〜1960年代から70年代にかけてのできごと〜
父は仕事から帰ると必ず祖母の部屋まで行き
「帰ったよ」と帰宅を告げていました
祖母の部屋に入りびたっていた私には
それは毎日の当たり前の風景でありました
給料日はお札の入った封筒を父はそのまま
祖母に渡します
すると祖母はそれを大事に持って仏壇に供えるのでした
その後封筒の中身は丸ごと父の手元にもどるのか、
母の手に渡るのか、私の知るところではありませんが
ただ、封筒が子供の目にもわかる厚みがあり
父は高給取りなのだと鼻高々でした
しかしここで疑問が湧きます
その割にはうちって貧乏くさい……なぜ!?
疑問は数十年後、解けました
封筒の厚みの真実を母の口から知ったのです
「お父ちゃんの給料、あれね全部千円札だったのよ」
私は爆笑し、気持ち良く納得しました