~チャリに芝居さ人生ゆるよろと~

2014年夏の北海道一周チャリ旅を機に始めたブログ。目標の自転車細切れ日本一周や訳詞、芝居などを記事にします。

集中観劇また感激(030)

2014-09-01 17:09:25 | 自転車、芝居、平和
この一週間で芝居を6本観た。内4本はある演劇祭だけど、こんな頻度は初めてだ。
1. 終末の刻 (村山知義作、杉本孝司演出)
2. たったいま八月の冥王星で たったいま八月の地球では (和合亮一作、篠本賢一構成演出)
3. 貧乏物語 (井上ひさし作、印南貞人演出)
4. この青空は、ほんとの空ってことでいいですか? 第二章 ばらあば、ばらあ (佐藤茂紀作、渋谷沙絵花演出)
5. 天満のとらやん (かたおかしろう作、林田時夫演出)
6. 空の村号 (篠原久美子作、和田庸子演出)

「週末の刻」は東京芸術座が55年前の創立上演作を再演したもの。1637年に島原や天草の切支丹農民24000人が圧政に蜂起して原城に立て篭もり江戸幕府の正規軍を再三に亘り撃破し最後には兵糧攻めにあい全滅した。総大将天草四郎時貞は聞いたことあるよね。で、一人だけ生き残った絵師山田右衛門作の裏切りと回帰再生の相克を描いたもの。2時間半に及ぼうという大作だけど、作品世界に惹き込まれ全く長さを感じさせない。役者の演技も当然ながら隙がない。

「たったいま八月の・・・」は3.11後のツイッター詩作で有名な福島の詩人の作品を役者集団が演技しながら暗唱するもの。シュールレアリスムな詩で意味分らないところもあるけど、役者の声をこんなに意識したのは初めてだ。様々な声質のアンサンブルと群読の圧倒的な迫力とを耳と目と全身で感じた。意味が分からなくても良いという感覚は不思議だった。

3~6は自分の劇団が所属する、全日本リアリズム演劇会議主催の演劇フェスティバルin福島の上演作品。

原発大震災の地で演ずることで福島の皆さんの悲しみや辛さ、そして怒りに少しでも寄り添おうと企画された演劇祭で、3.5.6が加盟劇団のもの。
4の「この青空は・・・」は福島県立光南高校演劇部の作品で秀逸。福島に今生きる高校生の正に内面を明るく切なく描いたもので笑って泣いた。はち切れんばかりの躍動感にはこちらが元気をもらった。上演後には部員や作者である顧問の佐藤先生との懇談もあって更に具体的な話ができた。
持参した線量計で測ると会場周辺は0.2~0.3μ㏜あって年間だと1m㏜を超える。本来なら高校生だって住まない方がよいレベルに赤ちゃんも若い母親も敢えて住まざるを得ない福島。原発震災が過去のことではなく現在もその渦中であることを忘れちゃいけない。一向に収束させられない東電に後始末を任せず政府は資本を福島に集中して問題解決すべきで、オリンピックどころじゃないでしょう。各原発現地住民の避難計画も立てられない中で再稼働などとんでもないし、事故を収束できない日本が原発を輸出するなどダブルにとんでもない。

「空の村号」は飯館村モデルに住む小学校5年生の空君を軸に変わっていく村と家族を描いた愉快だが悲しく切ない朗読劇。京浜協同劇団が企画するのは今回が3回目。1回目は去年の8月で、何と僕が空君役を演じた。黄色いTシャツ着て帽子かぶって何故だか知らぬが頭隠してメチャクチャ若づくり。楽しかったな。だからその時の写真を最後に公開。真中の少年(?)が僕。

では、ごきげんよう。