関西電力の幹部20人に高浜町元助役から数億円の贈与があり、税務申告がないということで金沢国税局から指摘を受け修正申告していたことが報道された。おそらく少なくない人がこういった原発利権を想像していたと思う。だが会社幹部個人に渡っていたというのは想像を上回る悪質さだ。
当然ながら贈与の原資は我々個人や企業が支払う電力代金だ。電力代金は経費として計上される金額に基づいて料金が設定される総括原価方式だ。原子力はコストが安い発電だとしきりに宣伝していたが福島での事故で原発の稼働が止まっても電気料金は大きく変動しなかった。
それは電力会社が損を覚悟でそうしていたという意見があるかもしれない。だが以前を考えてみてもそれは判る。私は複数の電力会社のもとで暮らしていたことがある。だが現在の関西電力とそれ以外で大きな電気料金の差はなかった。関西電力というのは原発事故以前での原発電源依存が50%近い依存度だった電力会社である。だが地方の原発依存度がほとんどない電力会社と料金差はなかった。
さらに私は将来に対する危機対策として電力会社を大阪ガスに変更した。大阪ガスは当然原発はない。そうすると簡単に電気代が下がる。そして関電が値下げをすればすぐに追随する。これはいかに原発というものを維持するために必要かどうかわからない経費が多く計上されているかの証左であろう。
原発を稼働させるメリットというのは絶え間なく発電ができるということだろう。だが逆を言えば需要が大きな時間帯でも小さな時間帯でも発電量を制御するのが困難だという欠点もある。だから電力会社は深夜の発電で安くするプランを発売していた。その成果だろうか日本を衛星で夜間撮影するとまばゆい光を写す映像となり深夜営業や深夜操業を効率よくさせてきた。
そして近年電力の販売の自由化が施行された。これにより地方の電力会社が供給オーバーなのに原発を再稼働させることを積極的にさせた。九州電力も四国電力もだから原発を稼働させている。そして売られる電力はどこに行くか、それは市場で売買され格安電力として販売されている。このことは同じ原発電力を売るにしても市場で取引する電力は個人や企業相手の電力よりも安く売ることが出来ているという事実だ。それだけ消費者は電力事業者に騙されているということになる。
今回の不透明な関電幹部への資金贈与は関電の経費として計上していた資金が関電幹部個人へ還流していたという事件である。私企業だから賄賂に問われないのだろうが私は違う視点で犯罪ではないかと考えている。それは公正取引の面で優位的な地位を利用して不当な価格で電気を販売していたのではないかということだ。
献金はどうやら2011年ごろからが指摘されているようだ。ということは現在よりも圧倒的に関西電力の電気事業における独占度が高かった。そこに不透明な補助金などを原発自治体に負担していた。だから圧倒的に原発依存度が高い関西電力が他の電力会社と電気料金が変わらなかった。そこには原発が高コストであることを認めない限り不当な経費計上がなされていたということを否定できないはずだ。
以前大飯町でシカの食害のためフェンスを作るために町が数百万の被害に対して数億円の工事費を計上したというニュースが流れた。また高浜や大飯町には公共施設がこれでもかというほど無駄に多い。私自身もツーリングをしていて大飯町に入った瞬間スノーシェッドが数多く設置されているのを見かけた。
過去にも暴力団が絡んだ原発利権の事件が高浜町ではあったという記事も見かけた。そしてこの選挙区選出議員は衆議院原子力問題調査委員長である。安倍晋三の出身派閥細田派で当選7期のパンツ泥棒と噂された高木毅氏だ。父親は元敦賀市長で親子でこの原発銀座(5施設)を牛耳っている。政治的にも深く原発は絡んでいる。だから高浜町は今回の報道に関して一切調査はしないと早々表明している。
福井というのは自民党の鉄壁の牙城である。あの政権交代の選挙でも1議席として譲らなかった。原発の利権を最大発揮し新幹線も空港も高速道路もと選挙のたびに訴えその多くを誘致してきた。それは民主党政権下でも旧民社党系の利権であり小沢とともに公共事業を推し進めようとしてきた。原発マネーが福井のこの体質を育んでいる。
福井県は2006年から2010年の県民一人当たりの公共事業費が15万で島根県(20万)に次いで2位だったという記事がある。福井県の面積が4100K㎡に対して島根は6700K㎡だ。人口は80万と70万だからいかに福井には狭い所に公共事業が集中しているかが判るだろう。これらは政府が予算をつけるものだ。ということは国民の税金を自民党(一時民主党)がつけたということだ。
そしてそれとは別に関西圏の住民は関電が地元対策と称した福井への寄付や補助金を電気代として支払っている。それが原発立地住民への補償として機能しているならまだ少しは承服できるだろう。だがそれが八木誠をはじめとした個人に還流しているのならばそれはもう詐欺と言っていい案件だと私は思う。
八木誠という男は原発事故が起こっても執拗に原発再稼働を口にし続けた。そしてそのために過労死で職員を死なす事も厭わなかった。大飯の再稼働に尽力させられた職員はその決定が出た後すぐに自殺している。その理由が今回明らかにされたと私は思う。そりゃ辞めたくないはずだ。税務申告もしなくていい金を裏で受け取れるのならば。
東京電力の福島原発事故の会社幹部への責任を問う裁判は検察では起訴もされず弁護士による強制訴訟でも棄却された。すぐ近くの東海第2原発では同様の想定を早くにしていて福島でもその声が内部にあったが御前会議という幹部会議で黙殺されたことをNHKが報道していた。更に言えば安倍第1次政権時共産党の吉井英勝議員が2006年3月の時点で津波事故を想定してその危険性を質問している。
これでも運転停止で与える影響や自然災害に万全に対策すればコストに際限がないとして責任を問わないことが1審で判決を出された。何度も書くが原発は2011年以降しばらく稼働していなかった。だが電力不足は何度かテレビで呼びかけられたが一度も起こらなかった。現在でも稼働している原発は僅かである。運転停止で影響が進行に出るというのは現在では否定できることだ。
そしてコストの面は総括原価方式なのだから電気料金に転嫁すればいい。それほど原発が優秀で必要不可欠ならばだ。それをしなかったのは原発は安いというイメージ戦略上障害があったからだ。だが実質原発依存度の低いところと関西電力と電気代に際がほとんどないのだからそれ自体が嘘であろう。
皆さんは高浜や大飯、美浜、敦賀原発それにもんじゅを見に行ったことがあるだろうか。私は全て見に行った。どこも風光明媚ないいところだ。だが僻地だ。そして全て半島で逃げるのに困難な場所ばかりだ。
日本の原発政策で象徴的な場所がある。私も訪れたことがある佐田岬の根元にある伊方原発だ。現在も稼働している。ここは市町村合併で佐田岬自体が伊方町だ。岬には今も数千人が暮らす。その先端に三崎港がある。原発事故が起これば半島の住民は最大30kmの道のりを一本しかない幹線道路を使って避難することになる。そして数百人しか乗れないフェリーで対岸の大分県佐賀関に渡れと言われている。
当然高齢化が進み事故後速やかな非難はまず困難だ。しかも一本しかない道、10回は往復しなければならないフェリーでの避難、これは事故になれば死ねということに等しい。おそらく多くの住人が有事には覚悟していると想像する。これも裁判で再稼働を争われたとき安全対策が十分とされ認められた。
この伊方原発で生産された余剰電力が市場で売買され新規電気事業者がそれを購入している。安い電力を勝っている人はその中にこういった事例が少なからずあるということだ。首都圏が福島という利益享受範囲外の地域を踏みつけてスマホを楽しんでいるのと同じく佐田岬半島住民の諦めの上で電気代節約を果たしていることを忘れてはいけないと思う。
日本地図を見れば本州は若狭湾から富山湾にかけて弓なりに湾曲しているのがご理解いただけるだろう。これは本州が若狭湾から富山湾にかけて南東方向に強い力を受けていることを示している。それはプレートの境界であることが原因だろう。つまりこの地域はいつ地震が起こってもおかしくないのだ。
実際福井や能登、中越など被害の大きな大地震は発生している。関西が阪神淡路大震災、関東が関東大震災くらいしかないことを考えれば頻度は高いと言えよう。そして大飯には活断層が原発敷地内に存在する。もう一つ言えばピンポイントの地震予知は不可能であると研究者は言及している。過去に指摘されていなかった活断層による地震も報告されている。
これらを勘案すればこの地域は安心だと言えるものなどひとつもない。その視点に立って考えるのが地震発生時の想像されることだ。福島規模あるいはそれを超える事故が発生した時どうなるのだろうか。これがタイトルに書いた関西と東海地域住民が考えるべきことだ。
福島原発事故は多くの人を犠牲にし避難生活を強いることになった。痛ましいことである。だがその立地はまだ幸いだったと言えるかもしれない。それは太平洋側にあったからだ。
事故の発生した3月はまだ冬の偏西風の影響を強く受ける時期だ。この時期もっとも放射線の影響を受けるのは陸風として吹き晒す原発の南東側だ。そしてその次がそれが海風として逆風が吹く北西だ。現在の避難地域の地図を見れば北西方向に伸びているのが判るはずだ。
もし若狭湾の原発が事故を起こせばどうなるか、そう原発の南東側が最も汚染されるのだ。その方向にあるのが岐阜であり名古屋だ。そして琵琶湖だ。常磐線が長らく通行できないよう米原付近が通行できなくなる可能性が極めて高い。つまり東西の陸路交通が分断される。
それでも名古屋が大丈夫なら伊勢湾自動車道から物流は維持できるかもしれない。だが米原付近が汚染されるということは琵琶湖および長良川揖斐川などの水源および流域が汚染されるということだ。ベクレル入りの水道水で生活が出来るのかあるいは工場生産がかづ出来るのか、という問題が発生することは想像に難くない。
さらに年間の風速を考えれば南東方向に吹く冬場は平均風速10mと1年で最も強い。そして福島を見ればわかるようそんな短期間で事故は収束しない。そうすれば生活に長い間影響力を及ぼすだろう。
また放射線は可視できないため心理的不安が大きく生活の場として機能するのが困難になる。なによりも水が安心して使えないというのは非常に大きな問題だろう。復興したくても人が近寄れなかったり生活できないと富岡町のようにゴーストタウンが放置されるだろう。日本の2大地域でそういう影響が起こるということがどうなるか考えるべきである。
今回の大きな問題点は電力会社の幹部が指摘に私腹を肥やしていることが実情であることが露見したことだ。政府や電力会社が言うところの産業や経済発展に必要という嘘でもまだ大義名分という意味では辛うじて体裁は保てたかもしれない。だが実際は八木誠が自分の財布を潤すために原発を多数建設し依存体質にしていたことが原発事故を経た後も行われていた。
何度も書くが政府も関西電力も一切責任は取らないし刑事責任も問われないのは福島の経緯と同じだろう。関電も政治家も私腹を肥やすことはあっても資材を出して弁済することはない。そして八木誠をはじめとして絶対に大飯も高浜にも住まない。そして私腹を肥やす原資は電気代であり国民の税金からでる補助金だ。
最後に書くが関西電力は原発停止後に安易に値上げを行った。だが彼らはCMで流れているよう関電不動産という優良資産がある。おそらくそれは総括原価方式の名の下で原発などで潤った資産の活用だろう。明らかにグループ企業であるのは名前の通りだ。これの資産を売却したりすればその値上げを緩和することはできたはずだ。だがそうしたという報道は聞いていない。こういう風にして彼らは関電ユーザーから搾取していると私は考える。
原子力での事故が火力と同様消火のように対策手段があるのならばここまで私も異を唱えないかもしれない。だが放射線は現在の科学レベルでは半減期という時の流れしか解決できないものなのだ。除染は自分の目の前のものを見えないところに於いているに過ぎないことを忘れてはいけない。そういうものを扱っているという意識が福島を経た現在も行政にも電力会社にも希薄なのだと思う。
私の考えに少しでも同意いただけるならばこれを読んだ方々がどう行動するかだと思う。現在の司法的あるいは政府見解的に違法ではない原発の影響下から抜け出すのは非常に困難だ。ならば需要が低くなればいいのだと思う。私は大阪ガスに替えた。だが他の新規電力でもいいだろう。ただし市場から電気を積極的に購入する業者は止めるべきだと思う。再生可能エネルギーなどで天候などで安定供給できない場合の市場からの購入は仕方がないだろう。だが市場からの差額で利益を目論む事業者は伊方原発や玄海・川内らを支えることになるはずだ。
福島を再現したくないのならまず自らの生活で出来ることから始めるべきだ。そして次に政治を考えることだと思う。皆がそのことを真剣に考えない限り原発利権はなくならない。本当に原発は必要なのか、皆が自ら調べ判断して欲しいと思う。今回の報道でもまだ無知・無視でいられるのならば、福島が再現されても文句を言えるのか自問自答して欲しい。
当然ながら贈与の原資は我々個人や企業が支払う電力代金だ。電力代金は経費として計上される金額に基づいて料金が設定される総括原価方式だ。原子力はコストが安い発電だとしきりに宣伝していたが福島での事故で原発の稼働が止まっても電気料金は大きく変動しなかった。
それは電力会社が損を覚悟でそうしていたという意見があるかもしれない。だが以前を考えてみてもそれは判る。私は複数の電力会社のもとで暮らしていたことがある。だが現在の関西電力とそれ以外で大きな電気料金の差はなかった。関西電力というのは原発事故以前での原発電源依存が50%近い依存度だった電力会社である。だが地方の原発依存度がほとんどない電力会社と料金差はなかった。
さらに私は将来に対する危機対策として電力会社を大阪ガスに変更した。大阪ガスは当然原発はない。そうすると簡単に電気代が下がる。そして関電が値下げをすればすぐに追随する。これはいかに原発というものを維持するために必要かどうかわからない経費が多く計上されているかの証左であろう。
原発を稼働させるメリットというのは絶え間なく発電ができるということだろう。だが逆を言えば需要が大きな時間帯でも小さな時間帯でも発電量を制御するのが困難だという欠点もある。だから電力会社は深夜の発電で安くするプランを発売していた。その成果だろうか日本を衛星で夜間撮影するとまばゆい光を写す映像となり深夜営業や深夜操業を効率よくさせてきた。
そして近年電力の販売の自由化が施行された。これにより地方の電力会社が供給オーバーなのに原発を再稼働させることを積極的にさせた。九州電力も四国電力もだから原発を稼働させている。そして売られる電力はどこに行くか、それは市場で売買され格安電力として販売されている。このことは同じ原発電力を売るにしても市場で取引する電力は個人や企業相手の電力よりも安く売ることが出来ているという事実だ。それだけ消費者は電力事業者に騙されているということになる。
今回の不透明な関電幹部への資金贈与は関電の経費として計上していた資金が関電幹部個人へ還流していたという事件である。私企業だから賄賂に問われないのだろうが私は違う視点で犯罪ではないかと考えている。それは公正取引の面で優位的な地位を利用して不当な価格で電気を販売していたのではないかということだ。
献金はどうやら2011年ごろからが指摘されているようだ。ということは現在よりも圧倒的に関西電力の電気事業における独占度が高かった。そこに不透明な補助金などを原発自治体に負担していた。だから圧倒的に原発依存度が高い関西電力が他の電力会社と電気料金が変わらなかった。そこには原発が高コストであることを認めない限り不当な経費計上がなされていたということを否定できないはずだ。
以前大飯町でシカの食害のためフェンスを作るために町が数百万の被害に対して数億円の工事費を計上したというニュースが流れた。また高浜や大飯町には公共施設がこれでもかというほど無駄に多い。私自身もツーリングをしていて大飯町に入った瞬間スノーシェッドが数多く設置されているのを見かけた。
過去にも暴力団が絡んだ原発利権の事件が高浜町ではあったという記事も見かけた。そしてこの選挙区選出議員は衆議院原子力問題調査委員長である。安倍晋三の出身派閥細田派で当選7期のパンツ泥棒と噂された高木毅氏だ。父親は元敦賀市長で親子でこの原発銀座(5施設)を牛耳っている。政治的にも深く原発は絡んでいる。だから高浜町は今回の報道に関して一切調査はしないと早々表明している。
福井というのは自民党の鉄壁の牙城である。あの政権交代の選挙でも1議席として譲らなかった。原発の利権を最大発揮し新幹線も空港も高速道路もと選挙のたびに訴えその多くを誘致してきた。それは民主党政権下でも旧民社党系の利権であり小沢とともに公共事業を推し進めようとしてきた。原発マネーが福井のこの体質を育んでいる。
福井県は2006年から2010年の県民一人当たりの公共事業費が15万で島根県(20万)に次いで2位だったという記事がある。福井県の面積が4100K㎡に対して島根は6700K㎡だ。人口は80万と70万だからいかに福井には狭い所に公共事業が集中しているかが判るだろう。これらは政府が予算をつけるものだ。ということは国民の税金を自民党(一時民主党)がつけたということだ。
そしてそれとは別に関西圏の住民は関電が地元対策と称した福井への寄付や補助金を電気代として支払っている。それが原発立地住民への補償として機能しているならまだ少しは承服できるだろう。だがそれが八木誠をはじめとした個人に還流しているのならばそれはもう詐欺と言っていい案件だと私は思う。
八木誠という男は原発事故が起こっても執拗に原発再稼働を口にし続けた。そしてそのために過労死で職員を死なす事も厭わなかった。大飯の再稼働に尽力させられた職員はその決定が出た後すぐに自殺している。その理由が今回明らかにされたと私は思う。そりゃ辞めたくないはずだ。税務申告もしなくていい金を裏で受け取れるのならば。
東京電力の福島原発事故の会社幹部への責任を問う裁判は検察では起訴もされず弁護士による強制訴訟でも棄却された。すぐ近くの東海第2原発では同様の想定を早くにしていて福島でもその声が内部にあったが御前会議という幹部会議で黙殺されたことをNHKが報道していた。更に言えば安倍第1次政権時共産党の吉井英勝議員が2006年3月の時点で津波事故を想定してその危険性を質問している。
これでも運転停止で与える影響や自然災害に万全に対策すればコストに際限がないとして責任を問わないことが1審で判決を出された。何度も書くが原発は2011年以降しばらく稼働していなかった。だが電力不足は何度かテレビで呼びかけられたが一度も起こらなかった。現在でも稼働している原発は僅かである。運転停止で影響が進行に出るというのは現在では否定できることだ。
そしてコストの面は総括原価方式なのだから電気料金に転嫁すればいい。それほど原発が優秀で必要不可欠ならばだ。それをしなかったのは原発は安いというイメージ戦略上障害があったからだ。だが実質原発依存度の低いところと関西電力と電気代に際がほとんどないのだからそれ自体が嘘であろう。
皆さんは高浜や大飯、美浜、敦賀原発それにもんじゅを見に行ったことがあるだろうか。私は全て見に行った。どこも風光明媚ないいところだ。だが僻地だ。そして全て半島で逃げるのに困難な場所ばかりだ。
日本の原発政策で象徴的な場所がある。私も訪れたことがある佐田岬の根元にある伊方原発だ。現在も稼働している。ここは市町村合併で佐田岬自体が伊方町だ。岬には今も数千人が暮らす。その先端に三崎港がある。原発事故が起これば半島の住民は最大30kmの道のりを一本しかない幹線道路を使って避難することになる。そして数百人しか乗れないフェリーで対岸の大分県佐賀関に渡れと言われている。
当然高齢化が進み事故後速やかな非難はまず困難だ。しかも一本しかない道、10回は往復しなければならないフェリーでの避難、これは事故になれば死ねということに等しい。おそらく多くの住人が有事には覚悟していると想像する。これも裁判で再稼働を争われたとき安全対策が十分とされ認められた。
この伊方原発で生産された余剰電力が市場で売買され新規電気事業者がそれを購入している。安い電力を勝っている人はその中にこういった事例が少なからずあるということだ。首都圏が福島という利益享受範囲外の地域を踏みつけてスマホを楽しんでいるのと同じく佐田岬半島住民の諦めの上で電気代節約を果たしていることを忘れてはいけないと思う。
日本地図を見れば本州は若狭湾から富山湾にかけて弓なりに湾曲しているのがご理解いただけるだろう。これは本州が若狭湾から富山湾にかけて南東方向に強い力を受けていることを示している。それはプレートの境界であることが原因だろう。つまりこの地域はいつ地震が起こってもおかしくないのだ。
実際福井や能登、中越など被害の大きな大地震は発生している。関西が阪神淡路大震災、関東が関東大震災くらいしかないことを考えれば頻度は高いと言えよう。そして大飯には活断層が原発敷地内に存在する。もう一つ言えばピンポイントの地震予知は不可能であると研究者は言及している。過去に指摘されていなかった活断層による地震も報告されている。
これらを勘案すればこの地域は安心だと言えるものなどひとつもない。その視点に立って考えるのが地震発生時の想像されることだ。福島規模あるいはそれを超える事故が発生した時どうなるのだろうか。これがタイトルに書いた関西と東海地域住民が考えるべきことだ。
福島原発事故は多くの人を犠牲にし避難生活を強いることになった。痛ましいことである。だがその立地はまだ幸いだったと言えるかもしれない。それは太平洋側にあったからだ。
事故の発生した3月はまだ冬の偏西風の影響を強く受ける時期だ。この時期もっとも放射線の影響を受けるのは陸風として吹き晒す原発の南東側だ。そしてその次がそれが海風として逆風が吹く北西だ。現在の避難地域の地図を見れば北西方向に伸びているのが判るはずだ。
もし若狭湾の原発が事故を起こせばどうなるか、そう原発の南東側が最も汚染されるのだ。その方向にあるのが岐阜であり名古屋だ。そして琵琶湖だ。常磐線が長らく通行できないよう米原付近が通行できなくなる可能性が極めて高い。つまり東西の陸路交通が分断される。
それでも名古屋が大丈夫なら伊勢湾自動車道から物流は維持できるかもしれない。だが米原付近が汚染されるということは琵琶湖および長良川揖斐川などの水源および流域が汚染されるということだ。ベクレル入りの水道水で生活が出来るのかあるいは工場生産がかづ出来るのか、という問題が発生することは想像に難くない。
さらに年間の風速を考えれば南東方向に吹く冬場は平均風速10mと1年で最も強い。そして福島を見ればわかるようそんな短期間で事故は収束しない。そうすれば生活に長い間影響力を及ぼすだろう。
また放射線は可視できないため心理的不安が大きく生活の場として機能するのが困難になる。なによりも水が安心して使えないというのは非常に大きな問題だろう。復興したくても人が近寄れなかったり生活できないと富岡町のようにゴーストタウンが放置されるだろう。日本の2大地域でそういう影響が起こるということがどうなるか考えるべきである。
今回の大きな問題点は電力会社の幹部が指摘に私腹を肥やしていることが実情であることが露見したことだ。政府や電力会社が言うところの産業や経済発展に必要という嘘でもまだ大義名分という意味では辛うじて体裁は保てたかもしれない。だが実際は八木誠が自分の財布を潤すために原発を多数建設し依存体質にしていたことが原発事故を経た後も行われていた。
何度も書くが政府も関西電力も一切責任は取らないし刑事責任も問われないのは福島の経緯と同じだろう。関電も政治家も私腹を肥やすことはあっても資材を出して弁済することはない。そして八木誠をはじめとして絶対に大飯も高浜にも住まない。そして私腹を肥やす原資は電気代であり国民の税金からでる補助金だ。
最後に書くが関西電力は原発停止後に安易に値上げを行った。だが彼らはCMで流れているよう関電不動産という優良資産がある。おそらくそれは総括原価方式の名の下で原発などで潤った資産の活用だろう。明らかにグループ企業であるのは名前の通りだ。これの資産を売却したりすればその値上げを緩和することはできたはずだ。だがそうしたという報道は聞いていない。こういう風にして彼らは関電ユーザーから搾取していると私は考える。
原子力での事故が火力と同様消火のように対策手段があるのならばここまで私も異を唱えないかもしれない。だが放射線は現在の科学レベルでは半減期という時の流れしか解決できないものなのだ。除染は自分の目の前のものを見えないところに於いているに過ぎないことを忘れてはいけない。そういうものを扱っているという意識が福島を経た現在も行政にも電力会社にも希薄なのだと思う。
私の考えに少しでも同意いただけるならばこれを読んだ方々がどう行動するかだと思う。現在の司法的あるいは政府見解的に違法ではない原発の影響下から抜け出すのは非常に困難だ。ならば需要が低くなればいいのだと思う。私は大阪ガスに替えた。だが他の新規電力でもいいだろう。ただし市場から電気を積極的に購入する業者は止めるべきだと思う。再生可能エネルギーなどで天候などで安定供給できない場合の市場からの購入は仕方がないだろう。だが市場からの差額で利益を目論む事業者は伊方原発や玄海・川内らを支えることになるはずだ。
福島を再現したくないのならまず自らの生活で出来ることから始めるべきだ。そして次に政治を考えることだと思う。皆がそのことを真剣に考えない限り原発利権はなくならない。本当に原発は必要なのか、皆が自ら調べ判断して欲しいと思う。今回の報道でもまだ無知・無視でいられるのならば、福島が再現されても文句を言えるのか自問自答して欲しい。