「スマホ依存」
最近は猫も杓子もスマホで、確かに便利なツールではあるが、スマホを持っている或いは使うことを前提とした対応が多くなっている。特にQRコードが一般的になってからこのような傾向が強くなっている。
例えば居酒屋での注文だが、スマホでQRコードを読み込んで注文してくださいというのが増えてきた。地方の居酒屋で店員の手がすいているにもかかわらずだ。
地方のビジネスホテルに泊まった際、付近の飲食店の場所をいくつか聞いた時も、このQRコードを読み込んでくれればそれらを表示した地図がでてきますからと言われたことがある。
このような風潮には腹立たしさを覚えると同時に、味気ない世の中になったなーと思うことも多い。
このスマホ依存ということについて、朝日新聞の記事から2件ほど記しておく。
〇(天声人語)「スマホ依存が行き着く先は」(2024年6月22日)
「人間とロボットが共存するその平和な世界に、スマホは存在しない。通信機器は固定電話とファクスだけで、高速道路の最高速度は40キロだ。子どもたちは輪投げや射的で遊ぶ。近未来を描いた水沢悦子さんの『ヤコとポコ』は不思議な漫画である▼主人公は漫画家ヤコと、不器用なネコ型ロボットのポコ。新旧技術が混在する物語を読み進むと、この社会で50年前に「革命」が起きたことがわかってくる。技術発展の果てに悲劇が起き、革命を経て社会が一変したのだ。突き進むことをやめた人々は生活のペースを落とす▼いつか現実でも、こんな揺り戻しがあるのではないか。スマホが手放せない毎日に、そんな不安がよぎった。高速通信に支えられ、AIが急速に進歩して行き着く先で、人間が幸せになれるとは思えない▼スマホ依存が起きるのは、ページをめくるごとに脳内で快楽物質のドーパミンが放出されるからだという。若者の心の健康への悪影響が世界中で懸念されている▼日本でも話題になった精神科医のアンデシュ・ハンセン著『スマホ脳』で、iPhoneの開発者が強い依存性について後悔の言葉を漏らしている。「冷や汗をびっしょりかいて目を覚ますんだ。僕たちはいったい何を創ってしまったんだろうって」▼冒頭の漫画では、違法な超高性能ロボットの製造を知って怒る学者が涙ながらにつぶやく。「またたくさんの死者が出る。どうしてほどほどにできないんだ」。便利さと危険の間で悲鳴が聞こえる。」
〇(声)「スマホ生活、大切な何か失いそう」(2024年8月27日)(大学生 女性18歳)
「暇があったらスマホを触る。用事がなくても、とりあえずSNSをチェックする。そんな習慣は現代の若者にとって当たり前と言っていい。
しかし友達同士で過ごす時にも、全員がスマホを触りながら会話している光景を見ると怖くなる。
確かにスマホのおかげで調べものも買い物も便利になり、世界は大きく発展した。だが多くの若者が、人と向き合うよりもスマホと向き合っているようで、不安になる。
スマホがなかった時代は、今よりもっと自然なコミュニケーションの形があったはずだ。しかし今のようにスマホと向き合う生活が続けば、コミュニケーションがどんどん消えて、大切なものが失われてしまう気がしてならない。
そうなる前に、どうスマホと向き合っていけばいいのか。よく考えなければいけないと、私は思う。」
最近、スマホ社会に疑念を持つ若い人たちの投稿や記事をよく目にするようになった。
その理由は様々だが、若い人たちの間でもこのような意見を持つ人たちが増えてきたということは、スマホ依存の風潮を苦々しく思う高齢者の私としては心強いものを感じる。
(独り言)当方スマホ依存ではないということはドーパミンが出ていないということだろうか。