるのは一瞬(長くて3年ぐらい)だろうなと。
前からよく書いてるけど、自分を幸せに出来るのは自分だけ(不幸も一緒よ)。
極端なこと言うけど、幸せな人同士じゃないと二人とも幸せである、なんてあり得ないんじゃないかな?
子供がいないばかりか、結婚した経験のない僕が言うのも説得力が弱いかもしれないけど、パートナーに依存する「幸せ」って結構、脆いんじゃないかな?

余談だけど、強い「依存関係」ってのは危険だ。
自分の勤める会社とか上司・同僚・部下、発注元・発注先などのパートナーに頼り頼られることは普通だけど、「依存」しきってしまうのは危険ということね。

自分の業務や職場のストレスにやられちゃう人って、必然的に愚痴ばかり言うし、そういう人って組織に「依存」しきっちゃってるわけ。。
「辞めりゃいいじゃん?」と僕が言っても、本人が「もう辞める!」と酒飲んで愚痴っても、まず辞めることはない。
だって「依存関係」にあるんだから当たり前でしょ?

ブラック企業から抜け出せない人達はそのいい例だ。
その企業を選んでしまった自分を否定したくないから、ズルズルと無駄な努力をしてしまう。
「認知的不協和」って奴だ(仮にも「マーケティング」と名のつく企業の人で、この言葉を知らんかったらモグリだかんね・・)。

男女の関係にも「認知的不協和」はあるよ。
僕も以前は、男と女というパズルを「完成」させることが「幸せ」じゃないかと当然のように考えてきた。
つまり「欠落を埋める」という考え方。
が、結婚をした数えきれない友人・知人・先輩・後輩たちを見てると、当然のことながら結婚=社会制度なわけで、別れた人達も多いし、ただ経済的なことや子供がいるからという理由だけで一緒にいる人達も少なくはない。
どちらかが浮気をすれば、裁判になったり慰謝料が発生することもある(契約違反)。
生涯未婚者、離婚・死別などによる単身世帯が増えた今でも、家族を作る結婚制度は強烈な社会通念だ。
人には子孫を残すという、何万年来の動物的本能もあるし。

30代後半の頃、職場の女性からこう言われたことがる。
「井上さん、その歳まで一人でいたら、これから人と一緒に暮らすことなんて無理よ。そうだ! 亀を飼いなさい!」
僕は亀を飼わなかったし、僕にそう言い放った彼女は程なく離婚した。

離婚した人たちを責める資格なんて僕にはない。
むしろ、依存関係の泥沼で喘いでる(実は好きで喘いでる)人達には、「さっさと別れた方がいいよ」とさえ言いたい。
でも、たとえ離婚に至らなくても、パートナーが齢を重ねるごとに「劣化」したとかいう愚痴を聞いたりすると、それって「あんたの責任でもあるわけでしょ?」と思ってしまう。

恋愛のほんの初期だけ、パートナーの存在によって自分が「いい男」や「いい女」に感じられたのかもしれないけど、月日が経てば逆にパートナーによって自分が貶められたり(正確には自分で自分を貶める)、価値のない存在のように自分で自分を洗脳しちゃう人達って多いんじゃないのかな?

何やってんだろうね? 他人事として見ると人って馬鹿みたいでおもろいんだけど。
そんで、死ぬ間際になって、「ああすりゃよっかった、こうすりゃよかった」なんて、ホントお馬鹿よね。
自分も散々、女性に対し申し訳ない言動を弄したこともあったけど、何で自分をコントロールできなかったのかわからなかった。
それに過去の話なんで、今は全く気にしていない。

世の中に「価値のない人」なんて一人としていないんだけどね、たとえ犯罪者でもよ。
「運命の人」「理想のパートナー」の話に戻るけど、二人は同時にこの世を去るわけじゃない。
安井かずみと加藤和彦は、明らかに「運命の人」同士の夫妻だったと思う。
勿論、稀有なパターンだろうけど、そういう「運命の人」と結ばれるのは幸運には違いない。
が、類まれなる「運命の人」安井に先立たれた加藤は、「あの素晴らしい愛をもう一度」手にすることはできないまま、自死されるまでの15年間を生きていらっしゃったんじゃないかと想像する。

加藤和彦だけじゃなく、僕の身の回りを見渡しても、男って脆いな、、とつくづく思う。
日本の自殺者が年間3万人を超えてると言われて久しいけど、男性の自殺者は女性自殺者の3倍よ。。
パートナーの女性に先立たれた男の辛さなんて、独身の僕が想像することじゃないかもしれないけど、やはり、「男女のパズル」が出来上がって「完全」って考え方はどうかな?

二人でいた幸せから「転落」してしまうのは辛く、立ち直るのに時間がかかるだろうけど、一人でいても幸せ、一人でも「完全」なんだよという状況を楽しめるのが一番だと思う。

僕は次男坊で、「井上家」は兄夫婦の子供(甥)が継いでくれるわけで、気楽な身分だからこんなことが言えるんだろう。
だから一般性はないかもしれないけど、それでも「誰かといようが、一人でいようが幸せ」な自分って幸せだと思う。
僕に「運命の人」「理想のパートナー」がいたらそれも良し、いなくて死ぬまで一人だったとしてもそれも良し。
どちらにせよ、僕って幸せなんだろうな。

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男と女のはなし (2)

2015年06月17日 | 徒然
Facebookで5月6日のタイムラインにアップした記事です。
前回からの続きです。
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たまたま、『安井かずみのいた時代』を読んでいたからなのだが、畏れ多くも故 加藤和彦のようなレジェンドと自分を重ね合わせる理由はなんだろうか?

「才能ある強い女性が現れたら、すべてをなげうって献身するというのが、彼の恋愛スタイルです」(玉村豊男)。
「女性のほうからアプローチしてくる」(太田進)ほうが自然でうまくいくというのも、僕と同じタイプだからだ。

(吉田拓郎以外の)多くの人達が口を揃えて言うように、この夫妻が皆が羨む「最高のカップル」だったことは言うまでもないだろう。
安井が加藤に「支配」されるように見えたのも、安井が加藤を「支配」していたからだろう。
100%自分に関心を向けなければ我慢できない。

元々、フォーク・クレセイダーズだった加藤は、エスタブリッシュの世界に染まるような人間ではなく、職人的な音楽家であった。。
安井によってエスタブリッシュでハイソな世界の住人になったというわけだ。
38歳で7歳年下の加藤と結婚した安井の苦労も、常人の想像以上であったと思う。
年上ゆえに、プロポーションの維持を含め常に美しくあろうとする努力。
自身の加齢と夫の浮気への恐怖もあったろう。
大好物のたらこを、夫が嫌いという理由で全く食べなかったほどだ。
自分だけの我儘を通す「女王様」なんかじゃない。

「男に気を遣うということは、ひいては自分に気を遣うということなのである。(中略)女は懸命にその男との愛と人生を守るのである」(安井かずみ『女の楽しい結婚方法』)

結婚後、ゴージャスで奔放な生活を共にした多くの友人達との交誼も途切れた。
夫は、レコーディング中でも妻と二人だけの食事のため夕方にはスタジオを後にし、レコーディング佳境の年末年始には二人でハワイにいってしまう(桐島かれんをヴォーカルにしたミカバンド再結成時)。
外を歩くとき二人は必ず手をつなぐ。

加藤にとっての悲劇は、結婚後17年目の1994年3月、あまりに早く安井がこの世を去ったことだ。
最善の医療措置を施し、全ての仕事をキャンセルし献身的に看病をした加藤を知る僅かの人以外は、妻の四十九日を待たず新しい恋人の存在を明らかにし、一周忌を待たず再婚した加藤に皆、驚いたのも当然だろう。
「僕は絶対強い女性じゃないとダメなんだ。何かを持ってる人じゃないと好きになれない」(加藤和彦)
それでも新しい恋人のオペラ歌手 中丸は、「最高のパートナー」であった安井かずみとは別のタイプだったそうだ。
中丸と再婚し安井の遺品を処分しまくった加藤も、僅か5年で中丸と離婚した。
安井の死から15年、中丸との離婚から10年後の2009年10月、「ただ消えたいだけ」と遺書を残し軽井沢で自死するまでの間、加藤の女性関係は途切れることがなかったという。

それでも自死する約半年前、安井の命日に加藤は、「今、ZUZUの墓参りしてきたんだよ」と言ったそうだ(内田宣政)。
もし、加藤・安井夫妻が70代、80代まで健在であられたら、と考えるのは意味はないとはいえ、どうしても考えてしまう。
「ZUZUが生きていたらって? “森瑤子のデブ”は想像できても、‘’ZUZUのデブ”はあり得ない。だからあのまんま、スレンダーでカッコいいバアサンのはずですよ」(大宅映子)

加藤和彦と北山修 あの素晴しい愛をもう一度(ライヴ)


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男と女のはなし (1)

2015年06月16日 | 徒然
Facebookで5月1日のタイムラインにアップした記事です。
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先日のTLでドラムの話になって、野木さんのご指摘で長い間、忘れてた奈良さん(現 Sheena & The Rockets)のひとことを思い出した。
一流のプレーヤーと一緒にプレイしていると、自分も上手くなったように感じるということで、自分もクリニックで奈良さんとスタジオに入っていたときにそれは感じていた。

錯覚には違いない。が、心地良いグルーヴの中で演奏していると、脳内麻薬物質でも分泌されるのか、自分の実力以上のものが瞬間的に現れてしまうことは事実だ。ライブではよくあること。
もちろん、その場限りの「一瞬芸」のようなもので、その気持ちよさを忘れられず、日々精進していけば技量は上がるし、精進しなければそのままだ。

仕事するつもりだったものの、体と心と魂の指示に従い、「よっしゃ! 今日は休みだ!」とゆっくり寝て(自由業だもんね)、いつもよりも長い10Km、1時間45分、523カロリーを消費したウォーキングをしながら諸々考えた。

これって、男女の関係にも当てはまるんじゃね?

男にとっていい女(女にとっていい男、というのは自分は男なんでわかりましぇん)って、一緒にいると自分が「いい男」になったように感じられる(錯覚する)女なのでは? と考えてしまった。
それは女性をアクセサリー的に捉える、外見的・顕示的(「オレのジョカノ、ええやろ? ん? ん?」)ではない。
とても感覚的なことだ。錯覚であってもそれを常態化するように心掛けるか、それとも気づかないか? で「その後」は異なるが。
さらに、突き詰めると「自分はどういう自分でありたいのか?」ということが根底にあるのかもしれない。
それも意識的な自己イメージ・自己理想イメージだけではなく、無意識的な自己イメージもある。
そこでまた、『安井かずみのいた時代』の話になる。

サディスティックミカバンドのVocalist ミカと離婚した(捨てられた)加藤和彦は、憔悴しきった日々を送っていたそうだ。
世田谷砧のマンションで半年間、加藤を慰めてた吉田拓郎が、京都から来た加藤のお母さんから「和彦をよろしくね」と言われたそうだ。
加藤の音楽的才能を日本で唯一無二と認めていた吉田拓郎だったが、加藤の男としての評価は厳しく、ずっと安井かずみ(ZUZU)が加藤を伴侶に選んだ理由がわからないという。安井の周囲の人達も加藤との結婚には否定的だったという。

「雑誌ではヨーロピアナイズされた粋な男のように書かれているけれど、むしろ鈍臭くて、女から見て魅力を感じるわけがないんですよ」(吉田拓郎)
だから、ZUZUが加藤を選んだ理由がわからないが、自分より先を歩いてくれる女じゃなきゃダメな加藤がZUZUを選んだ理由はよくわかると。

加藤とZUZUの結婚生活には、もちろん色々あったようだが、ZUZUが肺ガンで亡くなるまでの間、結婚しても恋愛のような関係が持続した稀有な例だったんじゃないかな? と僕は思う。
子供がいなかったということもあるだろうが。
このケースでは、「自分より先を歩いてくれる女」がキーワードになるだろう。

安井かずみがいた時代 (集英社文庫)
島崎 今日子
集英社


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「トライブ」ってのは結局、「ビオトープ」のことじゃん。

2015年06月15日 | 徒然
山口哲一さんの新著と、佐藤尚之氏の新著を続けて読みました。



山口さんの本は、「再定義」をキーワードとして、メディアの最新動向を押えた上で、近未来を垣間見せてくれます。



佐藤尚之氏の本も、受け取る情報量をもとに「砂一」「砂一以前」と日本人を大きく二つのカテゴリーに分けて、調査・プランニングを展開する必要性を説かれています。
タイトルは『明日のプランニング』よりも、山口さんの『10人に小さな発見を与えれば。1000万人が動き出す。』のほうがドンピシャだったと思いますよ(笑)。

「ソーシャル時代」の「トライブ(部族)」って、2012年頃、ジャーナリストの佐々木俊尚氏が唱えられた「ビオトープ」なんですね。
「トライブ」ってのもこの本あたりがルーツかもです。
昨年あたりから高野修平さんあたりが、「トライブ」と言い始められてますが、もちろん、それ以前からですね。

ま、呼び方なんてどうでもいいといえばいいんですが、コミュニケーションを考えるとよくなかったりするんですね。
ジャーナリストが名付けた「ビオトープ」が、ビジネスの世界で「流通」するには「トライブ」。
「カッコつけ」っぽいですね、マーケティング・タームって。

10人に小さな発見を与えれば、1000万人が動き出す。
山口哲一
サンクチュアリ出版


明日のプランニング 伝わらない時代の「伝わる」方法 (講談社現代新書)
佐藤尚之
講談社


始まりを告げる 《世界標準》 音楽マーケティング 戦略PRとソーシャルメディアでムーヴメントを生み出す新しい方法
高野 修平
リットーミュージック


キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)
佐々木 俊尚
筑摩書房


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イードさん、Good Job! 「女性タレントイメージ調査でわかった、男女で異なる“セクシー”の定義」

2015年06月12日 | マーケティング話
株式会社イードさんが実施された「女性タレントイメージ調査」結果。
コレポンを使った解析は、私もよくやってました。

「男性は「癒しを感じる」と「セクシー」を類似したイメージとして捉えているのに対し、女性は「癒しを感じる」と「セクシー」を異なったイメージとして捉えています。この違いが、綾瀬さんに対する評価の違いになっているものと思われます」

このあたり面白いです。
コレポンやってみると、男女の相違点って割とあるんですよね。

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『心理マーケティングの基本』(梅津順江著、日本実業出版社、2015年6月1日刊)

2015年06月11日 | 書評
安原マーケティングワークショップJMRX勉強会でお世話になっている、ジャパン・マーケティング・エージェンシー企画部/定性調査部シニアディレクター/モデレーターとしてご活躍の梅津さんの力作
『心理マーケティングの基本』を拝読いたしました。

私が知る限り、その黎明期からMROCをこなされてきた日本を代表する実務者のお一人です。

梅津さんが全身全霊を込めて執筆された本署のタイトル通り、実務に有用な「心理マーケティング」書ですね。
内容は定性調査のマニュアル本を超えています。

私の主観ですが、やはり後半、第5章のMROCあたりから、著者の筆致がグイグイと迫ってくるのを感じました。

黎明期に行き詰られた折、エイベック研究所の武田隆さんの『ソーシャルメディア進化論』を読まれ、MROCのダイナミクスとは、参加者が他者の発言を参照しつつ行う「自分自身との対話」であり、「静寂の中で生まれるグループダイナミクス」と気づかれたあたり、流石としか言いようがありません。

「思考・熟考型コミュニティ」では、消費行動の態度変容=「変化」ではなく「深化」が起こるという経験に基かれたご知見。

また、私にとっての「金言」は205ページに述べられています。

「同質なき多様性は単なる崩壊でしかなく、多様なき同質性は周囲に迎合しているに過ぎません」

ほかにも、ゲーミフィケーションの具体的な活用例、インサイトよりもセレンディピティという考え方、評価グリッド法とラダリングのよく整理されてわかりやすい比較など、「眼から鱗」の知見を得ることができました。
あと、梅津さんの本質の一つだと思うのですが、「言葉」に対する感性が鋭いなと。
本書の導入部の「性格」と「人格」相違点に始まり・・、ご興味のある方は本書をお読みください。

インタビューやホームビジットの際、買う・買わないという購買行動だけでなく、捨てる・捨てないからもアプローチするという姿勢は、リサーチャーのみならずマーケターとしての高い素養を感じました。

インタビュアーだけでなく、ファシリテーターもこなせるというスキルも貴重だと思います。
ジャパン・マーケティング・エージェンシー(JMA)さんでは2014年より「集合知メソッド」という定性調査とワークショップを組み合わせたサービスを開始されたとのことですが、ワークショップは他の業界でも、これから「標準装備」になるんじゃないかな? と私は考えておりました。
これも私流の言い方をさせていただきますと、「デザイン志向の仕事術」ということになります。

最後にJMAさんが2014年に実施された「女子を考えるプロジェクト」の発見事実が興味深かったことを記します。
「半歩先」のニーズを持った女子の4つの特徴、全て私に当てはまりました。
先日、Facebookで「Franc Franc」のアロマ製品を買って喜んでいることを投稿しましたら、Y君から「女子ですね」とコメントいただきました。
中々、鋭い奴ちゃなと今さらながら思ったのでした。

この1冊ですべてわかる 心理マーケティングの基本
梅津 順江
日本実業出版社


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『コンテンツの秘密』 (川上量生著、NHK出版新書、2015年)

2015年06月10日 | 書評
サブタイトルは「ぼくがジブリで考えたこと」。
著者の川上量生氏はジブリでプロデューサー見習いをやられてるのですね。

(1) コンテンツの本質

現実世界を特徴だけでなく特徴だけで単純化してコピーした脳のなかのイメージの再現。

私の補足を入れると、「現実世界」は心象世界も含んでますよね。

(2) クリエーターとは?

コンテンツ、つまり脳のなかのイメージの再現する人のわけだけど、すべて過去の経験をいったん自分の中に取り込んで、それをヴィジョンとして脳の中に再現したものを表現する人。

で、「オリジナリティ」なんですが、一般的には付加価値のように「プラス」のイメージで捉えられる場合が多いと思います。
が、川上氏は、クリエーターがヴィジョンを表現するとき、能力的な問題で正確に再現できないため、オリジナリティが生まれているように見えるだけだと考えているのは、とても新鮮な視点だと思います。
「オリジナリティなんてそんなご大層なもんじゃねぇんだよ」と、私がこう書くと気分を害されるクリエーター・アーティストさんもおられるかもしれませんが(そんなことは私も百も承知です・・)、こういう相対的な視座も必要と私は考えます。
そこで「プロデューサーとは?」となるわけです。

(3) プロデューサーの重要な役割は?

クリエーターほどコンテンツに思い入れのない観客(ユーザー)に対して、普通の観客の目線に引き戻すこと。(鈴木敏夫氏)

これって、クリエーションの世界だけでなく、一般のビジネスの世界でも重要じゃないかと私は思います。
ディレクターもですけど、プロデューサーが。
プロデューサーって、予算や時間・タスクの管理だけをする人じゃないんですね。

故 佐久間正英氏(音楽プロデューサー)もほぼ同じ思想であられたと思います。
作品を「マスに受け容れられるよう商品化する」。
オリジナリティにいかにポピュラリティーをまぶせる、といった感じでしょうか?

(4) その他諸々

・主観的情報量と客観的情報量は、本書を通底する重要なキーワードです。

・物事を記号化して少ない情報量で表現したものが「本質」の本質。脳は単純な情報しか扱えない。

「おそらく人間の脳には、対象物の法則性を認識し、複雑なものを簡単な要素に分解できたときにうれしくなる回路が存在していて。それがコンテンツを「いい」と思ったり「美しい」と思ったりする根源なのではないでしょうか?」(川上氏、123ページ)

・UGIサイトでユーザーが無料でたくさんコンテンツを創るから、競争の質は上がるし、多様性もあるというのは嘘で、競争を行えば行うほど多様性は減っていく。ソーシャルゲームがそのいい例。

⇒ コンテンツの多様性を守るためには激しい競争をしてはいけない。

・クリエーターは、パターン化されやすくパターン数も少ない「ストーリー」より、「表現」にこだわる傾向が強い。映像に合わせてストーリーをつくる宮崎駿氏は、いいシーンが描けなければストーリーを削ってしまうことさえある。

・ハリウッドの映画監督の優先順位は、キャラクター→ストーリー→世界観。あるいはストーリー→キャラクター→世界観。対して押井守監督の場合は、世界観→キャラクター→ストーリー。

・『となりのトトロ』のヒットの理由は、昭和の原風景とか、現代人の自然回帰欲求などの難しいことではなく、トトロのお腹がフワフワしていて、なんだか触るとへこんだりして気持ちよさそうだったから。(鈴木敏夫氏)

コンテンツの秘密 ぼくがジブリで考えたこと (NHK出版新書)
川上 量生
NHK出版


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