10月31日は衆議院議員選挙だ。菅前首相が自民党総裁選不出馬を受け岸田新首相を国会で任命した直後の解散だ。細かい国会論戦もないまま解散となり、ほとんど白紙委任状態の岸田自民党を国民は評価することとなる。
岸田内閣は分配と成長を訴えアベノミクスを反省しているというが、総裁選でアベノミクスをさらに推し進めると表明した高市早苗を政調会長に任命し彼女が党の政策を担うこととなる。ということはアベノミクスを継続するということである。
さらに幹事長は汚職疑惑で大臣を辞任した甘利明で、前回の広島での選挙買収も森友加計も桜を見る会も全く手つけず白紙委任状態でこれから政権を運営していく。
まず第一に知っておくべきことは自公連立政権は過去3回つまり民主党政権陥落から3度の総選挙でともに衆議院の3分の2を獲得しているという事実である。
更に2013年には参議院選挙でも過半数を復活させている。これはこの8年間自公政権は決めなければならないことはどの案件でも決めることが出来たということだ。
自民党の政見放送でもいっているとおり「結果で示す」ことを3回続けてきたのだ。ということは2013~2021に生じた政治に起因する事態の全てが自民公明連立政権が示した結果なのである。
ではこの間に起こったことはどういうことであったのだろうか?一番わかりやすいのは生活実感であろう。給与や物価、政治のクリーンさや格差、多様性いろいろなことをここ9年間どう感じたかがその答えとなる。
ただそれだけでは具体性がなくわかりにくい。そこで2012年と2018年での数値を比較して実感する補助にしたいと思う。これはあくまで消費税が10%に上がる前の時点でのデータだ。
名目GDP 500兆円 ➡ 530兆円
為替レート 80円・ドル ➡ 110
実質GDP 6.25兆ドル ➡ 4.88兆ドル
国民一人当たりGDP 50万ドル ➡ 39万ドル
(2018年39.3万ドルで世界26位)
株式市場時価総額 300兆円 ➡ 600兆円(米・中国・香港に次ぐ第4位)
株式外国人投資額 90兆円 ➡ 180兆円
国内投資額 210兆円 ➡ 420兆円(210兆円増)
マネタリーベース 132兆円 ➡ 494兆円(362兆増・3.7倍)
紙幣(日銀券)発行高 84兆円 ➡ 107兆円(23兆円増)
貨幣発行高 4.8兆円 ➡ 4.5兆円
日銀当座預金総残高 44兆円 ➡ 382兆円(338兆円増)
日銀当座預金民間銀行残高 40兆円 ➡ 335兆円(295兆円増)
消費者物価指数 96 ➡ 101 (2015年100として。以下同じ)
食品物価指数 92 ➡ 105(14%増)
銀行預金残高 597兆円 ➡ 744兆円(147兆円増)
銀行貸付残高 428兆円 ➡ 498兆円(70兆円増)
現金流通量 80兆円 ➡ 102兆円(22兆円増)
国民年金保有資産 150兆円(円安で海外資産が26%減)
保有国内債券残高 42兆円
年金運用機構保有株式 35兆円(2019年。全株式の5.4%で1位)
日銀保有株式 28兆円(全株式の4.7%上場企業の50%の大株主。年間6兆円購入)
平均給与額 352.1万円 ➡ 371.6万円(5.5%上昇)
平均税額 14・4万円 ➡ 18.4万円(27.8%上昇)
数字を羅列したので見にくいとは思う。
まずアベノミクスとは何かを書きたい。3本の矢があり大胆な金融政策(金融緩和)・機動的な財政政策・民間投資を喚起する成長戦略であると官邸HPに記載されている。
岸田内閣は分配と成長を訴えアベノミクスを反省しているというが、総裁選でアベノミクスをさらに推し進めると表明した高市早苗を政調会長に任命し彼女が党の政策を担うこととなる。ということはアベノミクスを継続するということである。
さらに幹事長は汚職疑惑で大臣を辞任した甘利明で、前回の広島での選挙買収も森友加計も桜を見る会も全く手つけず白紙委任状態でこれから政権を運営していく。
まず第一に知っておくべきことは自公連立政権は過去3回つまり民主党政権陥落から3度の総選挙でともに衆議院の3分の2を獲得しているという事実である。
更に2013年には参議院選挙でも過半数を復活させている。これはこの8年間自公政権は決めなければならないことはどの案件でも決めることが出来たということだ。
自民党の政見放送でもいっているとおり「結果で示す」ことを3回続けてきたのだ。ということは2013~2021に生じた政治に起因する事態の全てが自民公明連立政権が示した結果なのである。
ではこの間に起こったことはどういうことであったのだろうか?一番わかりやすいのは生活実感であろう。給与や物価、政治のクリーンさや格差、多様性いろいろなことをここ9年間どう感じたかがその答えとなる。
ただそれだけでは具体性がなくわかりにくい。そこで2012年と2018年での数値を比較して実感する補助にしたいと思う。これはあくまで消費税が10%に上がる前の時点でのデータだ。
名目GDP 500兆円 ➡ 530兆円
為替レート 80円・ドル ➡ 110
実質GDP 6.25兆ドル ➡ 4.88兆ドル
国民一人当たりGDP 50万ドル ➡ 39万ドル
(2018年39.3万ドルで世界26位)
株式市場時価総額 300兆円 ➡ 600兆円(米・中国・香港に次ぐ第4位)
株式外国人投資額 90兆円 ➡ 180兆円
国内投資額 210兆円 ➡ 420兆円(210兆円増)
マネタリーベース 132兆円 ➡ 494兆円(362兆増・3.7倍)
紙幣(日銀券)発行高 84兆円 ➡ 107兆円(23兆円増)
貨幣発行高 4.8兆円 ➡ 4.5兆円
日銀当座預金総残高 44兆円 ➡ 382兆円(338兆円増)
日銀当座預金民間銀行残高 40兆円 ➡ 335兆円(295兆円増)
消費者物価指数 96 ➡ 101 (2015年100として。以下同じ)
食品物価指数 92 ➡ 105(14%増)
銀行預金残高 597兆円 ➡ 744兆円(147兆円増)
銀行貸付残高 428兆円 ➡ 498兆円(70兆円増)
現金流通量 80兆円 ➡ 102兆円(22兆円増)
国民年金保有資産 150兆円(円安で海外資産が26%減)
保有国内債券残高 42兆円
年金運用機構保有株式 35兆円(2019年。全株式の5.4%で1位)
日銀保有株式 28兆円(全株式の4.7%上場企業の50%の大株主。年間6兆円購入)
平均給与額 352.1万円 ➡ 371.6万円(5.5%上昇)
平均税額 14・4万円 ➡ 18.4万円(27.8%上昇)
数字を羅列したので見にくいとは思う。
まずアベノミクスとは何かを書きたい。3本の矢があり大胆な金融政策(金融緩和)・機動的な財政政策・民間投資を喚起する成長戦略であると官邸HPに記載されている。
➀金融緩和
これは日銀が株や債券を民間から購入することで市中にお金を回し物価上昇を引き起こし、給与上昇と内需拡大を狙ったものだ。
だが上の表にあるよう流通金融量の増大とともに為替が円安に振れエネルギーや小麦粉・飼料などを輸入に頼る日本では食料価格の14%上昇を引き起こした。
貯蓄額は増大した一方報道にしばしば出るよう無貯金世帯数は増大した。給与上昇は5.5%であったのに対して負担税額は27.7%も上昇した。これは株式に対する税額を累進課税しなかった分や法人税の減免(30%➡23.3%)を消費増税で埋め合わせたからだ。
日銀が持つ資金量は362兆円(3.7倍)に増加したが紙幣および貨幣発行残高は23兆円しか増えていない。その他の339兆円は日銀の当座預金残高の増加に吸収されている。これは増加分の87%を占めるその大部分を占める民間銀行の日銀当座預金の増加に吸収されているのだ。
銀行は本来なら自己資本が増えたのでそれを貸し出しに反映させるべきであったのが増加したのは70兆円とその増加分の4分の1にも満たない数字しか増えていない。
何よりも市中に周るお金が23兆円しか増えていないのにその分が為替に吸収されてしまい前述のように食料品の14%値上げ値上げが起きた。更に27%税負担増に給与増が5.5%だ。無貯金世帯が増えるのは当然であろう。
一方株式市場は日銀が買い支え、更に年金機構も買い続けている。そのおかげで日経平均株価は2012年の8000円台から2018年には23000円台まで上昇した。そして消費増税やコロナにも拘らず現在30000円近くを推移している。
もはや景気の先行指数としての機能が失われているのは明らかであろう。その理由が日銀とGPIF(年金)の保有株式残高だ。現在ともに50兆近くに膨れ上がっている。現在の株式時価総額が770兆円程度なので約13%がその2者が保有している。
つまり為替を変動させてまで金融拡大をして起きたのは物価上昇と株式市場の拡大、そしてそれに見合わない給与上昇ということである。
②財政拡大(分配)
2012年の日本政府の歳出合計額(決算)は333兆円だ。それに対して2018年は330兆円とむしろ減っているのである。これには物価上昇5.5%は反映されていないので実質その分マイナスなのである。そのなかで森友加計や桜を見る会などの支出が含まれているのである。
ちなみに日本国債は2012年で発行残高178兆円で国債償還に111兆円を使用した。公債依存率は49%だ。一般会計における国債依存度は24%だ。
だが2018年は国債発行残高148兆円、償還に110兆円、公債依存率は34.8%、一般会計への依存度は24%だ。つまり物価上昇にもかかわらず予算は国債の発行割合の限度を決めているかのように抑制し続けているのである。
ただ国債を発行すべきという今の与野党の財政出動合戦には私は疑問を持っている。というのは国債償還は10年物が多く10年前の国債発行残高に左右されるからだ。
2011年東日本大震災でこの年と2012年にそれまでの150兆から178兆へと発行残高を増やした。この償還が始まる2021年つまり今年には前年の109兆から147兆へと増加している。
ちなみに2020年度の国債発行残高は257兆円、本年度で既に236兆円発行している。これは2030年に確実に償還されなければならない。日本の税収は昨年で約61兆円だ。現状で既に年収の1.8倍の借金をしている。それが10年後には税収が伸びない限り今と同じ政策をするためにおそらく倍では効かない額の国債を発行しなければならなくなる。
今から10年後は日本は更に少子高齢化が進医んでいる。日本のGDP増加予想は約1.2倍との文献がある。一方世界はその間に1・8倍GDPが膨らむとコロナ前の試算で予想されている。国力の低下が予想され、社会保障の増大が不可避な中借金返済が今の倍になるという現実をどう受け止めるかだ。
西田昌司自民党政調会長代理が持論の現代金融理論で自国通貨建ての国債は無尽蔵に発行しても大丈夫だという。だがそれは日本という国が信頼されている限りではある。日本の国債信用度が今言った状況下で海外から信頼されるであろうか?
海外から日本国債への投資がなければ日本国内でそれを捌かなければならない。だが日本は国力低下が不可避(生産年齢人口が1割程度減少するのに対して老年人口は3%程度の上昇が予想されている)だ。社会保障は増大する中解決の糸口は見えていない。
私は財政出動に否定的だが少なくともアベノミクスは財政という面でも全く機能していないことがご理解いただけるであろう。そして安倍に近いとされている西田昌司が政調会長代理であるということは自民党政権は財政を無視してバラ撒き政治をするということである。
そして国の予算の原資は税金である以上どこかからそれを徴収しなければいけない。野党はそれを金融資産や企業内部留保に求めると言っているが自民党はそれを否定している。ということはその負担が所得税や消費税に求めるということである。
日本は営利企業ではない以上予算は税収に頼るしかない。本来なら米国債を売るなりしてもいいのだがとてもそんな勇気のある政治家はいないだろう。橋本龍太郎の行く末を見ればだ。
金融に素人の私でもこれくらいは理解できるのだから海外の投資家は日本の行く末など織り込み済みだと思う。要はどこで日本切りをするかの問題だと思う。その時日本を襲うのは想像を絶する円安と今まで発行してしまった金融資産による超インフレだと私は想像している。
日本国債はおそらく高利子を付けなければ買われなくなる。ということは金利の上昇が不可避である。これは住宅ローンなどにも当然飛び火する。そしてもし国債償還が出来なければその資産の大部分を保有する日銀・年金は当然として銀行生損保も倒産が続くだろう。
日本は資産があるから大丈夫との意見がある。だが時価総額の1割以上を保有する日銀年金が株の大量売却できると思うだろうか。それは日銀年金発の株の大暴落を意味する。
同様に土地を売るのも一時に大量の一等地を売却すれば当然値崩れが起こる。そうすれば土地を担保にしていた債務者は追証を求められる。さらにそういう経済状況下では日本国内でそれを購入できる資産家がどれほどいるかも問題である。海外投資家がそれを購入したら最悪国会議事堂で国会を開くたびに海外投資家に賃料を払うことになるのだ。
冷静に考えればわかることだが無尽蔵の財政出動が出来るのならどこの国でもやっているはずである。日本だけ特殊なのではない。アメリカも大胆な金融緩和を行ったがそれでもGDPに対する比率を設けて抑制している。そしてすでに金融緩和の出口を見据えているのだ。
➂成長戦略
これに代表されるのが特区構想であろう。規制を取り払い成長する企業などを後押しすべく作られたものである。そしてそれを利用して今治の岡山理科大学獣医学部は作られた。いわゆる加計問題である。
この問題の本質は金銭授受という疑惑ではないと私は感じている。それは日本の成長戦略自体が根本が違うのである。クールジャパンと称して海外に日本文化を広める活動を総務省が行っていたがその悲惨な結果が色々記事にされているのでも明らかだ。
前述のとおり日本は少子高齢化が避けられない。この状況下で日本が国力を維持するには労働人口の一時的増加すなわち移民を受け入れるか国民一人当たりのGDPを上昇させるかのいずれかしかない。
日本には強い移民への抵抗があるのでなかなか難しいであろう。また移民側にも選ぶ権利がある。地方参政権やジェンダー、多様性などに対して寛容さがない国に魅力を感じるとすればそれを上回る経済力だ。だがその前提が崩れていくのだ。
ということはまずすべきは国民一人当たりのGDPを上げることとなる。それに必要なのは金融機能を強化しルクセンブルグのような国になるか日本オンリーの技術や技能を強化することであろう。
では金融はどうであろうか?米国債ひとつ売ることの出来ない日本がノーベル経済学賞も取れない人材で金融をリードできるであろうか?アメリカにノーが言えると本気で現状を思えるだろうか。
そして最後に課題となるのが日本の研究能力である。私の記事をよく読んでおられている方はもうすでに理解はされていると思う。だがもう一度書いておく。
日本はこの10年で科学論文の掲載数ランキングで2位から5位に落ちた。ここでいう論文掲載とは科学的に掲載価値が高いと認められた雑誌への掲載数である。
日本の大学教育は平成の30年間で大学が500から750に増えた。同様に学生数も1.5倍に増えた。だが世代人口(1年に生まれた出生数)は約200万から130万人程度に減少している。つまり世代における大学進学占有率は2倍以上に増えた。普通なら裾野が広がったので研究業績は伸びるはずである。
だがそうはならなかった。それはその増えた大学の大半が私立大学ということに起因している。日大の昨今の問題で私学助成金の保留が発表されていたがその額は90億円である。このように私学には多くの助成金が投入されている。
平成30年の間に大学の数が1.5倍になったにもかかわらず教育関係の予算は1割強の上昇しかしていない。物価上昇率が15%程度であることを考えればほとんど横ばいである。
ということは雨後の筍のごとく増えた私立大学を助成するために削減された予算がある。それが国立大学である。国立大学は独立法人に改組され自身で研究費などを調達するよう求められた。その結果大学の予算は厳しくなり私の出身大学では任期制を取るようになった。
任期制ということは任期内に結果を出さなければその身分を保障されないということだ。
これは壮大な研究やトライアンドエラーから生まれる研究を大きく制限することとなった。ノーベル賞学者の本庶先生はノーベル賞の賞金を若手の育成の基金にすると発表した。それほど現在の日本科学研究は危機に陥っている。
その中で起きたのが加計学園問題である。本来すべきなのは新設私立大学の建設ではなく科学論文投稿数で上位を占めている国立大学の復興である。だがアベ友である加計孝太郎のため必要のない獣医学部を今治に建設した。
私立大学の獣医学部である岡山理科大学の獣医学部は年間250万の学費がかかる。それに下宿などを併せれば1000万以上の投資が必要になる。そう考えればおよそほとんどが都会の犬猫病院開業となることは明白である。お題目である四国の畜産公衆衛生行政への期待などどれほど実現するか甚だ疑問である。
そういうものの建設に多額の税金が投入され、さらに助成金が投入される。その一方で早稲田や京王よりも研究業績が高い岡山大学や筑波大学はその研究費捻出に頭を悩ませている。
菅は政権末期に成長戦略として研究に補助金をつけると表明した。だが学術振興会の任命拒否を安倍の命令でしたよう学術の多様性というものを理解していない。菅が表明したのは東大や京大などにのみ投資を集中するというものだ。
だが学問というのは様々な多様性の中でトライアンドエラーを繰り返し、その総括の中から進歩するものである。地方国立大学の一定したレベル以上での多様な研究があるからこそ新規技術や発見・発明がなされる。
そういう観点がないから菅の政策は行き当たりばったりなのである。昨年末勝負の3週間と息巻き国民に自粛要請をいいながらGOTOで人流のアクセルを踏んだ。その総括をしないからオリンピックというお祭りを感染者増加の中行い多数の医療崩壊う現場を生み出した。そしてそのいことを自民党は一度も総括していない。
ちなみに日本維新の会は大阪市立大学と大阪府立大学の統合を発表している。これは大阪医師会付属看護学校を補助金削減で廃校にさせたのと同様コストカットが目的だ。ということは合併してさらに潤沢な研究環境が広がるわけではない。むしろ逆で研究講座数が減らされる可能性が高い。
維新も自分のしてきたことを総括しない政党だ。だから看護師数が圧倒的に不足した今年の春に対しての反省の弁は何もない。更に言えばイソジンが効くと表明し店頭からイソジンがなくなったのに大阪の感染者数は年末から春にかけて増大し続けた。これについても言及はない。
長くなったがこれがアベノミクスの答えだ。さすがにどの政党もアベノミクスを評価する表明はしていない。自民党ですらだ。ただ自民党は岸田政権が続投されても高市政調会長と西田昌司政調会長代理の元ではアベノミクス否定はできない。
私はすでに政権交代しても大きくなり過ぎた金融緩和を主即することを出来ないと考えている。現在日本のマネタリーベースは644兆円だ。1ドル113円で換算すれば5.7兆ドルだ。ちたみに日本のGDP4倍のアメリカは5.8兆ドルだ。GDP4倍の国と同等の金融量を持つだけの日本に国力がないことは明らかだ。それはコロナからの経済回復の遅れでも明らかである。
金融緩和を引き締めるには金利上昇が必要だ。だが現在金利を引き上げるということは更なる国債発行を同じ予算でも必要とすることを意味する。そして金利の上昇はただでさえ疲弊している経済をさらに悪化させる。
つまりアベノミクスと自分の名前を付けられ舞い上がった政策を9年近く続けている間に日本は取り返しのつかないところに来てしまったというのが私の実感だ。おそらくこれを解決することは相当な困難が予想される。
日本の総選挙の投票率は小泉選挙までは66%程度はあった。それが安倍第1次政権以降下降し民主党政権交代時に67%まで上昇したがその後は低下し50%そこそこしか現在はない。
日本の有権者数は約1億人なので1500万人が選挙を無視しているのが現状である。大学卒業者が増え続けているにもかかわらずこういう現状を見て日本はつくづく落ちぶれたと感じる。
それでも私たちは自分で考えてベストの選択肢ではないかもしれないが次善策を講じるべきだと私は考える。言っておくが安倍も菅も日本が落ちぶれても食い詰めることはない。十分な資産を得ている。そして大勲位を要求こそすれアベノミクスの失敗を反省することもない。そういう状況をまだ放置するのかがいま問われている。
おそらく政権は交代しないのであろう。そしてまた責任回避の政治は続く。そして安倍を正当化するための危険な金融緩和はチキンレースの様相を呈するだろう。
国民は不満をその時口にするだろう。だがそれを選んだのは私たち自身であることを忘れてはならない。何度も変えるチャンスはあった。でも変えなかった。あるいは変えるための投票行動をしなかった。そしてそのつけは日本国全体で血を流して贖い続ける。今日またその後悔の塊が日本の背に乗りかかるのであろう。