オタクで、手っ取り早くイメージできるのは「電車男」だけど
実際には、見た目がいかにもというオタクは、
普通に暮らしているとなかなかお目にかかれない。
だからオタクを見たくて行ってきた。
(動物園じゃないんだけどね)
キサラギでは
全員が喪服という最も社会的な服装で集まったから、
(途中で塚地の安男も洋服の青山で買ってきた)、
それが逆に、オタクさを際立たせた。
あれが電車男のファッションだったらぜんぜん面白くない。
そう、喪服にも意味がある。
自殺したアイドル如月ミキの一周忌に、ファンサイトを通じて5人が集まる。
家元(小栗旬)、オダ・ユージ(ユースケ・サンタマリア)、
スネーク(小出恵介)、安男(塚地武雅)、いちご娘(香川照之)だ。
思い出話でもするつもりが、「彼女は自殺じゃない」という言葉から、
密室での犯人探しが始まる。
さっきまで犯人扱いされていたひとりが、
数分後には立場が逆転している展開の速さがとにかく楽しい。
オタクは、しあわせだ。あそこまで熱くなり、
あそこまで打ち込めるものが人生にあるって、羨ましいっすよ。
全員が納得できる結論に収束したあと、
ホームスター(部屋で天井に星空を映すあれです)を見ながら
それぞれが如月ミキの思い出に浸る。
来年もと呼びかける家元に、
もういいじゃないですか、というオダ・ユージ。
私が妙に納得したのは、
そんなに熱くなり、そんなに打ち込んでも、
所詮は自分の世界のことで、
如月ミキも自分の中の如月ミキ、他人と共有する気はないというところ。
ああ、これがオタクのオタクたるゆえんだ。
いいモノを見たなって気分。
喪服の男たちが、如月ミキの歌に合わせて踊るのは、
なんだか嬉しくなるエンディングでした。
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