遅い秋
今年の夏は暑かった。しかし、さすがに九月も末を迎えて、山の畑に向かう時にも、喉の渇きやシャツを濡らすような汗もすっかりなくなった。今は山の畑の木陰に横たわって、切れた息と疲れを癒すこともない。
多少の時間の前後、先行と遅れなどがあるとしても、自然のサイクルは必然的である。今年もまた秋は訪れ、稲畑の稲穂は頭を垂れ、畦には曼珠沙華が咲き、山辺には清楚な萩の花が姿を見せ始める。
遅れた秋の姿の片鱗を、今年も記録しておこうと思う。
一時は野鹿にすっかり葉を食われてしまったけれど、再び芽吹き始めたビワ。
山の辺に十四五本もありぬべし彼岸花
せっかく実ったイチジクもサルにやられて、今年は十個ぐらいしか味わえなかった。それでも、三年目で少しずつ実も増えた。
Alma Cogan - Fly Me To The Moon