昨日、2回目の抗がん剤注射をしてきました。
先生と会って話す時は、一度にたくさんお話をし、たくさん説明をしてもらうので、頭がパンパンになります。自分の理解のためにもちょっと整理して書いておこうと思います。
抗がん剤注射をする時は、まず血液検査をして、治療に進んでも良い状態であれば注射をし、副作用などで容体が急変しないかどうかの経過をみるため、しばらく病院にステイします(と言っても日帰り)。
流れとしては、
あさいち(9時~10時)に受付をして預ける
11時~16時までの診察時間外に先生が対処してくれる(血液検査→抗がん剤注射→経過観測)
16時以降にお迎えに行く
という感じです。
昨日は治療には問題ない血液検査結果だったものの、お迎えの時の説明ではかなり貧血が進んでいるということでした。口の中の粘膜(歯ぐきなど)や鼻の頭が白っぽくなっていて、以前のような綺麗なピンク色ではなくなっています。
貧血が進む理由は、やはり胃の腫瘍が大きな原因で、血液が腫瘍周辺を流れる時、異常な細胞により赤血球が壊されてしまうことが一つ。また、胃の中の腫瘍部分からチョロチョロと出血も続いているはず(ウンチが黒っぽいことでもわかる)なのがもう一つ。数値からすると、「かなり体がしんどいはずです」ということ。ちょっと動くだけでもしんどい状況だろうということでした。
これが、治る病気であれば、猫でも「輸血」という選択肢があるようなのですが、あくまでも輸血さえすれば状態が良くなる場合の選択肢。にゃあさんの場合は関係がないです。ただ、参考のために聞いてみたところ、人間と一緒で血液型や体質に合う合わないの血液を提供してくれる猫さんを探さなくてはならなくて、その場合、親子だったりすると合う可能性が高いのだそうです。
血液型は、人間にはA, B, O, ABと4つ種類がありますが、猫の場合、Oがなく、A, B, ABの3つの種類なのだそうです。にゃあさんには「にゃあさんファミリーがいる!」とちょっと嬉しくなりましたが、それはなんとなく心が嬉しかっただけで、もちろん輸血はしません。
カリカリのご飯をペッペッペッペと口から出してしまうのは、口の中が痛いとか歯が悪いのではなく、やはり胃がムカムカして食べたくないことが理由でしょうとのこと。ペースト状の流動食をペロペロなめてくれるならそれはとても良いこと。少しでも食べないと、朝晩飲ませている薬(錠剤の胃薬、ステロイド、吐き止め)が効かないので。。。
いつも食べられなくなった時にしてもらう「点滴」ですが、これには「栄養分」は入りません。水分とお薬だけ。錠剤で飲ませるよりも、点滴で入れてあげた方が効き目が出やすいので、今後、抗がん剤の効果がなくなり、胃が痛んで食欲がなくなり、どうしても食べられなくなってきた時には、また点滴に通うことになります。
点滴に「栄養分」が入らないということは、栄養分はこのままでは体に入れられなくなります。鼻から食道へ通すカテーテルを使って、鼻から栄養分を体に注入する方法もあるそうです。が・・・。これを使ってまですることなのかどうか・・・。見た目にもかわいそうだし、本人も辛いはずです。胃に栄養分が入ったところで、今の胃の状態では消化できずにまた嘔吐する可能性も高くなります。
色々と話が前後してしまいますが・・・
抗がん剤は「延命」と言えばその通りです。ただ、今回抗癌剤治療を選んだ理由は、「少しでも楽にしてあげたい」、それだけです。「どうしても1日でも長く生きてほしい」、というのではなく、「1日でも長く楽に過ごさせてあげたい。」そう思いました。抗癌剤ではにゃあさん腫瘍は治りません。状態が落ち着いて、痛みが引いたりして、食欲が出たり元気がでたり、落ち着いて眠れる時間が増えるだけのようです。それもある一定期間を過ぎれば効果がなくなります。抗癌剤をまた打てば、また少し元気な時間が増えるかもしれませんが、その効果が薄れるスピードがどんどん速くなり、やがて効果がなくなります。
1回目の時は、12月4日~24日ぐらいまで、ほぼ10日ぐらいで効果が薄れ、食べられなくなりました。
2回目の今回も同じと仮定した時、1月3日~13日ぐらいで食べられなくなるでしょう。
今回、私たちは、この2回目までが抗がん剤治療の最後かな、と(今のところ)考えています。
食べられなくなり、栄養分を体に入れる方法がない、とすると、点滴で水分とお薬(痛み止めもプラスできる)を続けるとしても、どんどん痩せて、衰弱して、もしかしたら嘔吐や下痢をし、やがて動けなくなり、最期を迎えることになります。この衰弱していく時間は、長くても2~3週間と言われました。そうすると、2月上旬から中旬、頑張っても2月一杯ぐらいの命、ということになってしまいます。
にゃあさんの場合、この腫瘍からくる貧血により動けなくなることが先に来るか、食べられなくなることで進む衰弱が先に来るか、どちらかだろうと言うことでした。
まだその「最期の時」の想像がつかないのですが、最後の最後には、前々から先生に言われているもうひとつのことがあります。
それは「安楽死」という選択肢です。
とても強い言葉だし、その言葉を最初に聞いた時も、その後それについて話をする時も、いつも自然に涙が出て困ります。ヒトにはない選択肢ですよね。そして賛否両論あると思います。でも、もし「もうこれ以上見ていられない、早く楽にしてあげたい」と思う時が来たら、その時は選んでしまう選択肢なのかも知れません。
「どんな治療法を取っても、必ず”人間のエゴ”が入ります。」
「どんな治療法を選んでも、正解も間違いもありません。」
先生が言ってくれました。きっとたくさんの死を見てきているでしょうから、素直に受け止めようと思います。