日本人の「健康寿命」、男女とも世界でトップ

2015-08-29 13:29:44 | 健康

 日本は男女ともに「健康寿命」が世界で最も長いという調査結果を、米ワシントン大などの国際チームが27日付の英医学誌「ランセット」に発表した。


 健康寿命は、病気などで日常生活が制限されることなく、自立的に生活できる期間。世界保健機関(WHO)が健康の指標として提唱。日本もその延伸を健康目標の柱に掲げている。

 国際チームは、世界188か国のデータを分析。2013年の日本の健康寿命は男性71・11歳、女性75・56歳で、男女ともにトップだった。ベスト5は、男性が〈1〉日本〈2〉シンガポール〈3〉欧州の小国・アンドラ〈4〉アイスランド〈5〉イスラエル、女性が〈1〉日本〈2〉アンドラ〈3〉シンガポール〈4〉フランス〈5〉キプロスの順番だった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150828-00050114-yom-sci


悪性黒色腫

2015-08-23 12:08:53 | がん

肝臓がんの治療をしていたカーター元大統領に、あらたに脳に4つの悪性黒色腫が見つかりました。治療は放射線治療で数か月続く見通しです。ここでは悪性黒色腫の特徴、そして、代表的な放射線治療について確認しておきましょう。


◆悪性黒色腫とは?

皮膚に発生する皮膚がんの一つですが、最も悪性度が高い皮膚がんです。皮膚には、メラニン色素を産生する皮膚の細胞メラノサイト、あるいは母斑細胞が悪性化した腫瘍で、単に黒色腫、またはメラノーマと呼ばれることもあります。悪性黒色腫は、脳転移を起こすことが少なくありません。

原因は、不明ですが、白人の発生率が有色人種よりも数倍高く、紫外線の強い地域に居る白人の発生率がさらに高いという報告もあります。白人では、数か所の皮膚に多発する家系が報告されており、遺伝的に悪性黒色腫が発生しやすい家系があると考えられていますが、日本では、そのような家系は明らかではありません。

脳に転移した場合、場所や数、大きさによって治療方法は変わってきますが、ガンマナイフやサイバーナイフなど定位放射線照射や手術による局所治療が有効な場合があります。


◆脳を対象とする放射線治療「ガンマナイフ」

脳を対象とする特殊な放射線の一種であるガンマ線を1点に集中させて、ピンポイントで組織を攻撃する治療法です。脳の深い部分や重要な機能を担う部分に病気がある場合、大切な機能を温存して病変部だけを選択的に治療することができる画期的な治療の機械です。短期間の入院で、局所麻酔下に治療が可能であることから、小児から高齢まで、全身麻酔下での手術に危険が伴うような状態の場合でも、大きな痛みや苦痛を伴うことなく治療が可能です。

日本では1996年より健康保険適応になっています。副作用としては、照射した部分の周辺組織が浮腫や壊死をおこすことがありますが、内服や点滴で治療可能です。通常の放射線治療に伴う脱毛はありません。


◆頭蓋内・体幹部腫瘍に有効な放射線治療「サイバーナイフ」

X線透視システムによる精密な位置補正を行うために、苦痛を伴う固定具を必要としません。フレーム固定を必要としないため、分割照射を行うことも可能です。放射線を数回に分割して照射することにより、正常臓器の副作用を軽減するため、ガンマナイフでは治療しにくいとされている大きめの腫瘍に対しても治療を行うことができます。

また頭蓋内だけでなく体幹部腫瘍にも治療適応があります。ガンマナイフに比べて若干費用は高めですが、高額医療適応になり、負担額は同じです。副作用としては、照射した部位のやけど、頭部ならば脱毛、吐き気、味覚異常、嗅覚異常、頭痛、体力の減退、食欲不振などがあります。


◆がんの形に合わせて照射する放射線治療「IMRT」(強度変調放射線治療)

最近のテクノロジーを用いて照射野内の放射線の強度を変化(変調)させて照射を行う方法のことを指します。がんの形に凹凸があってもその形に合わせた線量分布を作ることが出来ます。一方、正確な治療を行う為には、照射を行う際のがんの位置のずれや放射線の線量の誤差に対する精度管理が通常の照射法より厳しく要求されます。前立腺がん、頭頸部がん、脳腫瘍などに有用です。


がんが脳に転移すると頭痛、吐き気、痙攣、麻痺を起したり、出血して命に関わることがあります。他の臓器に転移があったとしても、優先的に治療を検討すべきです。放射線治療のためにどのような機器を導入しているか、どの分野を得意としているか、については医療機関によって異なります※。自分に合った治療が受けられるように、あらかじめ調べておくとよいでしょう。

※全国のガンマナイフ・サイバーナイフの設置機関
http://chiryo-hikaku.jp/hospital/


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150823-00010003-mocosuku-hlth


肝臓がんにラジオ波焼灼療法

2015-08-19 08:46:03 | がん

熱を発するラジオ波(電磁波)を使い、肝臓がんの病巣を焼いて消滅させる「ラジオ波焼灼(しょうしゃく)療法」が急速に普及している。病巣の切除手術と違って切開しないので患者の負担が少ない上、技術の進歩で治療成績が向上し、保険も適用されるからだ。臓器をできるだけ残すことで、再発しても繰り返し治療できる。患者の状態に応じて切除手術などと組み合わせて効果を高める方法も取り入れられ、再発率が高い肝臓がんの治療の「第1選択」として有力な手段になってきている。(坂口至徳)

 ラジオ波焼灼療法は、超音波画像のモニターで病巣の位置や大きさを確認しながら、直径1・5ミリの金属製の電極針を患部に刺す。病巣の中心を貫通したところで針を止め、通電。するとラジオ波により100度近くの熱を発し、病巣を焼く。針には、病巣で針先が傘のように開いて幅3センチ程度の範囲を焼くことができる「展開針」や、2つの電極を持ち広範囲に焼くタイプが使われることが多い。

 80代のある男性は、C型肝炎ウイルスに感染して肝硬変になった。その後、肝臓内に肝細胞がんがみつかり、病巣に栄養を送る動脈を薬剤でふさいで壊死(えし)させる肝動脈化学塞栓療法を行ったが効果はなかった。

 焼灼療法を多く手掛けている近畿大医学部付属病院(大阪府大阪狭山市)の消化器内科に転院。男性の腫瘍は横隔膜の近くにあり、超音波を伝えない空気を多く含む肺が邪魔をして病巣が見えなかったため、同病院では肺と肝臓の間に生理食塩水を入れてモニター画面に映しながら、病巣を完全に焼くことに成功した。

 男性は6日後に退院。2年後の現在も再発しておらず「食欲が増え、腹部の違和感もなくなった」と元気に過ごしている。

 同科の工藤正俊教授は、ラジオ波焼灼療法が普及した理由を「肝臓がんの治療では、肝臓の正常な機能をできるだけ残すことが重要で、その点から選択する病院が増えている。再発しても簡単にまた治療できる。装置や安全性を考慮した治療法の開発に加え、超音波検査では見えにくい患部の画像を鮮明にする技術の進歩も大きい」と指摘する。

 工藤教授は、肝臓がんの周囲にある特定の細胞(クッパー細胞)に取り込まれる造影剤を使う方法を応用して、超音波画像では見えない肝臓がんを検出し治療する方法を開発。現在、世界中で使われている。このほか、超音波の画像とCT(コンピューター断層撮影)画像をオンラインで同時にモニターに映し、病巣の位置確認をしやすくする方法も広く普及している。

 工藤教授は「日頃から検診でC型肝炎ウイルスなどの感染をチェックしておき、発見されればすぐに肝臓専門医を受診することが大切だ。早期であるほど治療の効果が高くなる」と話している。

 ■ガイドラインでも外科と並ぶ選択肢

 肝臓がんは、C型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルスの感染による慢性肝炎や肝硬変から発症することが多い。最近では、脂肪肝など生活習慣病から発がんするケースも増えている。

 ラジオ波焼灼療法は、平成25年の肝がん診療ガイドライン(日本肝臓学会)の改訂で、外科手術による切除とともに「腫瘍が3センチ、3個以下」の肝臓がんの治療の第1の選択肢になった。

 日本肝癌(がん)研究会の全国追跡調査によると、5年生存率は「切除」が61.4%。「焼灼療法」は全国平均55.7%だが、近畿大では64.8%など施設によってばらつきがある。現在、積極的に導入しているのは東京大、順天堂大、近畿大の各病院や大阪赤十字病院など。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150818-00000514-san-hlth


トランス脂肪酸

2015-08-17 13:32:38 | 健康

米当局は6月16日に、3年以内にトランス脂肪酸のもととなる「部分水素添加油脂(PHO)」の全廃を食品加工メーカーなどに指示した。心臓病になる危険性を高める"安全ではない食品"であることが理由だが、今回、トランス脂肪酸の悪影響を裏付ける新たな研究結果が報告された。カナダ・マックマスター大学健康科学部のラッセル・デ・ソウザ助教らは、世界で行われた20研究などを分析。トランス脂肪酸で死亡の危険度が34%、心臓病になる危険度が21%上昇すると、8月12日発行の英医学誌「BMJ」(2015; 351: h3978)に発表した。一方で、脳梗塞や糖尿病との関連は認められなかったという(関連記事:トランス脂肪酸全廃へ、年間2万人の心筋梗塞予防効果―米当局 http://kenko100.jp/articles/150618003505/)。


◆飽和脂肪酸の悪影響は小さい?
脂肪酸は、人間の体を作る上で不可欠な栄養素。たくさんの種類があるが、大きく飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2つに分けられる。飽和脂肪酸は体に悪い脂肪酸とされ、不飽和脂肪酸は体に良いとされるDHAやEPAなどが含まれるグループ。ところが、不飽和脂肪酸の中でもほかと性質が異なって悪さをするものがある。それがトランス脂肪酸だ。

世界保健機関(WHO)や欧米などでは、飽和脂肪酸を総カロリー摂取量の10%未満に、トランス脂肪酸を1%未満に抑えるよう勧めている。しかし、最近の専門家の意見や研究では、飽和脂肪酸による悪影響はむしろ小さく、逆にトランス脂肪酸の方が高リスクと指摘されている。

こうした背景からデ・ソウザ助教らは、飽和脂肪酸もしくはトランス脂肪酸と健康との関係を調べた研究を集めて分析を行った。


◆天然のトランス脂肪酸は悪影響なし?
飽和脂肪酸の研究で対象となったのは、日本を含む7カ国で行われた3~12件(9万501~33万9,090人分)。分析の結果、死亡、心血管病による死亡、心臓病、脳梗塞、糖尿病(2型)のいずれも、飽和脂肪酸の摂取との関連が認められなかった。ただし、心臓病による死亡については、関連を完全に否定することはできなかったという。

トランス脂肪酸の研究で対象となったのは、4カ国で行われた1~6件(1万2,942~23万135人分)。トランス脂肪酸摂取との関連が認められたのは、死亡(リスク34%増)、心臓病死(同28%増)、心臓病(同21%増)だった。一方、脳梗塞、糖尿病(2型)との関連は認められなかった。

人間が口にするトランス脂肪酸はほとんどが人工のものだが、ウシやヤギなど反芻(はんすう)動物の肉や乳にも微量に含まれている。しかし、こうした天然のトランス脂肪酸と心臓病死や心臓病との間に関連は認められず、糖尿病では逆にリスクが減っていた。

デ・ソウザ助教らは「今回得られた結果は、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸と心臓病の関連を調べた過去の研究結果を追認するもの」と結論。一方で「飽和脂肪酸とトランス脂肪酸に代わりに別の食品を推奨するならば、その食品が健康に与える影響を慎重に考慮すべき」と提言している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150817-00010003-mocosuku-hlth


炭水化物、脂質摂取過多

2015-08-15 12:41:59 | 健康

現代人はカロリー過多、炭水化物のとりすぎ、でも欧米人よりは野菜をとっているといったイメージをお持ちではないでしょうか。

でもそのイメージ、実は間違っているかもしれません。

今回は数字のデータを示しながら、日本人の食生活についての3つのイメージを改めて検証してみたいと思います。



1. 現代人はカロリーをとりすぎている・・・ウソ

「昔の日本人に比べて今の日本人はカロリーをとりすぎている」と思っている人は多いのではないでしょうか。確かに、お腹がポッコリでたメタボの人が増えたことを考えると、高カロリーな食事の結果だというふうに結びつけがちです。

実際、日本人のカロリー摂取量がどう変化しているかというと、

1946年・・・1,903kcal

1955年・・・2,104kcal

1975年・・・2,226kcal

2000年・・・1,904kcal

2012年・・・1,874kcal

(国民健康・栄養調査より)

戦後、わずか10年の間に急速に摂取カロリーが増えているのがわかります。その後、1975年をピークに減り続け、2012年ではなんと1,874kcal。これは戦後すぐの、まだ食料が十分になかった時代より少ないカロリーなのです。つまり、現代人は昔に比べてカロリー数で見ると減っていると言えます。



2. 現代人は炭水化物のとりすぎ・・・ウソ

近年、糖質制限というダイエット法が流行り、何かと悪者扱いを受けている”炭水化物”。人間はカロリーをたんぱく質、脂質、炭水化物の3つから得ていますが、この比率の変化を見てみましょう。

(順に、「たんぱく質」「脂質」「炭水化物」)

1946年・・・12.4% 7.0% 80.6%

1975年・・・14.6% 22.3% 59.2%

2012年・・・14.6% 26.2% 59.2%

(国民健康・栄養調査より)

これを見ると、昔に比べて食事中の炭水化物の占める割合は減っています。実際、炭水化物の主な供給源のひとつである米の摂取量は戦後、半分以下にまで低下しています。

一方、急激に増えたのが”脂質”の割合。現代人は炭水化物ではなく、脂質をとり過ぎていたのです。



3. 日本人はアメリカ人よりも健康的な食生活を送っている・・・ウソ?

アメリカ人の食生活といえば、分厚いステーキにフライドポテトにコーラ……日本人に比べてとても健康とは言えない食生活を送ってそうなイメージがあるのではないでしょうか。

一口に「健康的な食生活」といっても定義が難しいのですが、ひとつのデータをご紹介しましょう。それは「野菜の摂取量」です。

一日の平均野菜摂取量はアメリカ人が349.6gなのに対して日本人は290.9g。日本人の方が約50g(ミニサラダ一皿分)も少ないのです。ちなみにお隣りの中国は766.8g、韓国は584.6gと日本人の2倍、3倍の摂取量を誇っています。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141022-00004372-nkcareism-life


抗生物質耐性菌

2015-08-15 11:27:55 | 健康

体に有害な細菌をやっつけてくれる抗生物質だが、むやみやたらに使っていると抗生物質が効かない耐性菌を発生させてしまう。こうしたことから、各国の当局や医療機関、医師らが抗生物質を適正に使うよう呼びかけているが、一般市民はそうした行為を「製薬会社の陰謀」と捉えるなど、誤解が多いことが英国での調査によって分かった。「抗生物質耐性」の意味も取り違えていることも多かったという。

◆ほとんどが「処方理由を知らない」

抗生物質は細菌の活動を抑える薬で、細菌によるものなら喉の痛みから腹痛、発熱、肺炎、皮膚炎、中耳炎などまで幅広く有効。そのため、本来なら抗生物質が不要な症状が軽い場合でも処方を求め、医師もそれに応じる傾向にある。

一方で一部の細菌は、抗生物質にさらされることによってその効き目を無効にする「抗生物質耐性」を獲得する場合がある。抗生物質を使うほど耐性を示す細菌が増えることになるため、抗生物質の使用は極力控えるべきとされているのだ。

今回の調査は今年3~4月、英医学研究団体「ウエルカム・トラスト」が英国内の3都市(ロンドン、マンチェスター、バーミンガム)に住む18~70歳以上の66人を対象に行った。調査結果は、友人同士またはグループでの会話の内容から抽出している。

抗生物質に抱くイメージに関しては、自分がどういう症状のときに処方され、どうやって作用するかを理解している人はほとんどいなかった。さらに「何日も飲むと体に悪い影響があるので」「飲みに行く予定があるから」などの理由で、服用を勝手に中止するケースも紹介されている。

◆「たかが細菌でたくさん人が死ぬなんて信じられない」

また、「抗生物質耐性(antibiotic resistance)」や「抗菌薬耐性(antimicrobial resistance=AMR)」がどういう意味かを知らない人が続出。参加者の全員が「抗生物質を使っていくうちに、自分の体が抗生物質の耐性を獲得する」と思い込んでいたことも紹介されている。

一方、保健当局や医師らによる抗生物質の適正使用の呼びかけは、「医療費を抑制しようとしている」「製薬企業の陰謀」「脅しのストーリー」などのイメージを抱いていることも判明。さらに、耐性菌の問題は専門家の努力で解決策が見つかり、そのために時間や資金が投入されると考えているという。

このほか、耐性菌の出現によって起きる可能性がある事柄について、以下のように認識していることが紹介された。

◆耐性菌の出現で莫大な死者(年間1,000万人)が発生する
「たかが細菌でそんなにたくさんの人が死ぬなんて信じられない」
「世界規模での話で、英国には関係ない」
◆耐性菌の出現は気候変動と同様の深刻な脅威
「(何世代もの長期間で起こっている)気候変動と医学上の変化を一緒にされても、何も関連付けられない」
◆耐性菌の出現によって世界で100兆ドル(約1京2,000兆円)の経済的損失がある
「そんな金額、見たことがないから分からない」

以上の結果を受けて報告書は、抗生物質耐性の意味やそれによる世界規模の影響が伝わっていないと指摘。解決策として、「抗生物質が効かない感染症(antibiotic resistant infections)」という造語を浸透させること、各細菌が引き起こす病気は異なることなどの情報発信を提言している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150815-00010000-mocosuku-hlth