春よ
遠き春よ
瞼閉じればそこに
愛をくれし君の
愛をくれし君の
なつかしき声がする
春よ
まだ見ぬ春
迷い立ち止まるとき
夢をくれし君の
夢をくれし君の
眼差しが肩を抱く
春よ来い@松任谷由実
song by 森口博子
今年も桜が、咲いています。
とくにアテもなく歩いても
桜には
遠からず出会える。
そんな国の
今年もそんな春です。
桜を眺めながら
気の向くままにそぞろ歩くことを
花逍遥(はなしょうよう)といいます。
飲食を伴うお花見は
自粛が求められているので
今年は誰もが、そんな春ですね。
花逍遥。
花筏(はないかだ)と同じく、心惹かれる言葉です。
ただ「桜」と言った場合、
それは無論、河津桜でも枝垂れ桜でもなく
ソメイヨシノ。
とは言え写真は
ツリーハウスの傍にある富士桜。
もともと盆栽だったらしいのですが
ちょっと若い頃の祖父が
思うようにならないことに苛立って
鉢ごと放っておいたら根づいてしまったそうです。
ソメイヨシノに似ているけれど
花が少し、小ぶりです。
さくらより さくらにわたす 一年の 木深き闇に まぎれかゆかん
―—上田三四二
なぜこの国の春に、
どこもかしこもそこいら中に
圧倒されるほど桜が咲き乱れるのか。
どこもかしこもそこいら中に
圧倒されるほど桜が咲き乱れるのか。
なぜわたし達が、
こんなにも桜を愛し、気象情報にまで流し、
こんなにも桜を愛し、気象情報にまで流し、
心騒がすのか。
外国の人には到底理解できないし、
こちらも決して正しく説明はできない。
外国の人には到底理解できないし、
こちらも決して正しく説明はできない。
DNAに刻まれたなにかがあるんだと思う、
としか
言いようがなくて。
アレックスもよく首を傾げていた。
野に山に、
川辺に、
街に、
うねる雲海のように桜が
あまねく咲き乱れるこの国の神秘。
この国に生まれてよかった。
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