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加藤圭女流初段について

2020-06-30 09:50:03 | 将棋
「見る将」の自分は日々棋戦の結果や内容をチェックを欠かない。
最近とても気になる棋士は女流棋士が加藤圭女流初段だ。

まずは加藤圭女流の簡単な系譜をウィキペディア等を用いて超簡単に時系列でまとめる。

1991年8月21日生まれ 御年28歳

2001年 10歳 小学4年生 将棋を始める。1年ほどでアマチュア四段クラスになり熱が冷める
2010年 18歳 川村学園女子大学入学。
2014年 22歳 川村学園女子大学大学院入学。将棋を再開。
2015年 24歳 第47期女流アマ名人戦3位入賞
2015年 24歳 第8回女流アマ王位戦・関東大会準優勝 加瀬純一七段(のちの師匠)の将棋教室に通いだす。
2016年 24歳 川村学園女子大学院卒業。 8月に関東研修会に入会
2017年 26歳 10月8日、 C1昇格を果たし女流3級になる資格を獲得
2018年 26歳 2月1日 女流3級、女流棋士へ(女流まで実質棋歴5年前後)
2018年 26歳 第4回YAMADA女流チャレンジ。ベスト4進出で女流2級へ。正式な女流棋士へ
2019年 28歳 第31期女流王位戦。女流王位戦予選決勝進出を果たし女流1級へ
2020年 28歳 女流名人戦予選突破予選突破で女流初段
       
棋戦別成績
◎清麗戦   第 2期【予選】〇水町〇北尾〇加藤結●石本〇長谷川●中村真→敗退
◎女流名人戦 第46期【予選】〇塚田〇頼本〇藤田〇水町 
           【本戦】〇渡部〇山根〇上田_室谷_千葉_香川_伊藤_鈴木_加桃 進行中
◎マイナビ  第13期【予選】●和田アマ →敗退
◎女流王座  第10期【予選】●和田 →敗退
◎女流王位  第31期【予選】〇中倉〇上田●中井→敗退
◎女流王将  第42期【予選】〇伊奈川●中井→敗退
◎倉敷藤花  第28期【予選】〇鈴木〇千葉_渡部→進行中

特筆点
将棋歴1年でアマチュア四段
実質将棋歴5年程で女流棋士の資格獲得
実質将棋歴7年程で女流名人リーグ入りで3連勝中

将棋歴1年でアマチュア四段らしいけど、これって相当すごいことだと思う。
例えばこちらの元奨励会経験した先生のブログによると

奨励会6級はアマチュア四段レベル
元奨励会員が語る奨励会ってこんなところ
奨励会6級はアマチュア三~四段レベルだが五当四落という言葉も
奨励会入会のための棋力はどのくらい?奨励会員は一番下の6級でもすごい!

加藤圭女流は小学4年生でネット将棋を徹底的にやりこんで奨励会に入れるか入れないかの
レベルまでもっていったということだ。実際この時奨励会目指したとしてもいろんな段階を踏まないと
いけないから将棋歴1年で奨励会へ・・とはならなかったでしょうが、ほぼ独学であることも
総合的に勘案すると突出した能力があるのは想像できる。

また本格稼働が大人になってからの異色な存在故に、比較対象がそもそもいない。
ただあえて引っ張ってくれば女流トップの里見女流四冠は5歳で将棋を初めて12歳6か月で女流棋士(実質7年~8年)
10歳、22歳~26歳の5年間と5歳~12歳の7年間の密度や内容は全く違うものではあるにせよ
実働年数だけ考えれば驚異的だと思う。

女流になってからいきなりトップクラスの強さかといえばそうでもないが、
直近の成長力は目覚ましいものがある。

プロ1年目 2018年度  8勝10敗
プロ2年目 2019年度 13勝 7敗
プロ3年目 2020年度  4勝 1敗

さらに自分が驚いたのが女流名人リーグ入ってから
上田・渡部のトップクラス女流を下したことだ。

女流棋士の場合は若手がトップクラスを破るのは相当な実力者じゃないと難しい「壁」がある。
この理由は本当に言葉悪くて恐縮ですが、女流棋士は「ガチ勢力」と「そうじゃない勢力」
がはっきり存在しているから。
無論「そうじゃない勢力」を貶しているわけではない。そもそも多くの女流は普通の棋士と違って
食っていくのが困難なリアルな実態がある。単純明快。棋戦による収入がたかが知れているからだ。
多くの女流が聞き手や将棋教室に普及の仕事やユーチューバー業が重心的になってしまうのは
ある意味しょうがない。将棋一本で食っていける女流は里見さん当たりのトップクラスを
除けばほとんど難しいが実情でしょう。

(男性)棋士はその分将棋に集中できる下地はある。順位戦に参加しているだけで大きくこまらない
収入があるし普及や解説の仕事も入ればまず困らない(フリークラス一本だとちっと難しそうだけど・・)
それゆえ多くの棋士は安定的な収入をベースのもと将棋研究に集中でき、若手や格下がトッププロを破ることは割と多くある話。
逆に多くの女流棋士はそれが難しい。「ガチ勢」になるにはそれなりの覚悟と環境が求められると思うから。

それゆえ将棋研究に時間を割けない並みの女流が「ガチ勢」に勝つのは相当難しいということになる。
加藤圭女流は上田(2回)・渡部の「ガチ勢」2人を破っていることを考えると文句なしの「ガチ勢」だと思う。現在進行形で相当将棋に取り組んでいることが伺える。
臨床心理士の道をあえて絶って22歳の超遅れて女流の道を志した気概さを感じる。

今後の女流名人戦も手ごわい相手ばかりで、いきなり女流名人挑戦までは難しいだろうが
この勢いはどうしても期待してしまいます。
特に加藤桃子・伊藤紗江女流を下したらさすがに腰ぬかします。
このお二方は女流トップ3にはいる実力者ですからね・・。