ほら穴に監禁15年、強姦され続けた女性を救出 インドネシア
インドネシア東部スラウェシ島のほら穴で、村の呪術師に15年間も監禁され、繰り返し強姦されていた女性が救出された。地元警察が8日までに発表した。
女性は28歳のHさん(仮名)。地元紙ジャカルタ・ポストによると、83歳の呪術師、ジャゴ容疑者に監禁されているという通報を受けた警察が同容疑者を拘束し、供述に基づいて5日に捜し出した。
警察によると、Hさんは13歳だった2003年、家族に連れられてジャゴ容疑者の治療を受けに訪れた。同容疑者は代替療法や「魔術」を使って病気を治すといわれていた。
ジャゴ容疑者はその後まもなく、Hさんが「遠く」へ旅立ったと家族に告げた。家族には行方が分からなかったため、行方不明者届が出された。
警察の調べによると、同容疑者はそれから15年間、Hさんに「アムリン」という名の精霊の写真を見せながら、魔術と称して強姦を繰り返した。警察の調べに対し、性行為の間はアムリンが現れ、自分に取りついていたと話した。
ジャカルタ・ポストは専門家の話として、ジャゴ容疑者は村人の尊敬を集める存在だったと指摘。ほかにも言い出せずにいた被害者が見つかるかもしれないと伝えた。
警察によると、同容疑者は児童保護法に違反して未成年者に性的虐待を加えた罪に問われ、最大で禁錮15年の刑を言い渡される可能性がある。
(2018.08.08 CNN)
押し入れに4年、全裸にオムツ、日常的暴力…滋賀・堺監禁事件、SNSで知り合った男女5人を異様な犯行に駆り立てたものは
堺市と滋賀県近江八幡市内の民家で男性2人が暴行を受けて監禁され、1人が死亡、1人が自力歩行が困難なほど衰弱させられた事件で、大津地検は昨年12月、男女5人を殺人と監禁の罪で起訴し、うち3人をその後に監禁致傷罪でも起訴した。殴る、蹴るの日常的な暴力、全裸にオムツを履かせた状態で監視カメラ付きの部屋への監禁、約4年にわたる押し入れへの閉じ込め-。捜査の過程で明らかになったのは男性らに対する想像を絶する行為の数々だった。住宅街の一角で続いていた凄惨な犯行。犯人たちを駆り立てたものは何だったのか。
渡辺彰宏さん=当時(31)=を衰弱死させたとして殺人罪で起訴されたのは、飲食店従業員、井坪政被告(29)▽交際相手の宮崎佑佳被告(24)▽元交際相手の飯星飛香被告(29)▽萩原真一被告(39)=いずれも堺市▽亀井徳嗣被告(21)=大阪市=の5人。
このうち井坪、宮崎、飯星の3被告は、別の男性(38)を監禁し衰弱させたとして監禁致傷罪でも起訴された。
捜査関係者によると、被害者を含む井坪被告らのグループのうち数人はSNSなどを通じて知り合ったとみられ、いつしか行動を共にするようになった。当初は上下関係などはなかったが、徐々に井坪被告が暴行や監禁の主導的な立場になっていったという。監禁現場となったのが、飯星被告らが借りていたとみられる堺市内の民家だった。
堺市内の住宅街にある2階建て住宅。この家の押し入れでは後に滋賀県警に救出される男性が閉じ込められており、渡辺さんも別の部屋で監禁されていた。
住宅を管理する会社の男性は「水道工事をしたことがあったが、立ち会いを嫌がっていた。家に近づけたくなさそうだった」と語る。監禁が発覚しないよう、警戒していた様子が浮かび上がる。
平成29年8月、渡辺さんは飯星被告宅から滋賀県近江八幡市にある萩原被告所有の住宅に移されたが、衰弱が激しく、萩原被告が119番。渡辺さんは救急搬送されたが死亡した。
近所の女性は救急車到着時の様子について、「半ズボンの男性が心臓マッサージを受けていて、足が青ざめていて怖かった」と話す。
これが事件発覚のきっかけとなった。救急搬送時に連絡を受けた滋賀県警が司法解剖した結果、死因は細菌性肺炎と判明。通常は高齢者に多い死因で、若者にはあまり例がない。治療を受けた形跡はなく、体に殴られたような痕などもあったことから捜査が始まった。
県警は11月16日、渡辺さんを大阪市内の路上で殴ったとして傷害容疑で井坪、宮崎、萩原の3被告を逮捕。また仲間にあたる萩原被告を蹴ったなどとして、暴行容疑で亀井被告を逮捕した。
さらに捜査の過程であと1人監禁されている可能性が高まった。渡辺さんと同様、暴行されている可能性が高い。「もう手遅れかもしれない」。同日、滋賀県警の捜査員らが救出に向かい、飯星被告宅に踏み込み、男性を救出した。男性は辛うじて会話はできたものの、自力歩行できないほど衰弱していた。
ある捜査関係者は「渡辺さんと同じ状態になっていても不思議ではなかった。よく助かってくれた」と話す。
捜査の過程で徐々に明らかになったのは「リンチ」ともいえる渡辺さんへの暴行の数々だ。木刀で殴る▽縄跳びの縄で叩く▽吐き出したものや排泄(はいせつ)物を食べさせる-。サバイバルゲームで使用するエアガンで至近距離からBB弾を撃ち込んだこともあった。5人は日常的に暴行を加えていたとみられる。
渡辺さんは所属していた堺市のムエタイジムで、井坪被告と2年前に知り合ったとみられ、当初は井坪被告らと同等の立場だったという。井坪被告らと行動する中で「次第に車の運転など使い走りをさせられるようになっていった」(捜査関係者)という。
5人は渡辺さんが衰弱しぐったりした状態になると、全裸にオムツを履かせた状態で、監視カメラ付きの部屋に監禁していた。近江八幡市に移したのは、「もう1人の男性の監禁を露見させないためだった」(捜査関係者)とみられている。
近江八幡市に移した後も同様に監禁し、インターネット電話サービス「スカイプ」を使って中継しながら監視していたという。
一方、男性は約8年前に趣味のレゲエ音楽を通じ、SNSの動画サイトで井坪被告と知り合い、5、6年前に井坪被告を頼って住んでいた新潟県から堺市内へ移った。当初は井坪、宮崎、飯星の3被告と堺市内で同居していたが、手狭になったことなどから、飯星被告と生活するようになった。
男性も使い走りをさせられていたが、ほどなく3人から暴行されるように。暴行で足をけがして動けなくなった男性は、平成25年ごろから押し入れに閉じ込められた。
食事はほぼ毎日、ラーメンにご飯を入れたもの。風呂にも入れず、オムツも毎日は替えてもらえない状態だったようだ。冷暖房など空調設備もない中、監視カメラが設置された押し入れで過ごした。男性は「言う通りにしておけばこれ以上ひどい目にはあわないと考え、押し入れでの監禁生活を続けた」などと話しているという。
男性は現在も入院中。回復しつつあるが、自力歩行は困難な状態だという。捜査関係者によると、男性は障害年金を受給していたが、グループに取り上げられていたという。
一連の事件では、井坪被告と共謀して渡辺さんに排泄物を飲ませたとして、強要容疑でムエタイジムの経営者の男性(39)も逮捕されたが、大津地検が処分保留で釈放後、堺市内の自宅で自殺しているのが見つかった。
捜査はほぼ終了したが、捜査関係者によると、井坪被告以外の4人は容疑を認め、井坪被告は犯行や動機について口を閉ざしたままだという。
謎が残るのは5人の関係と、成人男性2人を暴行、監禁し続けた理由だ。暴行の発覚を恐れたことも監禁理由の一つとみられるが、監視カメラの設置、インターネットでの中継など、「なぜそこまで手間をかけるのか」(捜査関係者)分からない状況もある。
井坪被告以外の4人は無職で、裕福な暮らしぶりとはいえない状況だったが、生活保護を受けるなどして、5人で金を共有し生活費に充てていたという。
そんな中、井坪被告が渡辺さんと男性に対し、次第に主導的立場で暴行、監禁を指示するようになり、ほかの被告らは「自分が標的になるのを恐れていた」「言うことを聞いておけば生活できると思った」などと供述しているという。
一方で、渡辺さんの死亡前後から萩原被告は亀井被告らから暴行を受けており、捜査関係者は「事件が発覚しなければ、次の標的は萩原被告だったのでは」と推測する。
想像を絶する環境で2人を暴行、監禁した異様な事件。ある捜査関係者は「金でつながっていたと言えば分かりやすいが、彼らはそのような『一般的な感覚の枠』に収まるグループではない」と話す。犯行の動機や事件の背景はいまだはっきりしないが、公判でどこまで解明されるのか注目される。
(2018.2.14.産経WEST)
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