最近、読書の回数が少なくなった。
この本を読む前に読んだ本は、「ダ・ヴィンチ・コード」の原作だったか、
「ハリー・ポッター」だったか、それぐらい
小さい頃から、本を読むのが大好きな子供だった。
クリスマスプレゼントや、誕生日プレゼント、父の出張のお土産まで、「本がいい」と言うような子供だったのだ(笑)
ディズニーの絵本が、多分、本との出会いだったように思う。
それからは、色んなジャンルの本を読んだ。
小学校の高学年の頃は、挿絵の少ない、字の小さな本を選んだ。
大きな字で、挿絵付きだと、すぐに読み終わってしまって、つまらないから(笑)
そんな私が、久々におもしろい!と思ったのが、この
「地下鉄に乗って」著者は、浅田次郎氏。
主人公の小沼真次は、戦後成り上がった大財閥「小沼産業」の経営者の次男。
長男は、高校生の時に、自殺していた。
後継者として期待された真次は、横暴な父親に反発し、家を出た。
父親の後は、三男の圭三がついでいた。
真次の家には、母親、妻、子供が2人いるが、真次は会社の専属デザイナーと愛人関係にある。
ある日、真次は、永田町で地下鉄を降りて、地上に出ると、そこは、昭和39年の新中野だった・・・
その後も、真次は、何度か不思議なタイムスリップを繰り返す。
そして、愛人のみち子も。
そのたび、死んだ兄や、若かりし頃の父親と出会い、真実を知っていくのだ。
タイムスリップって言う言葉に引かれて読み始めたのだけど。
そんなSFチックなお話じゃなかった(笑)
読んでいくうちに、真次と一緒に、昭和の時代へと遡る。
もちろん、戦争も、東京の最初の地下鉄も、私は知らないのだけど。
不思議な感覚にとらわれながら、時代を遡り、現代の日本に失われたものを発見する。
真次は、何度も過去に戻るたび、憎しみさえ抱いていた父親の心を知る。
悲しい結末も待っているのだけど、どこか、ほっこりと暖かい。
今度、東京の地下鉄に乗る時、ふと違和感を感じたら、そこは、別の時代かもしれない・・・なんて、妄想も抱いたりして
これは、映画化されて、10月に公開予定だそうです。
真次役だけ、うっかり見てしまったんだけど、後は、知らないようにしたので、よけいな現実感がなくてよかった(笑)
映画 「地下鉄に乗って」公式サイト