きょうは鈍色の空が
とても低かった。
この雨、
いつまで降るつもりだろう。
雨になって
庭の金木犀が散りだして、
おとといの朝から
木のそばの地面がオレンジ色に染まりはじめた。
きのうには、それはもう一面のオレンジに。
金木犀のじゅうたんを写真に写そうと思いながら
でもなんだか暗いし、
明日にはもっとたくさん敷きつめられるし
なんて思っていて
けさ見てみると、
裏山からの湧き水で
家の東側が水浸しになっていて
金木犀の花が、
春の川面を流れゆく桜の花筏のように
水に浮いて塊になり
ゆるやかな流れに乗っていた。
無数にある
草のような細い黄緑は、
金木犀の花を支えていた茎(軸?)。
水を含んで重くなった花と
茎が沈んで
新しい花だけが浮かんで、いかだになっていた。
雨の雫などで
いかだ(塊)が崩れて、
花が、ひとつふたつと流れていって
次の塊で堰き止められる。
流れる途中で
くるっと一回転したり
常にくるくる回りながら流れていったり。
動きがかわいい。
花が流れる。
ひとつふたつ、みっつ。
またひとつ。
流れた先で、
いかだの端っこの花と
パズルのピースのように
ぴたっとはまって止まることもあれば、
花同士が、歯車みたいに促し合いながら
くるくる進んでいくこともあったり
花の流れを
見ているだけで飽きなかった。
いかだも
かたちを変えながら
ゆったりと庭を流れていく。
土手に設えた丸太の階段にも金木犀がつもって
ちょっといい風情。
手前はもう浸水状態で
花筏になっていて。
このまま雨がつづくと、
湧き水のほかに、井戸の水も溢れるし
明日の朝は…
床下ぎりぎりくらい?
風流がっている場合ではないかも?
大丈夫だと思うけれど。
皆さまも、どうぞお気をつけてお過ごしください。
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