銀座平野屋には普段お客様の目にはふれないけれど、素敵なものが数々ございます。
それは江戸からの粋を伝える物であったり、先人の技や美を伝えるものであったり様々です。
その中で銀座平野屋には、先人の技が光る逸品もございます。
これまで数回に渡って、粋の総合芸術としての
銀座平野屋所蔵の「たばこ入れ」をご紹介して参りましたが、
今回は特に、煙管を収納しておく
「煙管筒(きせるつつ)」に
着目していきたいと思います。
★以前の記事はこちらから

『アイヌ柄 煤竹 煙管筒
(アイヌがら すすたけ きせるつつ)』
長さ21cm 直径2.8cm
煤竹(すすたけ)で作られた煙管筒です。
すす竹は炉端で燻されて独特な色合いになった竹で、
茶道具としても使われます。
現在、貴重な素材です。

筒の鞘蓋(左側)の部分。
口の周囲に象牙に掘られたアイヌ柄があります。
アイヌ柄とは、アイヌの人々が使った文様のような装飾を施したものです。
アイヌ文様の渦巻きと、植物の葉(羽か?)のような彫刻が見られます。
象牙の中央部分が立体的です。

裏です。
幅約2cmの中に、緻密な彫りがほどこされています。
写真左側の筒(本体)部分が、燻された竹の独特な趣き深い色合いになっています。
この筒は全体にヒョウ柄のような(?)模様がポツポツ浮かんでいますが、
この部分は特に、浮き出た竹の地模様(じもよう)が細かく出ていて
よいアクセントになっていると思います。

写真右側の筒(本体)は侘びたよい色合いです。
そしてこんな風に鞘蓋をパカっと開けると…

このようになっています!
なんという薄さ!
象牙も竹も薄いです。
軽くするために薄く加工されたのでしょう。
銀座平野屋にはこれ以外にも煙管筒がございます。

↑この写真中央部分が煙管筒です。
色々な材質の煙管筒が見えますね!
もう少し煙管筒をご紹介させていただこうと思います。
場所は6階イベントコーナーです。
皆様のご来店を心よりお待ちしております!
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