「夏休みの自由研究に『水墨画』を選ぶ小学生は、いないのではないだろうか」
と、ふと思いました。
墨を用いた芸術表現は、日本の伝統文化なので、
自由研究にどんどん使って欲しいテーマです。
しかし、子ども向けの「水墨画で自由研究しよう」なんて本も、
「レッツチャレンジ水墨画!」なんて水墨画教材も、ありません。
そこで、せっかく夏のこの時期なので、
お子様向けに、水墨画のことを少しわかりやすく解説してみようと思います。
で、これは佳いテーマだと思ったら、
ぜひ自由研究レポートにまとめて、学校で発表してみてください。
一度にいっぱい伝えると「あ〜、もうめんどくさい」となってしまうと思うので、
今日はまず、一つだけお教えします。
水墨画は、『墨』と、『硯(すずり)』と、『筆』と、『紙(和紙)』と、『水』
を使って表現する芸術=絵画です。
『墨』、『硯(すずり)』、『筆』、『紙(和紙)』は
文房四宝(ぶんぼうしほう)と呼ばれて古くより大切に使われてきた文房具です。
現代では文房具は多様化して、たくさんの種類がありますが、
強いて文房四宝に代わるものを挙げるなら、『鉛筆』『鉛筆削り』『ノート』でしょうか。
鉛筆は、さっと取り出せて、すぐに書くことができますよね。
墨を硯(すずり)で擦って、それを筆につけて描くなんてめんどくさい!
と思うかもしれませんが、
日本で鉛筆が本格的に使われ始めたのは明治維新後なので、150年ほど前です。
その前の時代の人々は文房四宝でもって、文字や絵を書いてきました。
水墨画はもちろんですが、彩色した絵であれば、その下絵は墨で描いていました。
日本を代表する映画監督のひとり、市川崑監督の『黒い十人の女』(1961年公開)には
主役の女性が、墨をすずりで擦って帳簿をつけるシーンが登場します。
昭和の中期には、文房四宝はまだ生活の中で生きていたんですね。
さて、今日はここまでにします。
次回は、文房四宝のひとつずつの道具について解説していきます。
![水墨画のこと1WM](https://blog-imgs-129.fc2.com/c/e/n/centifolia100/20190817003658d56s.jpg)
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