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12月16日、「経埋ムベキ山」のいくつかを見て廻った。その山々は”山眠る”の状態にあるはずだが・・・。これからますます”しばれ”て来る季節だからぐっすり眠って欲しいものだ。
花巻神社付近から望む朝焼けの「経埋ムベキ山」についてまず報告する。
《1 早池峰の峰々》(平成20年12月16日撮影)
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《2 早池峰山》(平成20年12月16日撮影)
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モルゲンロートの方が早池峰山、その下の黒っぽいのが
《3 権現堂山》(平成20年12月16日撮影)
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である。
以前にも報告したが、この権現堂山は賢治の詩『〔ちぢれてすがすがしい雲の朝〕』で
ちぢれてすがすがしい雲の朝
烏二羽
谷によどむ氷河の風の雲にとぶ
いま
スノードンの峯のいただきが
その二きれの巨きな雲の間からあらはれる
下では権現堂山が
北斎筆支那の絵図を
パノラマにして展げてゐる
北はぼんやり蛋白彩のまた寒天の雲
遊園地の上の朝の電燈
ここらの野原はひどい酸性で
灰いろの蘚苔類しか生えないのです
権現堂山はこんどは酸っぱい
修羅の地形を刻みだす
萓野のなかにマント着て立つ三人の子
聡明さと影と
また擦過する鳥の影
東根山のそのコロナ光り
姫神から盛岡の背后にわたる花崗岩地が
いま寒冷な北西風と
湿ぽい南の風とで
大混乱の最中である
氷霧や雨や
東にはあたらしい雲の白髪
……罪あるものは
またのぞみあるものは
その胸をひぢかけに投げてねむれ……
はたらくべき子ら
まなぶとて町にありしに
その歯なみうつくしくかがやきにけり
毛布着て
また赤き綿ネルのかつぎして
八時始めの学校に行く子ら
遊園地ちかくに立ちしに
村のむすめらみな遊び女のすがたとかはりぬ
そのあるものは
なかばなれるポーズをなし
あるものはほとんど完きかたちをなせり
ひと炭をになひて
大股に線路をよこぎりしに
学校通ひの子らあまた走りしたがへり
ひがしの雲いよいよ
その白金属の処女性を増せり
……権現堂やまはいま
須弥山全図を彩りしめす……
けむりと防火線
……権現堂やまのうしろの雲
かぎりない意慾の海をあらはす……
浄居の諸天
高らかにうたふ
その白い朝の雲
<『宮沢賢治全集 三』(筑摩書房)より>
と詠まれている。
ここで
スノードンの峯のいただきが
その二きれの巨きな雲の間からあらはれる
下では権現堂山が
の”スノードンの峰”は早池峰山なはずだから、この詩の通りその下に権現堂山が見える。
花巻神社付近では、東を見れば
《4 胡四王山》(平成20年12月16日撮影)
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東南方向には
《5 観音山》(平成20年12月16日撮影)
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が赤く染まっている。
次は石鳥谷から見た
《6 早池峰山》(平成20年12月16日撮影)
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次は篠木付近から見た
《7 秋田駒ヶ岳》(平成20年12月16日撮影)
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《8 岩手山》(平成20年12月16日撮影)
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今度は”分れ”付近から見た
《9 岩手山》(平成20年12月16日撮影)
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なお、上の写真の左端に一部が見える山が鞍掛山であり、賢治が例えば『春と修羅 第一集』で
くらかけの雪
たよりになるのは
くらかけつづきの雪ばかり
野はらもはやしも
ぽしやぽしやしたり黝んだりして
すこしもあてにならないので
ほんたうにそんな酵母のふうの
朧ろなふぶきですけれども
ほのかなのぞみを送るのは
くらかけ山の雪ばかり
<『宮澤賢治詩集』(草野心平編、彌生書房)より>
と詠いながらも「経埋ムベキ山」に入っていない山である。
《10 その鞍掛山》(平成20年12月16日撮影)
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ここからはしばし岩手山について
《11 大更のとある牧場から》(平成20年12月16日撮影)
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《12 焼走り熔岩流から》(平成20年12月16日撮影)
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《13 一本木野から》(平成20年12月16日撮影)
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《14 裾野原?より》(平成20年12月16日撮影)
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《15 盛岡IC付近から》(平成20年12月16日撮影)
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《16 〃 》(平成20年12月16日撮影)
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同じく同所からの
《17 秋田駒ヶ岳》(平成20年12月16日撮影)
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《18 姫神山》(平成20年12月16日撮影)
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ここからは夕焼けの「経埋ムベキ山」である。
《19 蝶ヶ森からの岩手山》(平成20年12月16日撮影)
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見前付近からの
《20 南昌山などが連なる岩頸列》(平成20年12月16日撮影)
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であり、次の写真の左側の釣鐘状の山が
《21 南昌山》(平成20年12月16日撮影)
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そして、次の写真のやや右寄りの台形状の山が
《22 東根山》(平成20年12月16日撮影)
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である。なお、赤い帯状に見えているのは北上川である。
続きの
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花巻神社付近から望む朝焼けの「経埋ムベキ山」についてまず報告する。
《1 早池峰の峰々》(平成20年12月16日撮影)
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《2 早池峰山》(平成20年12月16日撮影)
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モルゲンロートの方が早池峰山、その下の黒っぽいのが
《3 権現堂山》(平成20年12月16日撮影)
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である。
以前にも報告したが、この権現堂山は賢治の詩『〔ちぢれてすがすがしい雲の朝〕』で
ちぢれてすがすがしい雲の朝
烏二羽
谷によどむ氷河の風の雲にとぶ
いま
スノードンの峯のいただきが
その二きれの巨きな雲の間からあらはれる
下では権現堂山が
北斎筆支那の絵図を
パノラマにして展げてゐる
北はぼんやり蛋白彩のまた寒天の雲
遊園地の上の朝の電燈
ここらの野原はひどい酸性で
灰いろの蘚苔類しか生えないのです
権現堂山はこんどは酸っぱい
修羅の地形を刻みだす
萓野のなかにマント着て立つ三人の子
聡明さと影と
また擦過する鳥の影
東根山のそのコロナ光り
姫神から盛岡の背后にわたる花崗岩地が
いま寒冷な北西風と
湿ぽい南の風とで
大混乱の最中である
氷霧や雨や
東にはあたらしい雲の白髪
……罪あるものは
またのぞみあるものは
その胸をひぢかけに投げてねむれ……
はたらくべき子ら
まなぶとて町にありしに
その歯なみうつくしくかがやきにけり
毛布着て
また赤き綿ネルのかつぎして
八時始めの学校に行く子ら
遊園地ちかくに立ちしに
村のむすめらみな遊び女のすがたとかはりぬ
そのあるものは
なかばなれるポーズをなし
あるものはほとんど完きかたちをなせり
ひと炭をになひて
大股に線路をよこぎりしに
学校通ひの子らあまた走りしたがへり
ひがしの雲いよいよ
その白金属の処女性を増せり
……権現堂やまはいま
須弥山全図を彩りしめす……
けむりと防火線
……権現堂やまのうしろの雲
かぎりない意慾の海をあらはす……
浄居の諸天
高らかにうたふ
その白い朝の雲
<『宮沢賢治全集 三』(筑摩書房)より>
と詠まれている。
ここで
スノードンの峯のいただきが
その二きれの巨きな雲の間からあらはれる
下では権現堂山が
の”スノードンの峰”は早池峰山なはずだから、この詩の通りその下に権現堂山が見える。
花巻神社付近では、東を見れば
《4 胡四王山》(平成20年12月16日撮影)
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東南方向には
《5 観音山》(平成20年12月16日撮影)
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が赤く染まっている。
次は石鳥谷から見た
《6 早池峰山》(平成20年12月16日撮影)
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次は篠木付近から見た
《7 秋田駒ヶ岳》(平成20年12月16日撮影)
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《8 岩手山》(平成20年12月16日撮影)
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今度は”分れ”付近から見た
《9 岩手山》(平成20年12月16日撮影)
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なお、上の写真の左端に一部が見える山が鞍掛山であり、賢治が例えば『春と修羅 第一集』で
くらかけの雪
たよりになるのは
くらかけつづきの雪ばかり
野はらもはやしも
ぽしやぽしやしたり黝んだりして
すこしもあてにならないので
ほんたうにそんな酵母のふうの
朧ろなふぶきですけれども
ほのかなのぞみを送るのは
くらかけ山の雪ばかり
<『宮澤賢治詩集』(草野心平編、彌生書房)より>
と詠いながらも「経埋ムベキ山」に入っていない山である。
《10 その鞍掛山》(平成20年12月16日撮影)
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ここからはしばし岩手山について
《11 大更のとある牧場から》(平成20年12月16日撮影)
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《12 焼走り熔岩流から》(平成20年12月16日撮影)
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《15 盛岡IC付近から》(平成20年12月16日撮影)
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《16 〃 》(平成20年12月16日撮影)
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同じく同所からの
《17 秋田駒ヶ岳》(平成20年12月16日撮影)
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《18 姫神山》(平成20年12月16日撮影)
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ここからは夕焼けの「経埋ムベキ山」である。
《19 蝶ヶ森からの岩手山》(平成20年12月16日撮影)
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見前付近からの
《20 南昌山などが連なる岩頸列》(平成20年12月16日撮影)
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であり、次の写真の左側の釣鐘状の山が
《21 南昌山》(平成20年12月16日撮影)
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そして、次の写真のやや右寄りの台形状の山が
《22 東根山》(平成20年12月16日撮影)
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である。なお、赤い帯状に見えているのは北上川である。
続きの
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前の
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