大人になる娘へ送る言葉 ~君を心から愛する父より~

僕は君のお父さんになった。君の成長の記録とともに、君の人生の半歩先を行く僕の学びを将来の君に送る言葉としてここに記すよ

本物に触れるという事

2020年01月08日 | 友人
娘へ、

今日は人生を少しでも楽しむために「本物」に触れることの大切さを伝えたい。

本物と偽物は一見区別がつかないことが多い。
でも経験上言えるのは、本物に触れる機会が多いほど、偽物との差を感じる能力が高まるということだ。

物にしても、言葉にしても、人にしても、自分が「本物」だと感じるものと長く付き合ってほしい。
そうすれば、一見似たような偽物を見たとしても、感性や勘で気づくことができる。

絵画にしても、音楽にしても、舞台にしても、本物をとにかく見よう。
そして、何故そこに人々が感動を覚えるのか考えてみよう。
美しい絵をみて涙を流す人がいれば、何を感じているのか聞いてみよう。
美しい景色をみて涙が込み上げたのなたらば、なぜなのか自分の心にきいてみよう。
大切にしている人の本物の笑顔はすぐにわかるはずだ。
本物を求めていれば自分自身の心が満たされていくことに気づくだろう。

お父さんが「本物」を意識するようになったのは、三十を過ぎてからだ。
若いころは中々日常に感動を覚えない。毎日がつまらなく感じることさえある。
そんな時に、家のすぐ近くにある美しい海の景色を見た。
海に沈む夕日を見た。
夕日を見て笑顔で話す親子を見た。
レンズを通すことなく、自分の前に広がる真実を自然に受け入れた時、何か本当の幸せにふれたような気持ちになったよ。
自分が持っていた悩みや不安の全ては、目の前に広がる真実の海、夕日、人の幸せには必要のないものなんだよね。

何か悩むことがあれば、本物に触れてみよう。
歴史が築き上げた大自然でもいい、著名なアーティストの作品でもいい、大切な人とすごすひと時でもいい。
自分にとっての「本物(つまりそれは感動を与えてくれるもの)」にとにかく意識して触れてみよう。

父より