話の種

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石丸新党(天声人語)

2025-01-29 01:37:59 | 話の種

「石丸新党」(天声人語)

朝日新聞の天声人語に次のような記事があった。

「(天声人語)利益の最大化」(2025年1月16日)

「利益を最大化する。コスパ、タイパを最大化できる。次のキャリアを応援していく――。きのう、石丸伸二氏が東京都内で開いた記者会見を見ながら、企業経営者のようだと感じた。地域政党「再生の道」を立ち上げ、今夏に予定されている都議選で候補者を擁立するという▼そもそも政党とは何か。支持者の意見を実現するために条例や法律をつくり、政策を進めることを目指す団体だと思っていた。だが、石丸氏の新党には掲げる政策がないという。党議拘束もなく、党のルールは「2期8年を上限とする」だけだ▼広く国民の政治参加を促すと言うが、求めているのは「即戦力」だ。だから現職の都議が応募すれば、選考なしでその選挙区の候補になれる。正副の知事や市長の経験者も選考免除である▼選考過程は3段階で、2次の結果から公表するそうだ。最後の面接は1人15分の枠で「私とワン・オン・ワンで対談してもらう」。動画配信もするので落ちたら気の毒な気もするが、「3次までこぎ着けたというのは、そう悪くない評判になる」と自信たっぷりだ▼政治家の人材育成を目的としながら、選考なしで現職を優先する。新党だと言いながら、他党と掛け持ちするのは構わない。いくつもの矛盾が目につき、これは政党なのかと疑問符が浮かぶ▼会見終盤では、地域政党を掲げて「東京」を選んだ理由も明かした。「石丸伸二という名前が一番通っているのは、ここ」「浮動票が多いから」。一番納得した発言だった。」

彼については「SNSと若者と選挙」のところで問題点を指摘しかつ批判もしており、またこの天声人語でも今回の問題点について述べているので、このことについては論じないが、ここで触れておきたいのは次のような世論調査の結果である。


「石丸伸二氏立ち上げ表明の地域政党への期待度は」朝日世論調査(2025年1月20日)

「朝日新聞社が1月18、19日に実施した全国世論調査(電話)では、昨年の東京都知事選に立候補した石丸伸二氏が立ち上げを表明した地域政党「再生の道」への期待度を聞いた。「期待する」と答えた人は36%で、「期待しない」は50%だった。

男女別にみると、男性は「期待する」は42%で、「期待しない」は49%だったのに対し、女性は31%対52%と差が開いている。年代別では、「期待する」は若年層ほど多く、40代以下では4~5割を占めた。特に18~29歳の男性では「期待する」が6割を超えた。

政治に関するSNSや動画サイトの情報を「重視している」と答えた層(33%)では、「期待する」が51%と過半数を占めた。SNSなどを「重視しない」層(61%)では、「期待する」は29%にとどまった。

地域別にみると、「期待する」は東京で39%とやや多めだったが、大阪では3割だった。

支持政党別にみると、国民民主支持層で「期待する」が45%と多めだった。維新支持層、れいわ支持層も「期待する」が半数程度を占めた。

(以下略)」


一体この人は何を目的としてこのような行動をとっているのだろうか。

彼は記者会見で、「広く国民の政治参加を促す」「議員のイスにしがみつく『政治屋』の一掃が新党の目的」と語ったようだが、自身は立候補せず、支援にまわるという。(25/1/16付朝日新聞)
これだと、現状に不満を持つ人々に迎合するだけの単なる目立ちたがり屋で、当方からしたら「ミニトランプ」としか見えないが、トランプの場合はそれでも公約を打ち出してそれを(良し悪しは別として)実行しようとしているだけまだましで、この人の場合はSNSを利用して人々を扇動するだけの「エセトランプ」としか言いようがない。

どうもまだこの人物の本質を理解していない人が多い様で、それもネット世代である若い人たちに多い様である。

(兵庫県知事選における立花某の言動も不可解なものだったが、SNSを利用しての人々の扇動と言うことではどちらも変わりはなく、また人々がそれに踊らされたということも同様である。
ただ石丸氏の場合、東京都知事選ではSNSによる他者への攻撃ということはあっても、誹謗中傷のようなものはなかったかと思うが、今後の選挙では切り取り動画を見たネット民がどのように反応するかは分からない。)

(これらの人達の目的、動機としては、目立ちたがり屋の売名行為ということ以外に、ネット収入と言うことがその裏にあるのかも知れないが。)


 


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