宮澤賢治の里より

下根子桜時代の真実の宮澤賢治を知りたくて、賢治の周辺を彷徨う。

152 枝打ちされた緑褐色の松並

2009年05月26日 | Weblog
 5月5日に七時雨山を訪れた際、途中で『道の駅 にしね』に立ち寄った。以前、”寅吉山とは岩手山のことでなかろうか”で述べたように『枝打ちされた緑褐色の松並』のことが気になっていたからである。
 
 まずは、道の駅から正面に見える
《1 岩手山》(平成21年5月5日撮影) 

である。かくの如く、岩手山の積雪は頂上の方から解け始める。雪形の”鷲の尾”はその面影を失い、一方の雪形”たまねぎ坊主”は間もなく現れそうだ。
 この道の駅の前の道路右手を見れば、
《2 松林》(平成21年5月5日撮影) 

がある。その方向へ進んでゆくと農機具屋さんがあり、
《3 コンビニストア》(平成21年5月5日撮影) 

がある。このコンビニストアの隣りが岩手県の”県の木 ナンブアカマツ”からなるその松林で、
《4 『学術参考林』》(平成21年5月5日撮影) 

《5 〃 》(平成21年5月19日撮影)

と呼ばれている国有林、森林管理所が管理しているとのことである(八幡平市役所の方より)。
 この松林は
《6 念入りに枝打ちされてきた松林》(平成21年5月5日撮影) 

であることが窺える。
 実際、松林の中に入ってみるとそれらは結構な樹齢をした
《7 松の大木》(平成21年5月5日撮影) 

であることが判るし、見上げてみれば
《7 長年枝打ちされてきた松》(平成21年5月5日撮影) 

であることが納得できる。

 したがって、賢治の次の詩
  〔寅吉山の北のなだらで〕
   寅吉山の北のなだらで
   雪がまばゆいタングステンの盤になり
   山稜の樹の昇羃列が
   そこに華麗な像をうつし
   またふもとでは
   枝打ちされた緑褐色の松並が
   弧線になってうかんでゐる

   恍とした佇立のうちに
   雲はばしゃばしゃ飛び
   風は
   中世騎士風の道徳をはこんでゐた

    <『校本 宮澤賢治全集 第三巻』(筑摩書房)より>
の中の
   またふもとでは
   枝打ちされた緑褐色の松並が
   弧線になってうかんでゐる

の部分は、この『学術参考林』のことを詠み込んだ可能性が十分にあると思う。

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