〜1980年代初めの頃のできごと〜
国技館が蔵前にあった頃、大相撲観戦に
行ったことがあります
最初は観客席から観ていたのですが、中入り後の
途中から花道入り口の人混みの中に紛れ込みました
今の時代では考えられないくらい「そういうこと」が
ゆるい時代でした
そこでは出番を待つ力士が四股を踏んだり
壁ドンをしたりしていました
大きな体から大量に吹き出す汗の蒸気
濡れタオルで自分の背中を自分でむち打つ音
すり足でエア突進を繰り返す迫力…
間近で見る力士はまるで大きな野生の動物でした
しばらくそうしていますと
力士が花道に入る時、出てきた時、出入り口で
たむろす人たちが力士の背中をポンと叩いているのを
私もやってみたくなりました けれど怖くてなかなか
手が出ません
意を決してようやく「ポン」ができたのは結びの一番
に臨む横綱の背中でした
びっくりしました
見た目からは想像できないモチ肌だったのです
名横綱 北の湖でした
(イラストは全く似ていません、悪しからず)