もぐ菜のみっしり茶匣(はこ)院

ようこそ腐女子の匣喫茶へ お好みのモノをどうぞ、召し上がれ。 日々を書き連ね、妄想をこよなく愛でます

期待してもェェのかな。

2010-05-31 12:00:03 | 腐女子の御伴
鬼畜眼鏡のドラマCD2の今週のカウントダウンボイスは片桐さんでした。蜜月ウフッて事はもしかて、もしかして~ やっぱり片桐さんは純白の和装の花嫁衣装を着て頂きたいですな。

で、眼鏡佐伯さんの事だからそのまま片桐さんを抱きかかえて夫婦布団にダイブ!! そして、隠し撮りでやんすよ!! ε=(/*~▽)/ Mr.Rの旦那どうでしょう??

それと、ジャケ画像も公開されてた人気のある三人がジャケっとですね。それと、各ショップの特典が違うですよ。 もぐ菜はアニ●イトで予約したから御堂さんの書き下ろしミニ色紙。

もぐ菜は某肉食獣の穴の特典が良かったな・゜・(ノД`)・゜・。 片桐さんのイラストブロマイド♪ あぁ、池袋まで行くのに時間と電車賃かかるから地元のアニ●イトで予約したんだ。

御堂さんのミニ色紙は霧島にあげれば良いや。あいつ喜ぶよ。



眼鏡佐伯さん、片桐さんに優しい安心したお。片桐さんを大切に嬉しいな。純情純真純潔だもん片桐さん。

鬼畜妖精がちっと心配(笑)眼鏡佐伯さん、片桐さんの事になるとガチ手加減しないからね。




黒執事S.R.S.白薔薇の花束 後書き@curtain call.

2010-05-28 15:48:52 | 腐女子の御伴
どうも、もぐ菜です。どうでしょ?? お楽しみ頂けましたか?? こうして御祝い出来て嬉しいです。 ガチでアニメ黒執事第二期にセバシエが登場するのか、ほんとうなのか不安なのですがもぐ菜は信じてます。


その噂は前々から流れてて、どうやらそうらしいと聞きましたら居ても立ってもいられなくなりました。だったら、御祝いだお♪

その噂を聞く前に構成してた物語は、エリザベスが主人公で絡めた哀しい内容のものでした。半分までは、ちゃんと構成してたけど噂を聞きましてもぐ菜の考えが変わり中止。

せっかくだから、このセバシエ登場の噂に乗っかりまして今度は喜・楽と言う感情でこの度は黒執事S.R.S.白薔薇の花束を執筆(しっぴつ)したのですよ。

やっぱ楽しいと色々と思い付くものです。大好きなキャラと大騒ぎした様なもんです。もぐ菜は心が折れそうな哀しい物語は書けそうにもない(^-^;) 書いてると自分が哀しくなり心が折れるから無理です。

よく黒執事S.R.S.白薔薇の揺り籠の前半のセバスチャンの感情を書けたと思うよ。胃が痛くなるわ、頭のお味噌がそれに集中してしまい旅行中は眠れなくなるし。



で、話しは変わりますが、シエル坊ちゃんとエリザベスだけ成人して居る設定であとのキャラの年齢はアニメそのままの年齢です。シエル坊ちゃんの声は坂本さんの声で想像してくださいね。エリザベスも同じく。

フレイアがシエル坊ちゃんとメイリンに施(ほど)した魔力は、人間界に一旦(いったん)還(かえ)りましたから年齢をそれ相応に摂(と)る様にしたのです。

異府の者であるシエル坊ちゃんとメイリンは歳を摂(と)らないので、人間界では不都合かなと思いそう設定をカキしました。

だから、サ●エさんルールと同じと思ってね。歳はそのままで挙式(きょしき)騒動のあれからは実際は誰も歳は摂(と)らないよ。

異府に帰(かえ)ればシエル坊ちゃんとメイリンは元の年齢に戻る様になってます。メイリンには追加で、廻りの人間達の記憶改ざんのすり替えの魔力が懸(か)けられてます。

何度もブログでカキしたけど一月のアニメ黒執事のイベントの脚本で、バルドとフィニは二人でお嬢さん達の悩みを聞き解決する仕事をしているとの事でした。

メイリンは一緒ではない??幾ら黒執事大好きな淑女とお嬢さんの為のイベントだからって、メイリンへのフォローがない。 メイリンは何処(どこ)に行ったのよ!! メイリン返せ!!

野郎二人は生存確認出来たから良いけどさ。なので、メイリンはシエル坊ちゃんと一緒に異府(いふ)に居る事にしたんだ。 もぐ菜はメイリン大好きなのだ。可愛いよねメイリン。

メイリンを亡くなったと思った人間が、メイリンを見てるとシエル坊ちゃんと一緒に何処(どこ)かに居たと記憶をすり替える。

それが、一人、二人となり、いつのまにかに生きて居たと記憶はすり替えられ、いつまでも亡くなったと言って居ると廻りの人間から顰蹙(ひんしゅく)を買います。

幾ら劉(ラウ)様が上海(しゃんはい)マフィア青幇(チンパン)の首領(しゅりょう)で、情報網(もう)を使って、メイリンの埋葬(まいそう)を調べても証拠(しょうこ)となる裏付けの情報は得(え)られない。

フレイアが一緒であればフレイアが徐々に人間達に実害のない微量な魔力で記憶改ざんし、すり替えられますがフレイアは異府(いふ)のセバスチャンの居城でお留守番です。


近日中にシエル坊ちゃんの、マナーハウスに遊びに来るらしいから(笑)

記憶改ざんは鬼畜眼鏡の小説でもポツポツと描写(びょうしゃ)してましたが、霧島『フレイアは後(のち)に主従(しゅじゅう)の契約を結んだ御主人様である幼い日本人の少女である夏貴に出会い霧島秋彦と名前を命名される』得意技なので今回細かくカキしてみました。

劉(ラウ)様とドルイット子爵を登場させて嬉しくって浮かれてしまい、ソーマ皇子とアグニさんを出すタイミングを逃してしまいました。文字制限さえなければ・゜・(ノД`)・゜・。


そうそう大切な事を描写(びょうしゃ)しなかった抜け落とし(^-^;)文字制限数で、カキ出来ないので加筆(かひつ)無理そう。エリザベスとポーラを連れ去ったクリフトの使用人達の容姿(ようし)を書いてなかったです。後で思い出したよ。いかにもなザコキャラと想像してくださると助かります。ごめんなさい。

後書きを読んで頂けると、記憶改ざんすり替えは分かると思います。長いのに最後までお付き合い戴きまして、ありがとうございました。

黒執事S.R.S. 白薔薇の花束 the End その執事、留守番

2010-05-28 09:23:59 | 腐女子の御伴
※この小説はアニメ黒執事を基に、二次創作として執筆しております。
一個人の解釈なので、原作やアニメ制作会社、出版社とは一切関係ありません。
その点をご理解いただき、お読み下さる様お願いいたします。







■黒執事S.R.S. 白薔薇の花束 the End その執事、留守番(るすばん)




フレイアは独(ひと)り、セバスチャンの居城で留守番をして居た。

執事と言う職業に就(つ)き、黒に薄く青い燕尾服を着れて楽しいはずなのに…‥

人間ではないので掃除も抜かりなく庭の手入れも、隅々(すみずみ)まで行き届き完璧に留守番を愉(たの)しんで居るが──────

始めはメイリンを人間界であるアッチ側に連れて行かないと、悪魔で友人のセバスチャンが言ったのでメイリンと過ごせると思ったが~


「メイリンは僕のメイドだ。連れて行く。」



シエルの一声で決まり、メイリンを連れて行った。



シエルが始めに馬車乗り次にメイリンが馬車に乗り込みメイリンの手を、名残(なごり)惜し気に手を握りしめたフレイアはこう言った。


「メイリン、もし、貴方(あなた)が心配事があったなら、私をいつでも喚(よ)びなさい。」

「心配事ですだか?? 大丈夫ですだよ、私には坊ちゃんとセバスチャンさんが居るですだ!!バルドとフィニも居るし、心配事はないと思いますだ。」

メイリンは誇らしげにやや照れてて、頬をほんのりと赤らめながらフレイアに言った。


普通なら乙女の告白を聞いて喜ぶのに、悪魔で執事のセバスチャンは涼しい表情で特に何もないと言う反応であった。

「こいつが、無理な時はそうないだろ。」

「えぇ、坊ちゃんが、ごくまれに私の足を引っ張るぐらいでしょう。そうないと思います。では、フレイア留守番を頼みましたよ。」

そうフレイアに言うと、セバスチャンは最後に馬車に乗り込んだ。

「煩(うるさ)い黙れ。」

シエルがムッとするのを見てセバスチャンは堪らないと愛おしいげに瞳を細目、愉悦(ゆえつ)に浸(ひた)った微笑を浮かべた。

馬車の扉が閉まるとセバスチャンの居城の馬車停留場から、三人を乗せた馬車は走り出し去って行った。




悪魔──────── 彼と出会った時にそう一声かけると口元の刃歯(やえば)を、ちらつかせ嬉々(きき)とした笑った。


あの時、私は貴方(あなた)を美麗(びれい)な悪魔と思ったのでした。


付き合いは永いが初めて見てしまった、悪魔で執事で友人の照れた顔なんて!!



フレイアはそう自分で友人と言って居るが、当の本人のセバスチャンはただはた迷惑なだけである。ただ、厄介で面倒臭い相手とセバスチャンに認識されて居る事をフレイアは知らない。

人間で言えば腐れ縁だか悪魔であるセバスチャンには、腐れ縁と言うそんな価値観はない。


毎日毎日、人間の様に掃除と庭の手入れをする必要はないしそれはそれで、異府(いふ)の者でありは古(いに)しえの神ではあるので不便ない。様するに暇を持て余し退屈なだけである。

居城にただ独(ひと)りが、こうもせつないとは。シエル達が居た時は楽しく例えメイリンと主従(しゅじゅう)の契約を、結べなくっても傍に居てくれるだけで華やいだ雰囲気だった。


海で難破(なんぱ)し独(ひと)りぽつりと、誰も知らない無人島(とう)に辿(たど)り着き生きて居る気分である。読書をする気力もなく何をするのも、やり甲斐(がい)が湧かない。

人間であれば、ふて腐れて寝るのが良いが人間の様に、睡眠(すいみん)を摂(と)るのとは異なる。だから尚更(なおさら)、鬱屈(うっつく)が募(つの)った。


フレイアは物置兼(けん)がらくた置場の地下室に、何か楽しい玩具(がんぐ)が無いか物色(ぶっしょく)しに階段を降りて行った。

整理整頓されているので片付けは不要できちんと整然と、収納されておりセバスチャンの性格を窺(うかが)い知りくすりと笑うフレイア。

フレイアはとある物を見つけた。  それは、体格の良い大人の人間が三人が入れそうな頑丈な柩(ひつぎ)だった。

そう言えば、死神二匹がシエルに謝罪をしに来た時に、伝説の死神も付いて来てシエルに置いていった柩(ひつぎ)の形をした極上の眠り心地の特製ベッドと言っていた。

フレイアは興味津々でその特製柩(ひつぎ)ベッドに手で触れる。

(これで遊んで、みましょうかね。)

フレイアはいそいそと準備を始めた。


庭に咲いていた蒼(あお)薔薇を大量に摘み取り、刺(とげ)を丁寧(ていねい)に取り茎(くき)を短く切り地下室へ運び込む。

蒼(あお)薔薇をみっしりと特製柩(ひつぎ)ベッドに敷(し)き詰める。そして自分がその中に入り横たわる。

(あぁ、なんて快適で適度な密着なんでしょう。どれ、蓋(ふた)でも閉めてみますかね。)

蓋を閉じると蒼(あお)薔薇の香(かぐわ)しき匂いが、密閉されフレイアを心地良くさせた。

(これが、人間の言う眠気(ねむけ)?? 夢を観れる??)

フレイアは眠気(ねむけ)を模様(もよう)すが、入眠(にゅうみん)する事はなく結局は夢を観れなかった。

今まで知り得ない、眠気(ねむけ)を堪能(たんのう)しフレイアは満足した。これと、同じ特製柩(ひつぎ)ベッドが欲しくなり、これと同じ物を作ろうとしたが作れずフレイアは困り果てある事を思い付く。


人間界に住む伝説の死神に特製柩(ひつぎ)ベッド作って貰えば良いと思い、メイリンにも会いたくなりフレイアはアッチ側である人間界へ出掛けて行った。





            黒執事S.R.S. 白薔薇の花束 the End

黒執事S.R.S. 白薔薇の花束 その執事、密約(8)

2010-05-28 09:22:35 | 腐女子の御伴
※この小説はアニメ黒執事を基に、二次創作として執筆しております。
一個人の解釈なので、原作やアニメ制作会社、出版社とは一切関係ありません。
その点をご理解いただき、お読み下さる様お願いいたします。





■黒執事S.R.S. 白薔薇の花束 その執事、密約(みつやく) (8)




三人はそう一声言うとシエルに一礼をし、書斎の扉を開け駆け出し去って行く。

「貴方(あなた)達、あれ程に廊下を走るなと言ったはずですよ。」

「りょうかいで~す。」

楽しいそうに走り去る三人を見て、セバスチャンは溜め息をつく。

「元気な証拠(しょうこ)だな。見て居るだけで、退屈(たいくつ)はしない連中なのは変わりない。」

「私は、また少々、先が思いやられますね。と、坊ちゃん、フレイアとの約束をお忘れなく。」

「あぁ、フレイアにより僕とメイリンには強力な魔力が懸(か)けられていて居る事を────── ロンドンが炎上した時に、メイリンが亡くなり葬(ほうむ)られた事の記憶が改ざんされると。それに合わせて、メイリンの埋葬(まいそう)記録を抹消した。」

「フレイアは、そう申してました。そして、坊ちゃんにはエリザベス様と合わせられる様に、魔力が懸(か)けられていらしゃいます。メイリンも同様に坊ちゃんに合わせられてますね。メイリンが埋葬(まいそう)された記憶は徐々(じょじょ)に、廻りの人間達の記憶を改ざんし記憶をすり替えると。坊ちゃんとメイリンは異府(いふ)の者であるので、魔力の拒絶反応はなく強力であっても害はありません。メイリンの遺体(いたい)は共同墓地に埋葬(まいそう)されたので、今さら掘り起こす者もおりません。その事を知って居る者の数は少ないので、数日もすれば廻りの人間達の記憶は完全にすり替えられましょう。」

「僕とメイリンがいつまでコッチ側に居るかは全て、エリザベス次第だな。エリザベスは健康そのものだから長生きするだろ。僕の役目はエリザベスを、見守り最後まで見届ける。それで、コッチ側にフレイアが僕を一時的に還(かえ)らした条件だ。」

「エリザベス様を最後まで、見届けになれたら坊ちゃんとメイリンは、異府に帰ります。その時に元の年齢の幼い容姿に戻られます。メイリンも同じく。」

「あぁ。こうして、青空が見られると思ってなかった。さてと、今後の仕事だっが。」

「坊ちゃんが、どの様に業務をされたいのか。」

「女王の番狗(ばんけん)である必要はない、僕がコッチ側に戻って来たのもエリザベスの為だ。代役の女王には興味はない。僕はファントムハイヴ家の名の元に活(い)きる。玩具も良いが、何をするかなだ。」

「もし、代役の女王からご連絡がありましたら、どうなさいましょうか??」

「ないだろ。僕を、消しに来るかも知れないぞ。」

「その様な事がありましたら、殲滅(せんめつ)させるまです。」

「フレイアがセバスチャンお前に、無駄な殺傷はするなと。場合によっては、許可がおりるか。」

「フレイアは臨時(りんじ)で、坊ちゃんに執事として雇用されて居る身です。主人を危険に晒(さら)す事は良しとしません。」

「そうだな。バルドとフィニがホワイトローズと言う社名で悩める淑女(しゅくじょ)の相談を、聞き解決する業務をしてたはずだ。その業務でも、僕が引き継ぐか??あの二人は僕が還(かえ)って来たら、安心して以前の衣服を着てたし。ホワイトローズは休業するらしいな。」

「本人達はそう思っている様ですが悩める淑女(しゅくじょ)達から、ここ数日頻繁(ひんぱん)に屋敷に問い合わせの電話があります。何せ挙式(きょしき)騒動で、あの二人も大々的に顔と名前が知られてしまいましたからね。」

「あぁ、僕の本業の他に、ホワイトローズを副業にすれば良い。」

「坊ちゃん貴方(あなた)は、ほんと退屈(たいくつ)がお嫌いな方ですね。では、さっそくですが、午後に劉(ラウ)様がお見えになられます。」

「エリザベスも学業に勤(いそ)しみ、以前の様に好き勝手に遊びには来ない。時間なら幾らでもある。劉(ラウ)が、どっちの顔で僕に会いに来るのやら。崑崙(こんろん)の英国支店長としてか、上海(しゃんはい)マフィア青幇(チンパン)の首領(しゅりょう)なのか。僕が不在の間に好き勝手した分の、報酬(ほうしゅう)でも頂いてやろう。奴は、今度どう出るかな。」

「きっとそれを、本日にお出(い)でになられてお決めになられる様です。」

「全ては奴しだいか、僕を良い遊び相手にするか、それとも─────── 」

「それを、お決めになられるのは坊ちゃんです。」

「楽しみだ。僕に、逆らうとどうなるか奴に教えてやろう。」

セバスチャンは跪(ひざま)ずき、シエルに深々と頭(こうべ)を下げ言う。

「yes My Load」





黒執事S.R.S. 白薔薇の花束 the End

黒執事S.R.S. 白薔薇の花束 その執事、帰京(7)

2010-05-28 09:21:58 | 腐女子の御伴
※この小説はアニメ黒執事を基に、二次創作として執筆しております。
一個人の解釈なので、原作やアニメ制作会社、出版社とは一切関係ありません。
その点をご理解いただき、お読み下さる様お願いいたします。






■黒執事S.R.S. 白薔薇の花束 その執事、帰京(ききょう) (7)




それから、数日後の事のシエルのマナーハウス。



シエルは青緑のスーツを着て書斎のデスクチェアーに座り脚を組み、デスクには幾つもの新聞が広げられていた。挙式(きょしき)での騒動を、どの新聞の見出しの一面には大々的に取り沙汰(ざた)され書き上げられた新聞を隈(くま)なくシエルは読んでいた。セバスチャンはシエルの脇に立ち控えて居た。

バルドとフィニは以前と同じ使用人の衣服を着てデスク前に、縮こまりシエルの様子を伺って居る。シエルは溜め息をつき、バルドとフィニに話し出す。


「お前達、幾らなんでもやり過ぎだ。怪我(けが)人が一人も出てないから、不幸中の幸(さいわ)いでそれだけだ。あんな物を撃(う)つし、器物破損だぞ。」

シエルの方を向きセバスチャンは言う。

「坊ちゃん、それを言うなら公共物破壊ですね。」

「どっちでも良い。バルドお前が破壊した物の、賠償金はエリザベスの学友の両親が全額払うと、言って来たから大丈夫だ。」

バルドはそれを聞きシエルに言う。

「なら、一発でなく二、三発撃(う)ち込んでやれば良かったなぁ。あははは。」

セバスチャンは剣(けん)のある、鋭い視線でバルドを睨み名前を呼ぶ。

「バルド。」

「はいはい。」

「破壊の賠償金の話しは終わりだ。フィニの話しを聞こう。」

フィニはそうシエルに言われ、俯いていた顔を上げた。フィニには今にも泣き出しそうな表情で瞳には、大粒の泪(なみだ)を湛(たた)えている。

挙式(きょしき)の騒ぎの後もエリザベスは大学へ以前と変わらず通っていて、ポーラもエリザベスの侍女として生活を送っておりシエルとセバスチャンは帰って来た。


タナカは一度は死んだっがセバスチャンにより幻影として、この世に繋ぎ留(とど)められた事がロンドン炎上後に発覚しタナカはスピアーズに全てを話した。存在しない者は、もう独(ひと)りはメイリンだけ。

泣き声混じりにシエルにフィニは話す。

「坊ちゃん──────── メイリンは…‥」

「あぁ、それでだ今日から、メイドを雇用する。」

バルドとフィニには声を揃えて叫ぶ。

「メイリン以外の、メイドなんて嫌です!!」

続けてバルドは話し出す。

「坊ちゃん、そんなのは、絶対に反対だ!!」

バルドは立腹(りっぷく)な表情で隣のフィニは今にも大泣きしそうな表情である。デスクの前で立って居る二人をシエルは見つめ、不敵(ふてき)に笑い二人に問い掛けた。

「なら、メイドの顔を見てから、雇用をお前達が決めろ??お前達が嫌なら雇用はしない。」

シエルのその問いにバルドは勢いよく返答をする。

「そんなの、当たり前だ。」

セバスチャンはバルドの返答に飽きれバルドに注意をする。

「バルド、口を慎(つつし)みなさい。」


シエルの書斎の扉が五回ノックされた。

「入れ。」

書斎の扉が開き、そこに立って居たのは─────── 何も変わらないメイド服姿のメイリンだった。


「メイリン!!」

二人は同じくメイリンの名を呼んだ。

ただ一つ以前と異なるのは牛乳瓶(びん)の底の様な、ぶ厚いレンズの眼鏡(めがね)をしてないだけであった。その替わりに愛らしい鼻の上にのせてタナカがしていた小さな眼鏡(めがね)と似た同様の、お洒落(しゃれ)な眼鏡(めがね)にチェーンが付いた物を装着していた。

その眼鏡はシエルと共にメイリンが人間界へ行く為にシエルがフレイアに命令し、フレイアがメイリンの為に作った眼鏡(めがね)。

バルドはこの世に存在する事のない、メイリンを見て言葉を無くし立ち尽くす。

「おい、嘘だろ!?」

フィニは喜び叫ぶ。

「メイリンだよね?? 絶対にメイリンだよ。」

フィニに名前を呼ばれ、メイリンは泣き笑いをする表情で二人を見つめ呼んだ。

「フィニ───────」

「メイリン!!」

フィニは走り出しメイリンにしがみつきお互いを抱きしめ合いフィニは泣きじゃくる。

「メイリンは、あの日に──────」

シエルはバルドに問い掛ける。

「バルドお前がそう思うなら、そう思え。何があっても、三人揃ってファントムハイヴ家の、使用人と言ったのをセバスチャンから聞いたぞ??」

メイリンはフィニを抱きしめながら、バルドを見つめる。フィニもバルドの方を向きバルドを呼んだ。

「バルド~ メイリンだよ。」

メイリンとフィニを見つめ、バルドは正面に居るシエルへ向き直る。

「あぁ、何があっても仲間の顔を忘れる訳じゃ、ねぇ───── 坊ちゃん貴方(あなた)は一体どこで何を??」

くるりと座ったままデスクチェアーを回転させ、シエルはバルドに背を向ける。

「ほぉ、今度は主人である僕を疑うのか??主人を信じられない、仲間を信じられないそんな使用人は不要だな。僕は右目を治療して来ただけだ。」

バルドはメイリンに走り寄り、バルドもメイリンを抱きしめた。

シエルは座ったまま、デスクチェアーを回転させ正面を向き直り三人に言う。

「雇用は決まりだな。そうと決まれば、お前達、仕事だ!!」

三人は横一列に並び左手をびっしと額(ひたい)に付け、敬礼のポーズを取り決めてシエルに元気良く返答した。


「いえす~まい ろーど!!」



黒執事S.R.S. 白薔薇の花束 (8)

黒執事S.R.S. 白薔薇の花束 その執事、脱兎(6)

2010-05-28 09:21:19 | 腐女子の御伴
※この小説はアニメ黒執事を基に、二次創作として執筆しております。
一個人の解釈なので、原作やアニメ制作会社、出版社とは一切関係ありません。
その点をご理解いただき、お読み下さる様お願いいたします。





*シエルとエリザベスだけは成人して大人になってますが、他のキャラは以前の年齢のままですので宜しくお願い致しますm(__)m





■黒執事S.R.S. 白薔薇の花束 その執事、脱兎(だっと) (6)


正装の黒の中国服に、きびらやかな刺繍(ししゅう)が施(ほどこ)された正装姿の男性。


シエルとセバスチャンは、見覚えある人物が目の前に現れハッとした。

「お前は、劉(ラウ)!! あの時に─────── 」

劉(ラウ)はいつもの様に、瞳を閉じ楽しげに笑っている。そして劉(ラウ)は瞳を開け、シエルを見つめ話し出す。

「あの時に──────── それを知って居るのは、私と藍猫(ランマオ)に伯爵と執事君だけ。だから、この、伯爵と執事君は、私と同じく本物だよ。また、伯爵と遊べるなんて光栄だね。」

そう言い終えると、劉(ラウ)は瞳を閉じた。

「劉(ラウ)、その詳細をきっちりと、聞かせて貰う。積もる話しは後だ。」

「ああ、私も聞きたい事があるよ。所で、伯爵のお家(うち)て何処(どこ)なの??」

「調べて来い!!」

「こんな御祝いの日に、そんな顔はしちゃダメだよ??伯爵。藍猫(ランマオ)、お出(い)で。」

短い裾(すそ)の大胆な緑のチャイナドレスから、すらりとした美脚をあらわにし藍猫(ランマオ)が劉(ラウ)の背後から現れる。もちろん手には武器を持つ。


「坊ちゃん!!」

「バルドとフィニか。」

二人も挙式(きょしき)に紛れて参加したらしく正装で紺のスーツ姿。バルドは布で包み込んだ細長い筒(つつ)を、やや重たそうにし肩に担ぎ乗せて持っている。

「元気そうだな。お前達後は、頼んだぞ。」

バルドとフィニを見て、シエルはニヤリッといたずらな笑みを浮かべ見つめた。

フィニは叫ぶ。

「坊ちゃん!!早くここから!!」


「あぁ、エリザベス行くぞ。」

シエルは立ち尽くすエリザベスを、抱きかかえ走り出す。とその時に~ ドルイット子爵が廻りの群衆ににこやかに手を振り、進み出て来た。

華奢(きゃしゃ)で背は高く服装は挙式(きょしき)の新郎よりもド派手な衣装で、女性受けする甘い美貌(びぼう)で廻りを圧倒(あっとう)させる。

せつなげに瞳を閉じドルイット子爵は胸に両手を大切な物を守る様に添え、良く通る美声で群衆に話しかける。

「あぁ、これぞ運命の再会と、囚(とら)われた美しき姫君の鮮(あざ)やかなる救出劇!!その僕(しもべ)達は仕える若き皇子(おうじ)の為に、自分達の命さえも惜しまない。皆様、どうぞ、バージンロードを開けてください。この若き皇子と美しき姫君を祝福し未来へ続く道へ、進ませて挙(あ)げましょう。」

ドルイット子爵は両腕を高く広げ群衆に問い掛けるとその呼び掛けに、女性達は歓声を上げると熱い羨望(せんぼう)の眼差しでドルイット子爵を見つめ盛大に拍手をし返答した。

「私もいつの日か、愛する駒鳥(こまどり)に逢える日を───── この狂(くる)おしい胸に抱きしめてしまいたい!!」

ドルイット子伯爵は大切に両腕で、自分自身をせつなげに愛(いと)おしむ様に抱きしめた。

その先頭にはセバスチャンが護衛し、それに続き藍猫(ランマオ)がシエルとエリザベスの行く手を阻む者を食い止める。

フィニとバルドはシエルとエリザベスの背後を護衛し、興味津々でバージンロードに押し寄せる群衆を振り払い道を作る。劉(ラウ)は人垣で空いたバージンロードを悠然(ゆうぜん)と歩き同じく教会の扉の前に辿り着いた。


フィニはシエルに話しかけた。

「坊ちゃん、あの、メイリン…‥」

「あぁ、それは後でだ。お前達を待ってる。」

バルドは細長い筒(つつ)を包み込んだ布を解くと、鋼よりも透き通る一点の曇りがない白銀に輝くバズーカ砲(ほう)だった。

「へへ、いつか、役に立つと思ってな。おらよ。」

バルドはしっかりと耳に狙撃者用の防音ヘッドホンを着用し、バズーカ砲(ほう)の安全装置を解除した。バルドは腰を落としバズーカ砲(ほう)を構えた!!

「坊ちゃん、どうぞ。お乗りください。」

セバスチャンが馬車の扉を開けるとエリザベスとシエルは、馬車に乗りセバスチャンは馬車を走らせた。

劉(ラウ)と藍猫(ランマオ)はバルドとフィニの背後で、その成り行きを見守った。

「坊ちゃんが、帰って来た御祝いだ!! 受け取れよ!!」


バルドがバズーカ砲(ほう)のトリガーに指をかけ、教会内部に先を向けトリガーを引いた!!



バズーカ砲(ほう)の先端は閃光(せんこう)を発し、実弾で高らかに祝砲(しゅくほう)を挙(あ)げた!!!!




教会内部はまばゆく光り祝砲(しゅくほう)の轟音(ごうおん)と、群衆の驚きどよめく声が入り混じった。




「俺らも撤収だぜ!!」

「私も行こうかな。」

藍猫(ランマオ)は劉(ラウ)に尋(たず)ねる

「何処(どこ)へ行く??」

「知らないから、付いて行くだけだよ。藍猫(ランマオ)。」





黒執事S.R.S. 白薔薇の花束 (7)

黒執事S.R.S. 白薔薇の花束 その執事、奪還(5)

2010-05-28 09:20:37 | 腐女子の御伴
※この小説はアニメ黒執事を基に、二次創作として執筆しております。
一個人の解釈なので、原作やアニメ制作会社、出版社とは一切関係ありません。
その点をご理解いただき、お読み下さる様お願いいたします。





*シエルとエリザベスだけは成人して大人になってますが、他のキャラは以前の年齢のままですので宜しくお願い致しますm(__)m




挙式(きょしき)は始まり、神父が祝詞(しゅくじ)を述べる。エリザベスは沸き上がる怒りを堪(こら)えながら、囚(とら)われたポーラを思う。



「新郎と新婦は前に、こちらの婚姻(こんい)証に名前を。」


(助けて、シエル!!)


「どうした?? エリザベス?? 顔色が悪い。」

クリフトが心配げにエリザベスの顔を覗く。

「なんでも、ないわ。」

怒りと哀しみで震える声を押しころし、エリザベスは答えた。

挙式(きょしき)用の白い円形の台に、婚姻(こんい)証とペンが置かれていた。エリザベスはゆっくりと歩き、ペンに手を触れ様としたその瞬間に教会の扉が開かれた。





■黒執事S.R.S. 白薔薇の花束 その執事、奪還(だっかん) (5)





教会内部の群衆はどよめき、扉を開けた人物を見ようと一斉(いっせい)に見た!!



エリザベスも振り返ると、自分と歳の変わらない青年が立ち────────── 見覚えのある優しい微笑を。


「シエル??」

白のワイシャツを着て首元に黒の細いリボンを飾りシルバーグレイの上質な生地で、仕立られた上下のスーツを身に纏(まと)い純白のコートを羽織(はお)って居る。


その姿は幼い時に見たファントムハイヴ家の先代の、シエルの父親の幻影と青年が重なり合う。


「リジー。」

数年ぶりに愛称を呼ばれる、リジーと呼んでいたのはシエルだけだった。そう、呼んで欲しいとねだった。


「遅いよ───────── 」


シエルは祭壇(さいだん)へと真っすぐに敷(し)かれた紅(あか)い絨毯(じゅうたん)の道をゆっくりと進み歩く。

エリザベスは泣き出し、シエルをただ見つめた。

「彼はロンドン炎上の時に、亡くなったはずだ。まさかエリザベスの為に、冥界(めいかい)から復活して来たのか??」

「僕が死んだっと?? 何処(どこ)に遺体(いたい)はあるのか??なら、証拠(しょうこ)を出して見せてみろ。」

「シエル、私はずっと貴方(あなた)を信じてた。」

そう言いながらもエリザベスは、瞳を曇らせ俯き大粒の泪(なみだ)をぽろぽろと流す。

「せっかく逢えたのに、リジー、可愛いレディーがこれでは意味がない。リジー、顔をあげてもっと見つめさせて。」

シエルはエリザベスを両腕で優しく包み込み様に、抱きしめ身体に宿(やど)るお互いの熱を確かめ合う。

「これで、僕だっとやっと分かったはずだな。」

「うん、シエル。」

「なら、ここに居る必要はない。」

どやどやと群衆(ぐんしゅ)を掻き分けて、クリフトの使用人達がシエルとエリザベスを取り囲む。そう、エリザベスとポーラを無理矢理に連れ去った主犯各の男とその男達だった。

黒のタキシード姿のクリフトのその後ろには、何度か顔を合わせた事のあるクリフトの両親とエリザベスの両親。

「エリザベス、心配したよ。ポーラさんに連れ去られたと、聞いてびっくりしたんだ。僕の家の使用人達が君を見つけて保護したと聞いた。体調が悪く挙式(きょしき)当日まで寝てたと、大丈夫かなと思った。」

「何を言うのよ!!ポーラを返して!!」

「ポーラさんが、幾ら君の侍女と言えどもやった事は犯罪だ。挙式(きょしき)が、終わったらスコットランドヤードに引き渡す。」

「私のタウンハウスに侵入し、私とポーラを力づくで連れ去ったクリフト貴方(あなた)の使用人達が犯罪者よ!!」

エリザベスの母親は黒のワンピースを身に纏(まと)い気高く凜(りん)としている。シエルに話しかける。

「お久しぶりですね。シエル。」

「お元気そうで、何よりです。」

「私は貴方(あなた)が帰って、来るとは思ってもませんでした。」

「フランシス叔母(おば)様、後ほどお会いしましょう。」

「えぇ。この非礼を詫びましょう。エリザベス、シエルと共にここから立ち去りなさい。私の眼が節穴(ふしあな)でした。新郎の家の者達が、この様な茶番劇を仕組んだとは。愚か者!!」

「お前達、なんて事をした。僕と両親を騙したな!!」

「金さえ頂ければおさらばだったのに!!お嬢様あんた俺との約束は忘れたか??お嬢様あんたの侍女は──────── 」

「シエル!! ポーラがポーラが!!」

「ポーラは僕の、マナーハウスに保護した。ポーラは無傷だ。」

「ほんとうに、シエルなの??」

「坊ちゃん。」

燕尾服に黒のコートを羽織(はお)ったセバスチャンが素早く、クリフトの使用人達に小型のダガーを急所を外し投げ命中させた。




そして…‥ シエルとセバスチャンも驚く人物が現れた!!





黒執事S.R.S. 白薔薇の花束 (6)

黒執事S.R.S. 白薔薇の花束 その許婚、劇甚(4)

2010-05-28 09:19:58 | 腐女子の御伴
※この小説はアニメ黒執事を基に、二次創作として執筆しております。
一個人の解釈なので、原作やアニメ制作会社、出版社とは一切関係ありません。
その点をご理解いただき、お読み下さる様お願いいたします。






■黒執事S.R.S. 白薔薇の花束 その許婚(いいなずけ)、劇甚(げきじん) (4)




エリザベスとポーラは挙式まで、見知らぬ屋敷の部屋に拘禁(こうきん)されてしまい。バルドとフィニに連絡を、しようとしても成す術(すべ)はなく二人は挙式(きょしき)当日を迎えた。



挙式(きょしき)当日─────── 連れ去った男達の主犯各の男が、エリザベスを迎えに来た。

「おい、今日はお嬢様あんたの、挙式(きょしき)だぞ。」

「何よ!! 挙式(きょしき)なんて行かないわ!!」

「あのなぁ、お嬢様あんたが挙式(きょしき)に参加しないと、お付きの侍女は解放しないぜ??」

「私はお嬢様の為であれば、どうなろうと構いません。」

「ポーラ…‥」

エリザベスは俯き瞳を伏せた。

「ポーラ、私、挙式(きょしき)へ行くわ。自分の力で中止にさせる!!ポーラを絶対に助けに来る!!」

「挙式(きょしき)の会場で公衆(こうしゅう)の目の前で婚姻(こんい)証にお嬢様の名前をきっちりと、サインしたらお付きの侍女をお嬢様に返す。それが、条件だ。下手な真似(まね)をしたら、どうなるか分かってるな??」

「お嬢様、私の事はどうなっても良いです。お嬢様に、お仕かい出来て私は幸せでした。最後までお嬢様を、お守り出来ずに申し訳ございません。」

「嫌だ!!ポーラがずっと居てくれたから、私は
、こうして過ごす事が出来た──────」

「ごちゃごちゃ言うな。来い!!」

エリザベスは無理矢理、男に連れて行かれしまった。

「ポーラ!!」

「お嬢様!!」

扉は閉まり鈍い音と共に、鍵(かぎ)をかけられた。



ポーラはガックリと床に膝をつき泣き出した。




エリザベスは純白の花嫁衣装のドレスを身に纏(まと)い、化粧を済ませ控室に独(ひと)りで椅子に座りただその時を待つ。

いつもは気にもしない時計の針が、動く度に音がし無言の控室に響き渡る。控室にも鍵(かぎ)をかけられ、控室に軟禁されて居る。



扉の向こう側から、にぎやかな会話が聞こえて来て扉がノックされ扉が開いた。

エリザベスは振り向きもせず、ただ横目で楽しげに控室に入室して来た一団を睨む。



「お嬢様あんたの出番だ。」

「ポーラは無事なの??」

「あぁ、お嬢様あんたが、ちゃんと婚姻(こんい)証にサインしてくれたらあの侍女を返す。挙式(きょしき)中に余計なお喋りはするな。一言でも云ったら~ どうなるか言わずとも分かるよな??」

「卑怯者!!絶対に許さない、覚えてなさい!!」

「鳥籠の中のお嬢様あんたに、何を言われても俺達は痛くも痒(かゆ)くもねぇ。さぁ、挙式(きょしき)が始まるから行くぞ。うんな、目頭吊り上げて怒るなよ、可愛いお顔とウェディングドレスが台なしだ。」

「シエル!!ポーラ!!」

「たっく、この世に存在しない許婚(いいなず)なんて忘れて幸せになれよ。死んだ人間なんて、帰って来やしない。」

「私には分かるシエルは、何処(どこ)かで生きて居る。シエル──────── 」

主犯各の男はエリザベスの腕を無理矢理、掴み引っ張り控室から連れて出て行く。



廊下を歩き階段を下り建物の外へ連れ出される。建物の敷地(しきち)内の向こう側に挙式(きょしき)を挙(あ)げる教会が見える。

「あぁ、挙式(きょしき)の参列者がお嬢様あんたを、お出迎えしてる。お嬢様あんたが、教会の扉を開けて、バージンロードを歩けば挙式(きょしき)は始まる。俺達は最後まで、見届けてさせて貰う。余計な事を言うなよ??」

「何度も言われなくっても、分かってるわ!!」

「だったら、さっさと歩け。」

エリザベスは引っ張られた片腕を払い除(の)けると、教会に向かい独(ひと)りで歩き出す。教会の扉までの短い距離が遠く重い…‥ 足枷(あしかせ)を付けられ、重(おも)りを引きずる様に感じた。

教会の扉の前に立って居た女性は手に持っていたウェディングブーケを、にこやかに笑いエリザベスに手渡した。ウェディングブーケには、純白の薔薇と白百合(ゆり)が束(たば)ねられている。


(シエルが大好きな、白薔薇────── StarRingSilverて言うんだよね。シエルが教えてくれたから、忘れてないよ。)

「エリザベス様、おめでとうございます。さぁ、中へ、お入りくださいませ。」

エリザベスは泪(なみだ)をぐっとこられ無言で、女性からウェディングブーケを受け取ると扉が開かれた。

教会には群衆(ぐんしゅ)がおり、拍手と歓声でエリザベスを出迎える。オーケストラボックスがあるらしく、ウェディングマーチが演奏される。

いざ、歩こうとすると足が震え動けない…… エリザベスは自分を言い聞かせ、足枷(あしかせ)を振り払う様に一歩づつ歩く。

正面の祭壇には神父と新郎(しんろう)である、クリフトがエリザベスを待って居た。

クリフトは背が高く、黒髪で穏やかな青年でエリザベスを特別扱いせず好感を感じたが──────── 好感と婚約は別である。




エリザベスは絶望の中へ、ただ突き進む。





黒執事S.R.S. 白薔薇の花束 (5)