話の種

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女性の浴衣姿について

2024-09-04 17:36:44 | 話の種

「女性の浴衣姿について」

当方が近年、女性の浴衣姿に魅力を感じていることについては、「おわら風の盆」「山鹿灯篭祭り」の項でも述べた通りだが、これは私がそれだけ年を取ったということだろう思っていた。
しかし日本の浴衣というのは年齢、性別、国籍を問わず人々を魅了するもののようである。

近年観光地などでは浴衣姿の外国人の女性を多く見かけるようになったが、浴衣のどこが彼女たちを引き付けているのだろうとのこれまでの疑問もあり、また偶々昨日の「パンドラの憂鬱」(海外の人々の投稿サイト)では浴衣の機能についての話題で盛り上がっていたので、ここで一度浴衣についてまとめてみようと思う。

浴衣の起源は、平安時代に入浴時に着られていた「湯帷子(ゆかたびら)」とされているが、その後、綿素材で汗を吸い風通しの良いことから湯上がりに着られる着衣となり、就寝時に寝間着として用いられるようになる。そして、江戸時代の中期に入り、今のような着方に近い、ちょっとした外出着にも着られるようになったもの。

(参考)
[浴衣(Wikipedia)]
*[浴衣の歴史(NPO法人日本ゆかた文化協会)]

では浴衣の魅力とは何だろうか。

アジアでは中国のチーパオ(チャイナドレス)やベトナムのアオザイなども有名で魅力的だが、これらは女性のスタイル(曲線美)を強調したもの。これに対して浴衣(着物)は寸胴である。どこに魅力があるのだろうか。

浴衣(着物)と同様、アオザイは外出着としても着用されているが、チーパオや韓国のチマチョゴリは外出着としてはほとんど着られることはない。この違いはどうしてだろうか。

これらについてネットでチェックしたところ、次のような説明があった。

*[浴衣の良いところは?(浴衣のココが凄い!)]
・体型を気にせず着られる(着物は肩やお尻など身体の表面の1番高いところに合わせるため、身体のラインが強調されず体型が分かりにくい)
・姿勢が良くなる(帯を身に着けているため、自然と背筋が伸びる)
・風の通りが良く涼しい
・汗を掻いても気持ちが悪くない

*[浴衣を着るメリットは?(浴衣を着る5つのメリット(魅力)を紹介)]
・綿・麻・ポリエステルを素材に使い着心地が良く涼しく着られる
・補正して着付けるので身体のラインが出にくく露出を抑えられる
・涼しい印象の色・柄が豊富にあるので見た目でも暑さを和らげられる
・浴衣を着た立ち姿や所作だけでも大人っぽい印象を与えられる
・和のイメージや色・柄の彩りを加えて日常と変わらない景色も華やぐ

どうやら、浴衣(着物)が寸胴であることは逆説的に女性にとっては長所となっているようである。

上記で述べられていることは実際に浴衣を着る女性目線からのものだが、では男性目線からはどうだろうか。
これについては次のようなコメントがあった。

*「どんなところが好き? 男性目線で語る女性の浴衣の魅力とは?」(「カナウ」)
https://www.the-uranai.jp/column/charm/yukata-cute/

[浴衣は……見せない! 見えない! 奥ゆかしい女性の品性が引き立つ]
「古臭いことを言いますが、日本人の古い感覚では、肌を見せる女性は品がないとされてきました。
その感覚はよもや現代人には全くないのかもしれませんが、女性の浴衣姿は品性が引き立ち、それが魅力となるのではないでしょうか。
例えば、いつも元気にはじけている印象の女性が浴衣を正統に着こなせば、それだけでかなりのギャップが生まれますよね。
それは、浴衣や着物の持つイメージが現代の女性の日常からはかけ離れているからで、浴衣姿の女性に男性が魅力を感じるのも、昔からある「女性らしさ」や「品性」を感じるためでしょう。」

*「浴衣姿に色気を感じる!? 男心がそそられるトコロ5選(「マイナビウーマン」)」
https://woman.mynavi.jp/article/160807-36/

うなじ
・「髪をかき上げたときのうなじにドキドキする」
・「振り向いたとき。うなじから顔にかけてのラインが色っぽいから」
・「結わえた髪型。首の後ろが少し覗くところ」
足元
・「足元がチラッと見えているところに色っぽさを感じる」
・「生足が見えそうで見えない感じが色っぽい」
・「歩きにくいため小股で歩くときに見える足首」

しなやかな動き
・「浴衣ではしなやかな仕草が色っぽいと思う」
・「動きが制限される分、所作がよどみなくて品を感じる」

歩き方
・「足元を気にしながら、小さい歩幅で歩いているのがすごくきれいだと思う」
・「小股でゆっくり歩く。奥ゆかしい大人の色気が醸し出されているから」
・「大股で歩けずに小走りな感じになるところ」

あおぐしぐさ
・「暑いときに胸元をパタパタしてチラッと見える胸元」
・「暑いときに少し袖を振る姿。普通の服より袖口が広い分、そういった仕草が色っぽく感じるから」

勿論女性はこのような男性目線は十分に意識しており、「普段と違う自分を人に見せたい」という気持ちがあるようである。

ところで、「パンドラの憂鬱」だが、これは浴衣の袂(たもと)に、ポケットのように様々な物を入れられる事に外国人が仰天、感心したというもので、下記にサイトを貼り付けておく。

*「ようやく日本の謎が解けた!」 日本の伝統衣装の隠れた機能に外国人女性が驚愕
http://pandora11.com/blog-entry-5076.html

 

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母親とは

2024-09-04 08:44:09 | 話の種

「母親とは」

〇(天声人語)チンゲンサイを障害者と作る(2024年8月26日)

「母親が、我が子の履歴書を持って訪ねてきた。障害のある息子を雇ってほしいという。「うちでは無理です」と断っても、彼女はあきらめなかった。「給料はいらないですから、働かせてください」。そう言って、何度も、何度も頭を下げた▼「驚きました」。浜松市で農園を営む鈴木厚志さん(59)は、30年ほど前の出来事を振り返る。「当時の私にとって、働くとはお金を稼ぐこと。何だか、自分が薄っぺらく感じました」▼福祉に携わる友人に相談すると、言われた。「お母さんは信じているんだよ。この世に無駄な人間はいない。息子にも役割がある。どこかに彼を必要とする人がいると信じているんだ」▼それがきっかけだった。最初は恐る恐る実習生を受け入れた。何か起こるぞと身構えたが、杞憂(きゆう)に終わる。時間はかかるが、彼らの仕事は丁寧だった。助け合いの言葉が職場に行き交い、農園の雰囲気もよくなったという▼鈴木さんは思った。人を仕事に合わせるのではなく、仕事を人に合わせよう。人手を減らすための機械化はいらない。ゆっくりでいい。ほかの農家が敬遠する「手間のかかる野菜」をみんなで一緒に作ろう。「個人戦でなく、団体戦で勝てばいいのだから」。いまや農業法人「京丸園」で働く104人のうち、24人が障害者である▼農園で作られたミニ青梗(チンゲン)菜を頂き、ゆがいて食べてみた。じっくり、たっぷり、いろんな人の手をかけた緑の葉は歯応えがあって、それでいてどこか、やさしい味だった。」


当方当初「給料はいらないから働かせてくれ」という意味が分からなかったが、福祉関係の人の言葉を見て痛く感じるものがあった。「この世に無駄な人間はいない。どこかに彼を必要とする人がいる。」という母親の信念と、「息子に生まれてきたことを後悔して欲しくない、自信を持たせ、生きていることの喜びを与えてあげたい」という母親の必死な思い、愛情の深さである。

一般的に「女は諦めが悪く、男は諦めるのが早い」というが、男の私だったら、「息子に無理をさせなくても、もうそのままでいいではないか」と思うところだろう。

女性の強さというものを改めて知らされた思いである。

 

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