千日紅の
育ち具合を確認していると
カラスらしき
大きな羽音がして
振り向くと
スズメたちが
一目散に逃げ散ったところだった。
みんな遠くの茂みに
消えたのに
1羽だけ
近くの南天の枝にとまって
よーく見ると
くちばしの黄色い
巣立ち雛
同じ場所で
きょろきょろ
ぴょんと跳んでも
ただ体の向きを変えるだけで
こっちを向いたり
あっちを向いたり
あまりのいじらしさに
きゅんとしてると
振り向いたあどけない目と
目が合って
早くみんなに追いつかなきゃ!
って励ます。
ひとりは
心細いね。
羽が
ふわふわ
そのうちに
1羽のおとなが
外テーブルに降り立って
あ、おかあさん?
と思ったときには
ぱっと飛び立ってしまって
南天に視線を戻したら
もう、
ヒナもいなかった。
親鳥が迎えに来てくれたなら
安心なのだけれど
どうか無事に
育って。
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