※この小説はアニメ黒執事を基に、二次創作として執筆しております。
一個人の解釈なので、原作やアニメ制作会社、出版社とは一切関係ありません。
その点をご理解いただき、お読み下さる様お願いいたします。
■黒執事 StarRingSilver 白薔薇の揺り籠 エピソード18
俯(うつぶ)せに倒れ込んで居る、グレル近づくセバスチャン。
フレイアもグレルに近寄り花壇(かだん)の脇に盥(たらい)を立て置き、屈み込むとグレルを背後から抱き起こす。
グレルは二人の猛攻撃を受けた割には、瀕死ではなく気を失っているだけである。フレイアに抱き起こされると─── 意識を取り戻す。
「セバスちゃん…」
「これぐらいでは、死にませんか…‥」
「えぇ、死神ですからね。」
「死神??」
フレイアは抱き起こしたグレルの顔を覗き込むと、グレルはどこと無く幸せな顔をしており目を覚ます。
「ダメよ、セバスチャン、大胆だわ。こんな素敵なお庭で求め合うなんて、でも、貴方らしく良いわよ。」
「私だってセバスチャンと、その様な行為をした事等ないと言うのに…… 」
「フレイア貴方は、さっきから私を誤解してませんか?? それはグレルの一方的な妄想です。」
グレルは自分を抱き起こしたのはセバスチャンと、思ったが正面に立ち見下ろして居るの見て背後を漸(ようや)く見る。
「あんた何をする気なの!? お願いだから止めて!!セバスちゃんの前で私を犯すなんて!!」
「…‥私はその様な、趣味はございませんよ。さて、グレル貴方をどう調理しましょうか??」
フレイアはグレルを品定めを、するかの様にしげしげと見て居てセバスチャンは、地面に突き刺さったデスサイズの持ち手に触れ引き抜き持つ。
「調理??私は、ほんと美味しいけど食べ物じゃないわよ!!そこいらの人間と一緒くたにしないでよ!!私は美しき愛の狩人で死神なのDEATH。」
「セバスチャンも私も、人間の魂を喰らい漁るのは辟易(へきえき)しておりますよ。省(はぶ)いては簡単に棄(す)て喰える、魂等(など)に興味はなく惹(ひ)かれる事はありません。」
「離しなさいよ!! 乙女に何をするのよ!!職務(しょくむ)妨害で訴えてやるわ。」
「生きて此処(ここ)から、帰れるとお思いですか??ほぉ、死神だったとわね。それは珍しいモノを捕獲(ほかく)したものです。では、大好きなセバスちゃんに、そのデスサイズで腹を貫(つらぬ)き通され引っ掻(か)き回されるのと、私に、魂を喰われるどちらがお好みですか??」
「どっちも嫌に決まってるわよ!! 目を覚まして!!セバスちゃん私が、美しいから見る者の心を奪うから言い寄られてしまったのよ!!愛しているのはセバスちゃん貴方だけよ!!」
「グレル貴方の、そのお口を永遠に黙らせる方法で静かにして頂きましょう。」
デスサイズの電源を入れセバスチャンは両手で持ち構え、グレルにデスサイズの尖端(せんたん)を向ける。
「そんな、嫉妬に狂うセバスちゃん貴方なんて…‥ 私は、嬉しいけど間違っているわ!!離してよ!!私の心も躯(からだ)はセバスちゃんただ一人のモノ。」
グレルはじたばたと身体を動かそうとするが、フレイアが背後から、がっちりと抱き抑えて居るので振り切れない。
「どっちも選べないなんて、ダメですよ?? あぁ、心配しないでください。私は忘れ去られる古(いにしえ)の神──── グレル貴方の魂を喰らっても、例えるなら動物で言うと共食いなので、セバスチャンも私も神殺しの大罪(たいざい)には価(あたい)しませんよ。」
「何を言っているのよ?! 正気?? 助けてウィル!!」
「色香(いろか)に血迷い、死神の在(あ)るべき立場を放棄した、死神であるグレル貴方が人間の魂を狩る資格等(など)ありません。坊ちゃんの命令通りに、貴方を狩り坊ちゃんの為にマダムレッドの仇(かたき)を此(この)場で執(と)らさせて頂きます。」
「証人は私です。此(この)場をお見せ出来ないのが、唯一(ゆいつ)の心残りですが、しかと私が見届けましょう。」
「坊ちゃん、坊ちゃんて、どうして大事なのに食べちゃったのよ!! 私は死神派遣協会から仮死状態の魂が、何処(どこ)に在(あ)るか調べる様に言われて異府(いふ)に来ただけよ!!」
「何が、そんなに不服(ふふく)なのですか?? あぁ、冥土(めいど)の土産(みやげ)が、ないから不服(ふふく)なのですね。では、セバスチャンと私の馴(な)れ初(そ)めでもお話ししましょうか??」
「良かったですね、グレル。フレイアの話しを聴きながらではさぞや、楽しく冥土(めいど)へ旅立って逝(ゆ)かれますね。」
「美人薄命(はくめい)て言うけど、お願いだから許して───── 何でも言う事を聞くから、ねぇ、止めてよぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
セバスチャンは優しく微笑を───── デスサイズは無慈悲(むじひ)な、機械音を鳴らしグレルの腹へ…………
フレイアは瞳を閉じグレルの首筋に牙を宛(あて)がう─────
黒執事 StarRingSilver 白薔薇の揺り籠 エピソード19