studio KAM

新潟で活動中のフリーカメラマンが写真と共に綴る日常ブログ

写真#94

2019年01月26日 | その他
「こんな夜更けにバナナかよ」という映画を鑑賞しました。
なぜこの映画を観たのかと言うと、主演の大泉洋さんのキャラクターが好きだからという不純な動機です。
なので多少ひいき目になってしまいますが、大泉さんの演技最高でした。これ以上無い程バッチリはまり役。

映画の内容は、筋ジストロフィー症を患った鹿野靖明さんと、彼を取り巻くボランティアの方々の日々を描いたものです。
実話が元になっているそうです。
あまりネタバレにならない程度に書きますが、大泉さん扮する鹿野さんの劇中のセリフで
「人間はお互い迷惑を掛け合って生きているんだ」
というものがありました。
子供の頃から「人様に迷惑をかけるな」と教えられ育った私とは対極を行く生き方だなと感じます。
我儘放題な自分の態度を肯定するかのような言葉とも思えますが、しかし彼は自力では何もできず、他人に頼らなければ生きることさえ不可能という背景があるのです。
そういう状況であればなりふり構っていられないというのも理解はできますし、没後16年以上経過しても、このように人生が映画化されるというのはある意味凄いことです。

「あまりできるフリするなよ。人はできる事よりできない事の方が多いんだぞ」というセリフも印象に残りました。
なにか無理をして生きている自分に身近な人からこんな事言われたら、心が軽くなるような気がします。

映画自体は最後まで飽きることなく楽しめました。
大泉さんらしいコミカルなシーンも多々あり、障害者と健常者の立場の違いとか、介護福祉の厳しい現状とか、そういった重いテーマを訴えかけてくるような映画では無かったと思います。
さらにそれ程感動的なストーリーというわけでも無いのですが、子供を持つ身の私には、作中の鹿野さんの親子エピソードで涙が溢れてしまいました。
ただ、わざわざ劇場に足を運んでまで観る価値があるかというと、レンタル開始後に家でじっくり観てもいい作品かもしれません。
個人的には大泉ファンなので映画館で観れて良かったと思います。