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マスターです。
3/11 14:46頃、三陸沖を震源とするM9.0もの大地震がありました。私も渋谷で被災しました。その時の状況を書いていきます。
その日はアメリカ大使館でビザ面接を受けた後、渋谷を移動し買い物をしていました。この後新宿・池袋を回ろうと思っていましたが、買ってあった切符「都区内フリーきっぷ」をなくしてしまったようで、探していました。その過程で地下鉄の駅にも聞いてみようかと思いハチ公前交差点の下にある「しぶちか」に入ってみました。
「しぶちか」にはおばさん向けの古臭い商店が立ち並んでいました。すると店員のおばさんが一言「看板、揺れていない?」
赤線・オレンジ線は私が進んだ順路。
よ~くみてみると看板が揺れ、シャッターも音を立てていました。このときは「電車が通過したのだろう」と思いすぐに終わると思っていました。まあ一応直下には地下鉄半蔵門線・東急田園都市線の駅がありますが、そこまでは離れていてここまで揺れることはまずないと冷静に考えればわかりますが、その時は本気で思っていました。
しかし、突然揺れが大きくなり足がふらつくようになりました(ちょうどオレンジ線のあたりにいた)。地下街にいた客は一斉に外へ逃げ出しました。私もこのままでは地面に押しつぶされ、もしくは屋根が落ちたりして生き埋めになるのではないかと思い、外へ飛び出しました。まあ本当は地上より地下街のほうが安全らしいですが、冷静に考えてみるとケースバイケースという感じがします。
パニックになった私は階段を駆け上がり出口を出ました。すると左から防災無線が流れ出しました。
「こちらは渋谷区役所です。ただいま震度5弱の地震が発生しました…」
私はこのとき「これが震度5弱なのか」と思いました。まあ経験したのは初ですからね。震度7だとどんな規模になるのだろうかね。
まあやるべきこと(=落し物の問い合わせ)をしようと地下鉄の駅に行ってみましたが、あまりのものものしさに「それどころではない」と感じ、もう今日は帰ろうと切符はあきらめJRの駅に向かいました。
抑止
「電車がきます」と表示されても…
来ない
電光掲示板も山手線の時刻が消え、地震で運転見合わせになったとのメッセージが延々と表示されていました。
首都圏のJRは完全にストップしてしまいました。
しばらくして自動改札機は停止。入り放題の状態に。
券売機、清算機も稼働停止。
改札口に設置され、通常は宣伝や運行情報が表示されるプラズマディスプレイには、NHKのニュースが放映され、人だかりができていました。しばらくして音声も流れ始めました。これはかなりの緊急事態です。エスカレーター・エレベーターも止まってしまいました。
入り放題になったので外に出てみました。こちらではガラスが落ちたとのことで白い布がかけられています。
見上げてみたところ。ここから落ちたのでしょうか。危ないですね。
ハチ公口前の街頭ビジョンは通常放送。自動放送だからかもしれませんが、ここでNHKを放映したら混雑している駅前がさらに混乱になるとの配慮なのかもしれませんね。
このほか東京メトロ銀座線・東急東横線では改札を停止、東京メトロ副都心線・半蔵門線・東急田園都市線へ通じる通路では警察官が立ち行き来できない状態になりました。
商店関連では「しぶちか」も営業を再開しましたが、一部の店舗では早めに切り上げている店舗もありました。BGMはNHK?のラジオ放送が流れていました。またガラス張りの壁面が大型ビジョンになっているQFRONT内に入るTSUTAYAは営業を停止していました。
一番びっくりしたのは渋谷駅ビルの東急百貨店は営業を再開。地下の食品売り場ではいつも通り威勢のいい値引きセールが行われ、エレベーター・エスカレーターも稼働していました。大きな被害を受けたと思うのに、それを気にせず営業している東急百貨店の対応は驚きました。
渋谷駅3・4番線南端では駅の手前で緊急停車して動けなくなった山手線の乗客の救出作業を行っていました。撮影時間は16:46でしたから約2時間にわたり閉じ込められたことになります。救出作業は1時間ほどで終了し、最後に点呼を行っていました。
一応救助の仕方を図で説明。何号車だったかは失念(たぶん3・6号車)しましたが、救出は2か所で行われ、はしごを使って救出していました。その後3・4番線のホーム端まで歩き、備え付けの階段を上ると「申し訳ありませんでした」と駅員が出迎えていました。そして作業員が「大丈夫ですか」と声をかけていました。その隣には毛布が敷かれ、車いすや救急セットなどが置かれていました。
結局6時半ごろまで電車が動くのではないかと待っていましたが、駅プラズマディスプレイで流されるニュースで「JRは終日運休する」と言った瞬間、あたりでどよめきが起き私も落胆してしまいました。やっぱりJRは対応が悪いですね。駅放送ではこのことについて何も言及していませんでしたが、おそらく事実でしょう。結局JRは運休してしまいました。
家はJR中央線沿線にあります。帰ろうにも電車はJR・私鉄ともすべてが停止し、バスは最後尾がわからないほど客が殺到、タクシーなんてなかった。これでは家に帰れません。私は初めて「帰宅困難者」になりました。仕方がないので家まで歩き始めました。
赤線は渋谷から新小金井まで私が歩いたルート、青線はGoogleマップによる模範ルート
カメラはSDカードを忘れてしまい、携帯も写真を撮ったので電池がなくなり、帰ろうにもルートを立てることができなくなりました。これはもう最悪。
渋谷マークシティーから道玄坂を通ると国道246号線にぶつかりました。このままだと三軒茶屋の方に行き、家からさらに遠くなると思い、どうしようかと近くにあったファミリーマートに入りました。そこにあったガイドブックをの地図を見て、ルートを組み立てました。幸い充電器はあったので、とりあえず駅に行けばマクドナルドやauショップで充電させてもらえると考え、駅の方を通っていくことにしました。もしかしたらバス路線もあるかもしれません。
道玄坂から山手通りを通ると都心を離れようとする車で渋滞していて、動く気配もありませんでした。井の頭通り・甲州街道まできても多くの帰宅困難者が郊外に向かって歩いていました。
途中のコンビニでルートを確認しながら東北沢に到着して唖然。マクドナルドもauショップも見当たりませんでした。仕方がないので代田橋まで歩き、駅員に確認するもないといわれてしまい、なにもできないまま甲州街道まで出てきてしまいました。
でもここまでくれば何とか地図を見た記憶を頼りに行くことができそうです。だんだん疲れてきましたが、コンビニに立ち寄りつつ、歩き続けました。甲州街道と別れ都道14号、そして下本宿通りを通って、人見街道へ来ました。ちょうど三鷹駅行のバスが来ていましたが道路が渋滞してノロノロ運転の上車内も混雑していたので、歩いたほうが速いし安上がりと判断し歩き続けることに。三鷹駅からバスが出ているのかどうかもいまいちわからなかったのもあります。
連雀通りに入ってくると振り替え輸送のバスが通り過ぎていき、やっぱりバスに乗ればよかったなと思いつつ歩き続けましたが、しだいに目的地の新小金井駅に近づいてきました。もう脳内には「サライ」が流れていましたね。24時間テレビのマラソンを走り切った気分ですよもう。
新小金井駅を見るとすでに運転を再開したとの張り紙がありました。本当は井の頭通り・人見街道を通って久我山駅に行くGoogleマップのルートが一番よかったのだろうけど、まあ無事に帰れただけ幸せ者です。家に帰ったら床に倒れこんでしまうほどくたくただったのでした。
…つづく
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…この大地震。仙台の方では電気・ガス・水道・携帯・インターネット…ライフラインがすべて絶たれてしまい、安否を確認するまで2日かかってしまいました。無事でなによりです。ライフラインが絶たれてしまうと、何もできないことを痛感しました。
一方東京も仙台よりはライフラインが絶たれたわけではなくまだましですが、物流網がストップし品薄が続き、電車もろくに動かず、さらに東電がわざと停電をさせようとする始末…。どうしようかねえ。くわしくは2日目以降で紹介することにします。
テレビの方は津波に流されるかなり悲惨な被害を延々と流し続けています。あまりの惨状に気が滅入ってしまいそうですが、われらのテレビ東京が3/20から通常放送に戻し始めたのを皮切りに、他局も徐々に通常放送に戻しつつあります。いつも通りのバラエティーを見ればすこし気が落ち着くかもしれませんね。でも穴埋め用のACばっかなのが気になってしまいますね。
ところでNHKの緊急地震速報の音って最初にFNNのニュース速報テロップの音が数回入るのね。初めて知りました。
今回の反省点はSDカードを忘れてしまったことかな。こいつがあれば地震後の状況を刻銘に記録できましたが、それができなかったのがおしいところです。あまりにショックを受けた私はSDカードの口にビニールテープを貼り取り出せないようにしておいたのでした。