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ちょっとした心の動きを綴ります

ハプスブルク展

2009-11-24 | 日記
 昨日、乃木坂の新国立博物館で開催中のハプスブルク展に行って来ました。凄い人の多さに驚きましたが、お目当てのエリザベート像や様々な宗教絵画を観て感動しました。
 ヨーロッパの歴史をもうちょっと勉強しなければと思いました。
 おすすめします。

乗り遅れた電車

2009-11-23 | 小説
 「ああ、やっちゃった」
 私は駅前の雑踏で自分のバッグの中身をばら撒いてしまった。特に理由もなく遅れてしまった今朝はあせっていたのは確かだ。会社までの通勤は満員電車との格闘だ。少しでも早く着きたいと思って、経験上わずかにすいていると思われる7時18分発の電車に乗ることにしていた。その7号車の一番後ろの進行方向右側の扉。それが私の定位置だった。駅の改札まであと少しというところのわずかな段差に足をとられた私は、危うく転倒こそ免れたものの、書類などの入ったバックを投げ出すかのように落としてしまったのである。
 私と同じように先を急ぐ人ばかりだから、多くの通行者は私の撒いた書類の束を迷惑そうに避けて通り過ぎた。中には飛び越えていく人もいる。そういうなかをかき分けて自分のしたことの処理をしなければならなかった。雑踏でしゃがむのは結構むずかしい。
 「どうぞ」
 手伝ってくれる男子がいた。そう、男子というのがぴったりな制服姿だった。書類の束のいくつかとマーカーペンを拾ってくれた彼はスポーツでもやっていそうな高校生だ。きっと180センチくらいはあるだろう。その身長のわりにはほっそりとしていた。青と紺のストライプのネクタイは少し緩めて締められていた。
 「ありがとう。たすかりました」
 「よかった。じゃ」
 ぶっきらぼうに、彼は背中を向けると改札に吸い込まれていった。もっとお礼を言いたかったのに、と思ったのがあまりにあっけなく去ってしまった。ふと我に返るとすでにここで10分近くもロスしている。慌てて自分も改札に向かった。

 結局、いつもより2本後の7時29分発の電車に乗ることになった。もともと余裕を持って乗っているから会社に遅れる心配はない。上司よりちょっと遅れて着くからそれが気になるといえばなるところだ。大体私は何事にも余裕がないと失敗をやらかすからその予防策でもある。会社に早く着いてティーサーバーでそれほどおいしくはない緑茶をついでデスクに置く。これが私の朝の儀式なのである。今朝はそれができなくなるだろうことが気がかりだった。おそらくいきなり係長から今日の業務についての指示が下る。
 そんなことをあれこれ考えながら満員電車の中にいた。いつもと違う時間帯。乗客も違っているような気がした。おそらく、会社や学校までの距離や、始業時間の違いや、私のような朝の儀式のありなしでそれぞれがベストな電車を選んで乗っているのだろう。それでも寝坊をしたり、家族の影響を受けたり、信号がたまたま赤ばかりになったり、私みたいにドジを踏んだりしてその電車に乗り遅れることもあるのだろう。そういう偶然の詰め合わせがこの車内の乗客たちなのである。
 3つ目の駅はJRとの乗換えがあるのでかなりの人が降りる。また乗ってくる人も多い。ドアの近くにいるといったん車内から押し出され、新しい乗客と共に車内に乗り込むことになる。私もこれを毎日繰り返している。今日もそれを何気なく終え、車内に吸い込まれると、ちょうど自分の前に180センチの制服がこちらを向いて立っていた。駅で助けてくれた男子だ、と思った瞬間に目が合った。後ろからまだ乗客が乗ってくる。彼と私は向かい合わせになったまま身動きができなくなった。私は彼の肩の高さくらいしかない。彼も私もかばんを前に持っていたので腕と腕が接触した。それがなければ抱き合うみたいになってしまう、そんなことを思ってドキドキした。
 「先ほどはどうもありがとう」
 私は彼が私のことを覚えているかどうか不安だったが、思い切って言ってみた。
 彼は私の頭上から「どうも」とだけ答えた。確かに高校生の声だった。この制服はあまり見たことがなかった。この沿線にはない学校なのだろう。学校名を聞くのもおかしいと思ったので、そこで会話は途切れてしまった。
 彼と私は体を密着させたまま、無言の時間を送ることになった。なんかとても長く感じた。

 8つ目の駅もターミナルだった。また私は駅に一度降りなくてはならない。いまドアと反対の方向を向いているのでこのまま押されては危険だ。何とか反転しなくてはならない。そう思ったとき、彼が体をすっと引いた。それが私が回転するために隙間を空けたのだとすぐに分かった。なんてやさしいんだろう。私はその行為に甘えて彼に背中を向けることにした。ようやく回り終えると彼の手の甲が私のお尻にあたっている。彼は慌ててそれを引っ込めようとしているようだが、駅に近づいたためお利用する乗客がドアのほうに向かって圧力をかけてくる。ますます彼の手は私を押した。
 痴漢らしき被害はこれまでも何度か受けたことがあるが、はっきりしたものではないので泣き寝入りしてきた。今日は誰が私に触っているかはっきりと分かっているのに、それがうれしいのはなぜだろう。純朴そうな高校生には刺激的かもしれないが、このくらいは許してやろう、などと勝手なことを思った。
 駅について乗客が私たちを押し出した。乗り換えのホームに向かって走り出す人もいる。私は元の電車に戻るために必死になっていた。押し出されたままホームに下りるとすぐに反転して再び車内に戻らなくてはならない。
 うまく成功して振り返ってみると彼はいなかった。180センチはどこかに消えていた。彼の手は暖かかったな、そう思ってお尻に残ったわずかな感触を思った。変な気持ちだ。

 でも今日はいいになりそうな気がした。

ポインセチア

2009-11-22 | 日記
 駅前の花屋さんにポインセチアの鉢植えが並んでいました。この花はクリスマスにぴったりですね。

 この花にはちょっとした思い出があります。前に付き合っていた人がよくこの花のことを話したのです。よく一緒に行った喫茶店の窓際に並べて置いてありました。

 この季節になるとなぜかそれを思い出すのです。

寒くなりました

2009-11-15 | 日記
 このところ暖かくなったり、寒くなったりの繰り返しです。でも、朝の寒さはどんどん厳しくなりますね。

 電車に乗りこんでくるスーツ姿の方のめがねが一瞬のうちに曇ってしまうのを見ると冬を実感します。

 コートを準備しなくっちゃ。

もみじ

2009-11-08 | 日記

 先日、鎌倉に行ってきました。白旗神社って知ってますか。ちいさな神社だけど、趣があっていいところでしたよ。まだまだ紅葉の時期には早いと思っていたんだけど、しっかり色づいている葉もあって感激でした。

  鶴岡八幡宮にはたくさんの人たちがいました。そして鳩もたくさんいました。ここの鳩は神様のお使いだとか。名物に「鳩サブレ」があるのは、そんな縁があるんですね。

  鳩といえば、鎌倉にはこんな動物がいるのもご存知ですか。それは「カモシカ」。  もちろん冗談です。本当は加茂歯科です。おかしいでしょう。

 ちょっとしたお散歩でしたが、楽しかったな。