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2017年(平成29年)7月16日
2017年7月16日早朝、神戸市北区有野町有野の住宅街で、
男T(事件当時26歳)が祖父A(当時83歳)を金属バットで殴打し、
それを止めようとした母親D(当時52歳)も殴打した。
Dは、身の危険を感じたため屋外へ避難した。
その後、Aを包丁で何度も刺して殺害した後、祖母B(当時83歳)も同様の手口で殺害した。
A・Bを殺害し終えた後は、近所に住む女性C(当時65歳)・E(当時65歳)を襲い、Cを殺害、Eに重傷を負わせた。
Tは中学卒業後、神戸市内の工業高等専門学校に進学するも中退し、物流会社に一時勤務して退職した。その後、コンピューターの専門学校に入学して卒業後はIT会社に就職した。しかし、それもまたすぐに退職した。Tの学生時代からの同級生は、「おとなしく勉強熱心だった」、「彼は朗らかな性格だった。」と口をそろえた。また、学生時代トラブルを起こすようなことはなかったという。専門学校の時の友人はTが「家族が厳しいと」と不満とも取れるような発言をしていたことが明らかになった。
神戸5人殺傷、二審も無罪=一審は心神喪失認定―大阪高裁
神戸市北区で2017年7月、祖父母や近隣住民ら5人を殺傷したとして、殺人などの罪に問われた無職竹島叶実被告(32)の控訴審判決が25日、大阪高裁であった。坪井祐子裁判長は、事件当時心神喪失状態だったと認めて無罪(求刑無期懲役)とした一審神戸地裁の裁判員裁判判決を支持し、検察側控訴を棄却した。
被告は「殺害した相手を『哲学的ゾンビ』と思っていた」と供述し、刑事責任能力の程度が争点だった。起訴前に精神鑑定した2人の医師の意見は割れており、1人は妄想型統合失調症と診断。もう1人は「妄想は確信的ではなく、思いとどまることもできた」と指摘した。
被告は「殺害した相手を『哲学的ゾンビ』と思っていた」と供述し、刑事責任能力の程度が争点だった。起訴前に精神鑑定した2人の医師の意見は割れており、1人は妄想型統合失調症と診断。もう1人は「妄想は確信的ではなく、思いとどまることもできた」と指摘した。
神戸地裁は21年11月、統合失調症だったとする鑑定結果を採用。被告が妄想を「信じ切っていたか、そうでないとしても疑念はごく小さく、思いとどまることはできなかった」と判断した。
竹島被告は17年7月16日朝、神戸市北区の自宅やその周辺で、祖父母=いずれも当時(83)=と近所の女性=当時(79)=を包丁で突き刺すなどして殺害。母親ら2人も殺害しようとしたとして起訴された。
(2023年9月25日 時事通信社)
2審も被告に「無罪判決」神戸5人殺傷事件
「妄想の圧倒的影響下にあった疑い払拭できない」
『心神喪失疑い』で刑事責任能力なしと再び判断
大阪高裁が検察の控訴棄却
2017年に神戸市北区で3人を殺害し、2人に大けがをさせた罪に問われたものの、「心神喪失だった疑いが残る」として刑事責任能力が認定されず、1審で無罪となった男性の控訴審。9月25日、大阪高裁は1審判決を支持し、検察側の控訴を棄却。2審も男性は無罪という結論を下しました。
1審判決によりますと、被告の男性(32歳)は2017年7月、神戸市北区の自宅で、祖父母(いずれも当時83歳)を金属バットで殴ったり文化包丁で刺したりして殺害したほか、自宅近くに住む女性(当時79歳)も文化包丁で刺し殺害。母親と近隣女性の2人にも重傷を負わせました。
この事件では、被告の犯行が「自分と元同級生の女性以外の人間は、姿は人間だが自我や感情がない存在『哲学的ゾンビ』であり、女性と結婚するためには『哲学的ゾンビ』を倒さなければならない」という内容の妄想・幻聴に拠るものだったという点は認定されていて、その影響がどの程度だったかが争点となっています。
1審で検察側は、「『嫌や』『信じるで、信じるで』と声に出すなど、被告には犯行をためらった瞬間もあることなどから、殺傷した相手が哲学的ゾンビだと確信まではしておらず(本当の)人である可能性を認識していた」などと主張。『心神耗弱(善悪を判断し行動をコントロールする能力)が著しく低下していたがゼロではない状態』だったとして、無期懲役を求刑しました。
一方で弁護側は、被告は妄想・幻聴の圧倒的な支配下で犯行に及んだのであり、『心神喪失=善悪を判断し行動をコントロールする能力が完全に失われた状態』だった疑いがあるとして、無罪を主張しました。 日本の刑法では「心神喪失者の行為は罰しない」と定められています。
神戸地裁は2021年11月、「相手が哲学的ゾンビだと確信した状態で犯行に躊躇を覚えた可能性も想定できる」「妄想を信じ切っていたか、妄想を払拭し犯行を思いとどまれる状態ではなかった可能性が高く、心神喪失だった合理的疑いが残る」として、弁護側の主張を支持。男性に無罪を言い渡しました。 この判決を不服として、検察側は控訴していました。
大阪高裁は9月25日、「犯行へのためらいとも解釈できる、『ほんまか』『信じるで』という発言も、“女性と結婚するための試練の内容が合っているかを確認するための発言”などと解釈することが不合理とは言えない」「妄想が屋根瓦のように積みあがる状態だったとすれば、発言の後に疑念が消え、妄想の内容を確信するに至ったと説明することもできる」「被害者を人ではないと考えていたとすれば、“殺人の禁止”という規範に直面していたと言えず、善悪の判断能力に疑いが生じる」などと指摘。
「自分と女性以外が『哲学的ゾンビ』だと確信し、その妄想の圧倒的な影響下で犯行に及んだ疑いを払拭できない」と改めて結論づけ、控訴を棄却しました。 被告の男性は1審・2審とも無罪という結果となりました。
(2023年9月25日 MBS News)
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