「トランプは支離滅裂」
昨日のニューズウィーク日本版に面白い記事があった。
オーストラリア元首相のマルコム・ターンブル氏がブルームバーグに語った内容にトランプ大統領が激怒したというものだが、当方の興味を引いたのはターンブル氏の発言の中で、「中国のほうがましに見えてくる」といった件(くだり)。
というのも、このことは当方も近年常々感じていたことだから。
当方中国(覇権国家としての中国、及び習近平)は相変わらず嫌いだが、トランプに比べたら(発言内容やトーンなど)中国の方がむしろ抑制的で、(一見)紳士的に見える。
このような状況が続けば、多くの国が(特に発展途上国などは)米国に嫌気がして、(中国の意図をよく分からずに)中国に向かってしまうのではと危惧していたが、思うことは皆同じようである。
以下、ニューズウィークの記事から抜粋したものを記しておく。
「トランプ第2期政権は支離滅裂で同盟国に無礼で中国のほうがましに見えてくる── 元豪首相が激辛批判」
(NEWSWEEK日本版 2025年3月11日)
ドナルド・トランプ米大統領が、オーストラリアのマルコム・ターンブル元首相を悪しざまに罵った。きっかけは、「2期目のトランプ政権は中国を利するだろう」と示唆するターンブルの発言だった。
(中略)
<ターンブルがブルームバーグに語った内容>
中国は今後、トランプを大いに利用するだろう。私の予想では、(中国の)国家主席はトランプの真逆を目指す。トランプが支離滅裂なら中国の指導者は一貫性を保つ。トランプが無礼で悪態をつくなら中国は敬意を払う。トランプが気まぐれなら中国は安定した姿勢を保つ、という具合だ。
それによって(中国と)他国との間に信頼が築かれるだろう。中国とトランプを見比べて、中国をより魅力的なパートナーだとみなす国も多くなるはずだ。トランプは、ウクライナ戦争でウラジーミル・プーチンの手助けをしているだけでなく(これだけでもかなりの悪行だが)、自身の行状で中国にチャンスを与えている。
トランプは、アメリカと親密でアメリカへの依存度が高い国ほど多くの利益を搾り取れると考えているようだ。グリーンランドとの一件を見るがいい。これが、デンマークがアフガニスタンでアメリカ軍を支援したことに対する"報酬"なのだろうか? 同国の首相に電話をして、『領土の1つを割譲してほしい』と告げるような仕打ちをすることが?」
カナダのように、(アメリカの)51番目の州になるべきだと告げられ、さらに高関税で脅されることが、数十年にわたる連帯や同盟関係への"報酬"なのだろうか? 確かに彼はアメリカの大統領だが、歴代の大統領たちとの共通点は、本当にその点だけだ。これは、これまでと非常に異なる大統領に率いられた、非常に異なるアメリカだ。
(そして、トランプ及び中国の反応は下記)
<トゥルース・ソーシャルへのトランプの投稿>
オーストラリア元首相のマルコム・ターンブルは、あの素晴らしい国を常に『背後』から率いてきたが、中国で何が起きているか理解したことがなく、そもそも理解する能力もなかった。私は常に、彼は弱く無能なリーダーだと思ってきたが、オーストラリア国民も間違いなく、私の見解に同意するはずだ!!!」
<在米中国大使館の広報官、トランプが対中追加関税を2倍に引き上げた際の取材に対して>
いじめは我々には効果がない。圧力や威圧や脅しは、中国と付き合う上で正しい方法ではない。中国に対して最大限の圧力をかける者は、けんかを売る相手を間違えており、計算違いをしている。アメリカがさらに何かをもくろんでいるのなら──関税戦争であれ、貿易戦争であれ、あるいは他のいかなる種類であれ、彼らが戦いを望んでいるのなら──、我々にはとことん戦い抜く用意がある。
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