新潟女児殺害、小林被告に無期懲役判決 新潟地裁
新潟市西区で小学2年の女児=当時(7)=が殺害された事件の裁判員裁判で、殺人や強制わいせつ致死などの罪に問われた小林遼被告(25)に新潟地裁(山崎威裁判長)が4日、無期懲役(求刑死刑)を言い渡した。検察側が「まれにみる悪逆非道な犯行」と死刑を求刑したのに対し、弁護側は「傷害致死罪にあたり、長くても懲役10年」と主張していた。
起訴状によると、小林被告は昨年5月7日、新潟市西区の路上で、女児に軽乗用車をぶつけて車に乗せ、駐車場に止めた車内でわいせつな行為をした上、首を絞め殺害、遺体をJR越後線の線路に放置し列車にひかせて損壊するなどしたとしている。
これまでの公判では、殺意の有無や強制わいせつ致死罪の成否が主な争点となった。検察側は「女児の首を5分以上絞めた」という小林被告の捜査段階の供述や解剖医の証言などで追及。「自分の性的欲望を優先し、被害者を物としてしか見ていない」と非難した。
一方、弁護側は「6、7割の力で絞めた」「気絶させようとしただけだ」と反論。計画性はなく、精神的な障害の影響も考えられるなどとして傷害致死罪の適用を求めていた。
小林被告本人は、犯行を認めた捜査段階の供述を翻し、「事件をほとんど覚えていない」「取調官に話を合わせた」と繰り返していた。
小林被告は殺人と強制わいせつ致死のほかに、死体遺棄や死体損壊、わいせつ目的略取など計7つの罪で起訴された。この公判では、犠牲者が1人の殺人事件で極刑が判断されるかどうかが注目されていた。
起訴状によると、小林被告は昨年5月7日、新潟市西区の路上で、女児に軽乗用車をぶつけて車に乗せ、駐車場に止めた車内でわいせつな行為をした上、首を絞め殺害、遺体をJR越後線の線路に放置し列車にひかせて損壊するなどしたとしている。
これまでの公判では、殺意の有無や強制わいせつ致死罪の成否が主な争点となった。検察側は「女児の首を5分以上絞めた」という小林被告の捜査段階の供述や解剖医の証言などで追及。「自分の性的欲望を優先し、被害者を物としてしか見ていない」と非難した。
一方、弁護側は「6、7割の力で絞めた」「気絶させようとしただけだ」と反論。計画性はなく、精神的な障害の影響も考えられるなどとして傷害致死罪の適用を求めていた。
小林被告本人は、犯行を認めた捜査段階の供述を翻し、「事件をほとんど覚えていない」「取調官に話を合わせた」と繰り返していた。
小林被告は殺人と強制わいせつ致死のほかに、死体遺棄や死体損壊、わいせつ目的略取など計7つの罪で起訴された。この公判では、犠牲者が1人の殺人事件で極刑が判断されるかどうかが注目されていた。
(2019年12月4日 産経新聞)
新潟市女児殺害事件 被告に無期懲役
去年,新潟市西区で起きた当時小学2年生の女子児童が殺害された事件の裁判で、新潟地裁は殺人などの罪に問われた小林遼被告(25)に対し、無期懲役の判決を言い渡しました。
検察が死刑を求刑した一方、小林被告は殺意を否認するなどしていて、弁護側は懲役10年が相当と情状酌量を求めていました。
(2019年12月4日 UX新潟テレビ2)
去年,新潟市西区で起きた当時小学2年生の女子児童が殺害された事件の裁判で、新潟地裁は殺人などの罪に問われた小林遼被告(25)に対し、無期懲役の判決を言い渡しました。
検察が死刑を求刑した一方、小林被告は殺意を否認するなどしていて、弁護側は懲役10年が相当と情状酌量を求めていました。
(2019年12月4日 UX新潟テレビ2)
「死刑」焦点に4日判決 新潟小2女児殺害 裁判員の判断も注目
新潟市西区で昨年5月、下校途中の小学2年の女児(当時7歳)を首を絞めて殺害し、遺体を線路に遺棄したとして、殺人など七つの罪に問われた小林遼(はるか)被告(25)の裁判員裁判の判決が4日、新潟地裁(山崎威裁判長)で言い渡される。検察側は死刑を求刑、弁護側は懲役10年を主張。被害者が1人の事件で死刑判決が出されるかどうかに注目が集まる。
起訴された七つの罪のうち、争点は、殺意の有無▽わいせつ行為の有無電車の往来に危険があったか否か―…
(毎日新聞2019年12月3日 )
新潟小2女子殺人 小林遼被告のスマホに残るおぞましい検索ワード
小林被告が問われているのはAさん殺人罪に加え、同じくAさんに対するわいせつ略取、強制わいせつ致死、そして死体損壊、死体遺棄、電汽車危険往来の罪。そして2017年に別の女児の児童ポルノ動画を所持したという児童ポルノ禁止法違反。昨年の逮捕時の報道では知り得なかった、おぞましい犯行の詳細がこの日、法廷で明かされた。
逮捕当時と変わらぬふっくらした体型に黒いスーツを着用し、少し伸びた坊主頭で法廷に現れた小林被告は「えー、いま無職ですけど、逮捕当時は会社員でした」と人定質問にはっきりと答えたのち、罪状認否で同じくはきはきとこう述べた。
「児童ポルノについては間違いありません。わいせつ略取と強制わいせつ致死については、現場でわいせつな行為はしておりません。首絞めたことは間違いないですが、静かにしてもらうためであり、殺意はありませんでした。電汽車往来危険については、自分の行為が往来の危険、あったかどうかわかりません。以上です」
弁護人もこれを受け、強制わいせつ致死と電汽車往来危険の罪は成立せず、また殺人罪ではなく傷害致死罪にあたると主張した。
事件が起こったのは2018年。ゴールデンウィークが明けた5月7日月曜日のことだ。この日の新潟市は雨が降っていた。起訴状によれば小林被告は同日15時20分ごろ、同市西区において運転中の軽自動車を、下校中のAさんの臀部に後ろから衝突させた。転倒したAさんを抱きかかえ軽自動車の後部座席に乗せたのち、その頸部を圧迫して気絶させ、車を発進。15時28分ごろから59分ごろまでの間、同区の通称『なぎさのふれあい広場』駐車場にて、Aさんの下半身に触れ、わいせつ行為に及ぶ。意識を取り戻したAさんの頸部を約5分以上にわたり圧迫して殺害した。その後22時25分ごろ、JR東日本越後線の線路内にAさんの遺体を遺棄。5分後に走行した電車にその遺体を轢過させ、頸部を切断させたとされる。
先に触れた罪状認否の通り、小林被告は生前のAさんへのわいせつ行為及び、殺意は否認している。特に殺意に関しては弁護側冒頭陳述において「ネットで知り合った未成年とセックスした際に、求められて首を絞めたところ、気絶したことがある」ことと、Aさんを軽自動車で撥ねて連れ去る際に首を絞めて気絶させたことから、『なぎさのふれあい広場』での首絞め行為も「黙らせるため気絶させようと首を絞めた」だけであると主張した。それに関連し「わいせつ行為をしたいと思っていたが、(その時点ではまだ)行為には及んでおらず、それゆえ殺害の動機はない」と生前のわいせつ行為も否定していた。〝生きているAさんへのわいせつ行為が目的だったので殺害するはずはない〟いう論法であろうか。
だが、被告人側も否定していないのが、Aさんへの死後のわいせつ行為である。16時ごろ、Aさんが帰宅しないことを心配した親や学校が、捜索を始め、警察に捜索願が出された。その頃、小林被告は、
「性欲がおさまらず、アダルトショップに立ち寄りローションを購入した。その後、Aさんの遺体が死後硬直していることを認識。お湯であたためれば弛緩して死後硬直を解き、わいせつ行為ができるのではないかと考え、18時30分ごろ一旦自宅に戻った。水筒にお湯を詰め、再び車を発進させる。19時ごろ、通称『たこ公園』駐車場に停めた車の後部座席において、お湯でAさんの下半身をあたためわいせつ行為に及んだ」(検察側冒頭陳述)
さらに弁護側の冒頭陳述によれば「その後、運転席に戻り自慰行為をした」という。
事件当日の朝、小林被告は起きてすぐに無断欠勤を決めた。そして6時55分、スマホのグーグルアカウントからログアウト。その後事件直前まで、女児を物色しながら車を走行させていた。検察側はこのログアウト操作について「位置情報を記録されることを防ぐため」と冒頭陳述で指摘している。
小林被告のスマホのブラウザ検索履歴も、証拠として採用された。
殺害後にわいせつ行為に及んだのち「死体処理」「死体博物館」「女体博物館」などのワードで検索。20時ごろに「女体 死体 恋愛 ネクロフィリア」。21時過ぎから22時前にかけては、「セックス 年齢」「セックス 可能 年齢」「死体 線路 飛び込み」「線路 監視カメラ」というワードで検索していた。
このあと、小林被告は線路にAさんの遺体を遺棄した。
検察官冒頭陳述によれば、Aさんは小林被告の運転する車に撥ねられ、車内に連れ込まれたとき「頭が痛い、お母さんに連絡したい」と泣いたという。また「後部座席に横たえたAさんにわいせつ行為を行なっていると、Aさんは意識を取り戻し、大声で泣いた」ため、首を絞めたという。
「犯行翌日、事件の痕跡を消すため、軽自動車を掃除したうえ、フロアマットを洗浄。はいていたズボンを洗濯し、スマホの使用履歴も消去した」(検察側冒頭陳述)
2018年5月14日に逮捕されたが、なんとその2日前には、出会い系サイトで知り合った女子児童に対して「金を払うからセックスしよう」と持ちかけていたという。弁護側は小林被告が性嗜好障害などを抱えていたとも主張しており、のちの審理で精神科医の証人尋問も予定されている。
子供の未来を、自身の欲望のために奪い、その遺体も傷つけた。そのうえ犯行後も女子児童との性行為目的で出会い系に勤しんでいた小林被告に対する判決は、12月4日に言い渡される見込みだ。
逮捕当時と変わらぬふっくらした体型に黒いスーツを着用し、少し伸びた坊主頭で法廷に現れた小林被告は「えー、いま無職ですけど、逮捕当時は会社員でした」と人定質問にはっきりと答えたのち、罪状認否で同じくはきはきとこう述べた。
「児童ポルノについては間違いありません。わいせつ略取と強制わいせつ致死については、現場でわいせつな行為はしておりません。首絞めたことは間違いないですが、静かにしてもらうためであり、殺意はありませんでした。電汽車往来危険については、自分の行為が往来の危険、あったかどうかわかりません。以上です」
弁護人もこれを受け、強制わいせつ致死と電汽車往来危険の罪は成立せず、また殺人罪ではなく傷害致死罪にあたると主張した。
事件が起こったのは2018年。ゴールデンウィークが明けた5月7日月曜日のことだ。この日の新潟市は雨が降っていた。起訴状によれば小林被告は同日15時20分ごろ、同市西区において運転中の軽自動車を、下校中のAさんの臀部に後ろから衝突させた。転倒したAさんを抱きかかえ軽自動車の後部座席に乗せたのち、その頸部を圧迫して気絶させ、車を発進。15時28分ごろから59分ごろまでの間、同区の通称『なぎさのふれあい広場』駐車場にて、Aさんの下半身に触れ、わいせつ行為に及ぶ。意識を取り戻したAさんの頸部を約5分以上にわたり圧迫して殺害した。その後22時25分ごろ、JR東日本越後線の線路内にAさんの遺体を遺棄。5分後に走行した電車にその遺体を轢過させ、頸部を切断させたとされる。
先に触れた罪状認否の通り、小林被告は生前のAさんへのわいせつ行為及び、殺意は否認している。特に殺意に関しては弁護側冒頭陳述において「ネットで知り合った未成年とセックスした際に、求められて首を絞めたところ、気絶したことがある」ことと、Aさんを軽自動車で撥ねて連れ去る際に首を絞めて気絶させたことから、『なぎさのふれあい広場』での首絞め行為も「黙らせるため気絶させようと首を絞めた」だけであると主張した。それに関連し「わいせつ行為をしたいと思っていたが、(その時点ではまだ)行為には及んでおらず、それゆえ殺害の動機はない」と生前のわいせつ行為も否定していた。〝生きているAさんへのわいせつ行為が目的だったので殺害するはずはない〟いう論法であろうか。
だが、被告人側も否定していないのが、Aさんへの死後のわいせつ行為である。16時ごろ、Aさんが帰宅しないことを心配した親や学校が、捜索を始め、警察に捜索願が出された。その頃、小林被告は、
「性欲がおさまらず、アダルトショップに立ち寄りローションを購入した。その後、Aさんの遺体が死後硬直していることを認識。お湯であたためれば弛緩して死後硬直を解き、わいせつ行為ができるのではないかと考え、18時30分ごろ一旦自宅に戻った。水筒にお湯を詰め、再び車を発進させる。19時ごろ、通称『たこ公園』駐車場に停めた車の後部座席において、お湯でAさんの下半身をあたためわいせつ行為に及んだ」(検察側冒頭陳述)
さらに弁護側の冒頭陳述によれば「その後、運転席に戻り自慰行為をした」という。
事件当日の朝、小林被告は起きてすぐに無断欠勤を決めた。そして6時55分、スマホのグーグルアカウントからログアウト。その後事件直前まで、女児を物色しながら車を走行させていた。検察側はこのログアウト操作について「位置情報を記録されることを防ぐため」と冒頭陳述で指摘している。
小林被告のスマホのブラウザ検索履歴も、証拠として採用された。
殺害後にわいせつ行為に及んだのち「死体処理」「死体博物館」「女体博物館」などのワードで検索。20時ごろに「女体 死体 恋愛 ネクロフィリア」。21時過ぎから22時前にかけては、「セックス 年齢」「セックス 可能 年齢」「死体 線路 飛び込み」「線路 監視カメラ」というワードで検索していた。
このあと、小林被告は線路にAさんの遺体を遺棄した。
検察官冒頭陳述によれば、Aさんは小林被告の運転する車に撥ねられ、車内に連れ込まれたとき「頭が痛い、お母さんに連絡したい」と泣いたという。また「後部座席に横たえたAさんにわいせつ行為を行なっていると、Aさんは意識を取り戻し、大声で泣いた」ため、首を絞めたという。
「犯行翌日、事件の痕跡を消すため、軽自動車を掃除したうえ、フロアマットを洗浄。はいていたズボンを洗濯し、スマホの使用履歴も消去した」(検察側冒頭陳述)
2018年5月14日に逮捕されたが、なんとその2日前には、出会い系サイトで知り合った女子児童に対して「金を払うからセックスしよう」と持ちかけていたという。弁護側は小林被告が性嗜好障害などを抱えていたとも主張しており、のちの審理で精神科医の証人尋問も予定されている。
子供の未来を、自身の欲望のために奪い、その遺体も傷つけた。そのうえ犯行後も女子児童との性行為目的で出会い系に勤しんでいた小林被告に対する判決は、12月4日に言い渡される見込みだ。
(2019年11月09日 FRIDAY)
新潟女児殺害事件 25歳被告 きょう判決
2018年5月、新潟市で小学2年生の女の子を殺害し、線路に遺体を遺棄したとして殺人などの罪に問われている25歳の被告に、4日、新潟地方裁判所で判決が言い渡されます。裁判所が検察の求刑どおり死刑を言い渡すかどうかが焦点です。
新潟市西区の小林遼被告(25)は、去年5月、小学2年生の女の子(当時7歳)を車ではねて連れ去り、わいせつな行為をしたうえ、首を絞めて殺害し、線路に遺体を遺棄したとして殺人などの罪に問われています
裁判では、被告に殺意があったかなどが争点となり、検察は「被告は捜査段階で5分以上首を絞めたことを認めている。まれにみる非道な犯行で結果は重大であり生命軽視の度合いは甚だしい」として、死刑を求刑しました。
これに対し弁護側は「女の子を気絶させる目的で、殺害は意図しておらず犯行はずさんで計画性はなかった」などと述べ、殺人罪ではなく傷害致死罪にあたるとして、重くても懲役10年の刑が妥当だと主張しています。
これまで幼い子どもが殺害された事件で死刑が求刑されたケースでは、被害者が1人でも裁判員裁判の1審で死刑が言い渡された例がある一方、無期懲役になった例もあり、判断が分かれています。
判決は、4日午後3時から新潟地方裁判所で言い渡される予定で、裁判所が検察の求刑どおり死刑を言い渡すかどうかが焦点です。
事件が起きたのは去年5月7日。
新潟市で小学2年生の女の子の母親から、「娘が帰ってこない」と学校に連絡がありました。
女の子は午後3時すぎに学校を出て、途中まで友人と一緒に下校していましたが、自宅近くを1人で歩いている姿が目撃されたのを最後に行方がわからなくなりました。
そしてその日の午後10時半ごろ、近くのJRの線路内で電車にはねられ、遺体で見つかりました。
当初は事故と見られていましたが、警察が遺体を詳しく調べた結果死因は窒息死でした。
このため警察は何者かが女の子を殺害したあと、線路に遺体を遺棄したとみて、捜査を進めました。
その結果、事件の前後に現場周辺を走行していた不審な車の捜査などから、発生から1週間後、現場近くに住んでいた小林被告を遺体を遺棄した疑いなどで逮捕しました。
その後、被告は殺人などの罪で起訴されました。
検察はこれまでの裁判で、主な争点となった被告の殺意について「首を絞める行為は、人を殺害する典型的な行為であり、被告は捜査段階で体感的に5分以上首を絞めたことを認めている。殺意を持って首を圧迫したことは明らかだ」と述べて、明確に殺意があったと主張しています
被告が殺意を否認していることについては、「時速20キロから30キロで車を背後から衝突させるなど、それ自体で死亡させる危険性のある行為をちゅうちょなく選択できる被告が、あえて死亡させないように首を絞めたとはとうてい考えられない。『殺意はなかった』という弁解は、自己保身のためで全く信用できない」と述べています。
また、計画性については、「下校時間を狙って女の子を物色し1人でいた被害者を襲って、遺体を電車にひかせた凄惨(せいさん)の極みの犯行だ。やめる、引き返すという判断ができたにも関わらず、あえて犯行を選択し、一貫して被害者を物としか見ていない生命軽視の姿勢は極めて顕著だ」としています。
さらに、「裁判でも『覚えていない』などと繰り返して自分に不利な事柄についてはあいまいな供述に終始し、自分が犯した犯行に正面から向き合う態度は一切なく、立ち直る可能性はないと言ってもいい」としたうえで、「まれに見る悪逆非道な犯行で結果は重大であり、生命軽視の度合いは甚だしく大きい。慎重に死刑がやむを得ないかを判断した結果、回避すべき事情はない」として死刑を求刑しました。
弁護側はこれまでの裁判で、主な争点となった被告の殺意について、「被告は過去に人の首を絞めて気絶させた経験があり人が死ぬ危険性が高い行為とは認識していなかったし、人を殺そうと思っていなかった。女の子の声や抵抗がなくなった時点で首を絞めるのをやめたと裁判でも述べている」として殺人罪は成立せず、傷害致死罪にあたると主張しています。
動機については、「女の子を偶然見かけて連れ去ることを決意し、車をぶつけることをとっさに考えついた。線路への遺体の遺棄などについても『手っとり早いと思ったから』と法廷で述べたが、被告自身もなぜこういう気持ちになったかはっきりした動機がわかっていない」としたうえで、「連れ去るための道具を準備していないなど計画性はなく、周辺の防犯カメラにも写っているなど犯行は場当たり的でずさんだ」と述べました。
また、「急に物事に無関心になるなどの犯行に影響した精神的な障害について治療を受ける意思があり、両親が支援を約束している。被告には刑罰ではなくむしろ治療が必要だ」と述べて、前科がないことや謝罪のことばを述べていること、事件当時23歳と若く、更生の可能性が高いことなどを挙げ、重くても懲役10年の刑が妥当だと主張しています。
(2019年12月4日 NHK)
新潟女児殺害 被告の男に死刑求刑
去年5月、新潟市で小学2年生の女の子を殺害し、線路に遺体を遺棄したとして殺人などの罪に問われている被告の裁判で、検察は「まれにみる非道な犯行で生命軽視の度合いは甚だしい」などとして被告に死刑を求刑しました。
新潟市西区の小林遼被告(25)は去年5月、小学2年生の女の子(当時7)を車ではねて連れ去り、わいせつな行為をしたうえ首を絞めて殺害し、線路に遺体を遺棄したとして殺人などの罪に問われています。
22日、新潟地方裁判所で開かれた裁判で、検察は「被告は捜査段階で5分以上首を絞めたことを認めていて救命措置も取っていない。車を背後から衝突させるなど、それ自体で死亡させる危険のある行為をちゅうちょなく選択できる被告が、あえて死亡させないように首を絞めたとは、とうてい考えられない。『殺意はなかった』という弁解は自己保身のためで、全く信用できない」と指摘しました。
そのうえで「みずからの犯行に正面から向き合おうとする態度は一切なく、更生の可能性はないと言ってもいい。まれにみる非道な犯行で、結果は重大であり生命軽視の度合いは甚だしい」として死刑を求刑しました。
一方、弁護側は「被告は人の首を絞めると気絶するということを過去に経験していて、人が死ぬ危険な行為という認識はなかった。女の子を気絶させる目的で殺害は意図しておらず、犯行はずさんで計画性はなかった」などと述べ、殺人罪ではなく傷害致死罪にあたると主張し、長くても懲役10年の刑が相当だとしました。
最後に被告は、お互いの姿が見えないように遮蔽板が設けられた法廷の中で遺族に対し「自分の身勝手な行いで娘さんを死なせてしまい申し訳ありません。これから可能なかぎりの行動をして正しい心を手に入れ、十分に苦しみ罪をつぐなっていこうと思っています」と述べ謝罪しました。
裁判は、22日ですべての審理が終わり、判決は来月4日に言い渡されます。
22日の裁判では、傍聴席から見えないよう遮蔽板が設けられ、女の子の父親が意見を述べました。
父親は「私たち家族は死刑以外ありえないと考えている。被告が死刑になっても娘は帰ってくることはなく、私たちの気持ちが癒えることはない。娘といちばん長い時間を過ごした妻は、娘の死を受け止めきれておらず、毎朝起きると娘が隣にいないか確認し、食事は毎食、娘の分も作っている。娘が成長し学校生活を送ったり、結婚したりして大人になっていくのが見たかった。被告が死刑にならないと納得できない」と述べました。
そして「抽象的な『小学2年生の女の子』が殺されたのではなく、具体的な『私の頑張り屋でかけがえのない娘』を亡きものにした被告に、どのような刑がふさわしいかを考えてほしい。更生の意欲のない被告が、社会に戻る可能性を残していいのか。将来、皆様の隣に引っ越してきていいのかを考えていただきたい」と、裁判官と裁判員に語りかけるように訴えていました。
検察は22日の論告で、被告の殺意について「首を絞める行為は、人を殺害する典型的な行為であり、被告は捜査段階で体感的に5分以上首を絞めたことを認めていて、殺意を持って首を圧迫したことは明らかだ」と指摘しました。
また「時速20キロから30キロで、車を背後から衝突させるなど、それ自体で死亡させる危険性のある行為をちゅうちょなく選択できる被告が、あえて死亡させないように首を絞めたとはとうてい考えられない。『殺意はなかった』という弁解は自己保身のためで全く信用できない」と指摘しました。
そして「下校時間をねらって女の子を物色し、1人でいた被害者を襲って遺体を電車にひかせた凄惨(せいさん)の極みの犯行だ。やめる、引き返すという判断ができたにもかかわらず、あえて犯行を選択し、一貫して被害者を物としか見ていない生命軽視の姿勢は極めて顕著だ」と述べました。
そのうえで「裁判でも『覚えていない』『記憶がはっきりしない』と繰り返すなど、自分に不利な事柄については、あいまいな供述に終始し反省の態度はない。自分の犯行に正面から向き合おうとする態度は一切なく、更生の可能性はないと言ってもいい」と指摘しました。
そして最後に「まれに見る悪逆非道な犯行で、結果は重大であり生命軽視の度合いは甚だしい。慎重に死刑がやむをえないかを判断した結果、回避すべき事情はない」として死刑を求刑しました。
弁護側は「被告は過去に人の首を絞めて気絶させた経験があり、人が死ぬ危険性が高い行為とは認識していなかったし、人を殺そうと思っていなかった。女の子の声や抵抗がなくなった時点で、首を絞めるのをやめていると裁判でも述べている」として、殺人罪は成立せず、傷害致死罪に当たると主張しました。
また、動機については「女の子を偶然見かけて連れ去ることを決意し、車をぶつけることをとっさに考えついた。線路への遺体の遺棄などについても『手っとり早いと思ったから』と法廷で述べたが、被告自身も、なぜこういう気持ちになったか、はっきりした動機が分かっていない」としたうえで、「連れ去るための道具を準備していないなど計画性はなく、周辺の防犯カメラにも写っているなど、犯行は場当たり的でずさんだ」と述べました。
そして「急に物事に無関心になるなどの、犯行に影響した精神的な障害について治療を受ける意思があり、両親が支援を約束している。被告には刑罰ではなく、むしろ治療が必要だ」と指摘し、前科がないことや謝罪のことばを述べていること、事件当時23歳と若く更生の可能性が高いことなどを挙げ、長くても懲役10年の刑が相当とする意見を述べました。
(2019年11月22日 NHK)
新潟女児殺害 小林遼(23)
新潟市西区のJR越後線の線路で近くに住む小学2年の大桃珠生(たまき)さん(7)の遺体が見つかった殺人・死体遺棄事件は発生から1週間で急展開し、新潟西署捜査本部は14日、死体遺棄・損壊容疑で現場近くに住む会社員、小林遼(はるか)容疑者(23)を逮捕した。「優しい」「礼儀正しい」との評判もある小林容疑者だが、直前に別の女子児童に対する青少年保護育成条例違反などで書類送検されていた。
14日夜、新潟西署に捜査車両で連行された小林容疑者は目を伏せながらも平然とした表情。署に入る際には、にやりと笑う場面すらあった。捜査本部の調べに対し、殺害をほのめかすなど関与を認めているという。
大桃さんの自宅からわずか百数十メートルのところに住む小林容疑者は電気工事士として働いており、犯行当日の7日には仕事を休んでいた。当初から事件を起こす目的だったとみられる。事件後も数日間仕事を休んでいた。
FNNニュースは、小林容疑者が4月に別の女子児童に対するわいせつ事件で書類送検されていたと報じた。これを受けて小林容疑者が捜査線上に浮上していたもようだ。
また、15日放送のフジテレビ系「とくダネ!」は、元同僚が小林容疑者について「わかりやすくいうとロリコン」との証言を報じた。
小林容疑者は両親と姉、弟の5人家族。地元の小中学校から工業高校を卒業、電気工事の仕事をしており、作業着姿で出勤する様子が目撃されていた。
犯罪心理に詳しい新潟青陵大学の碓井真史教授は「被疑者と被害者が近くに住んでいるというのは犯罪統計上よくあるケース。子供は繁華街よりも家の近くの方が安心して1人でいることが多い。犯人の側からしても土地勘があり、死角も知っているためだ」と話す。
小林容疑者について近所の人は「小さい頃は明るくていい子だった。親が仕事でいないときに町内会費を持ってきてくれた。庭に遊びに来てくれたこともあった」と振り返る。碓井氏は「コミュニケーションがとれ、評判のいい人の方が子供に近寄りやすい」と話す。
大桃さんが持っていた傘がみつかっていない。容疑者が逮捕された14日にも現場を視察した碓井氏は「普通は捕まりにくいようにすることを考えるが、遺体を被害者宅のすぐ近くに捨てたり“記念品”を持ち帰ったりした点は特徴的だ」と分析した。
なぜ、近隣住民が7歳の女児を狙ったのか。新潟市西区の小学2年、大桃珠生(たまき)さんが殺害、遺棄された事件で、逮捕された小林遼(はるか)容疑者(23)は、過去にも別の少女を連れ回す事件に関与していた。大桃さんについては、事件の発端を偶発的な事故だと供述しているが、捜査関係者は疑念の目を向ける。動機や手口にも疑問点が多く、新潟県警新潟西署捜査本部は全容解明を急いでいる。
捜査関係者によると、捜査本部は大桃さんの事件について、幼い女児が被害に遭っていることなどから、いたずらなどの目的の可能性を視野に入れていた。過去に同種事案に関与した人物の洗い出しを進め、昨年に別の少女を連れ回すなどしたとして今年4月に書類送検されていた男がいることが分かった。
その男が小林容疑者だった。同時に、小林容疑者が大桃さん宅からわずか100メートルほどの場所に住んでいることも判明し、土地勘があるとみていた捜査本部の見立てとも合致した。また、大桃さんの足取りが途絶えた時間や遺棄時間帯に、現場周辺で小林容疑者の黒の軽乗用車が複数目撃されていた。過去の事案への関与と合わせ、事件翌日には捜査線上に浮上。捜査本部は14日朝、任意同行に踏み切った。
小林容疑者が勤務する電気工事関連会社によると、小林容疑者は事件当日の7日は会社を無断欠勤。本人とは終日連絡がつかず、自宅に電話をすると、親族は「会社に行っているはずですが…」と困惑し、出社していると思い込んでいた様子だったという。
8日になってようやく本人から「連休明けで具合が悪く、会社までたどりつけなかった」などとメールがあった。7日は大型連休明けで、前日の6日まで9連休をとっていたのに、さらに休みを重ねていた。
小林容疑者は逮捕後、車を運転中に大桃さんをはね、パニックになって車に連れ込んで首を絞めた-と供述し、偶発的な犯行だと主張。大桃さんの名前についても「遺体を捨てた後にニュースを見て知った」と話した。ただ、捜査本部は連休中に犯行計画を練って実行に移すために欠勤し、犯行に及んだ可能性もあるとみている。
現場の状況にも不可解な点が残る。現場にはランドセルが放置されていた一方、大桃さんが当日持っていた傘は発見されていない。小林容疑者は「捨てた」と供述しているが、傘だけを捨てる理由が判然としない。また、車があるにもかかわらず、なぜ遺体を自宅近くに遺棄したのか。大桃さんを連れ去ったとみられる下校時間帯から遺棄までの“空白の7時間”の状況も分かっていない。
(2918 5/16 産経新聞)
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