すそ洗い 

R60
2006年5月からの記録
ナニをしているのかよくワカラナイ

『疒(やまいだれ)の歌』

2021年12月16日 | 書籍


(2014年7月 新潮社 )
『新潮』2013年10月号、12月号、2014年1月号、3~5号




19歳の北町貫太物語 長編 
またしても 当たり 
またしても 傑作 名作

時系列的にいくと 前回読んだ傑作『蠕動で渉れ、汚泥の川を』(2016年7月 集英社 )の時代の後  「苦役列車」の直後あたりかな
いくぶん大人にはなっているぶん話も重い
田中英光全集との出会いは感動もの

オープニングはいつも通りの略歴 これが少し長いよーに思うが我慢

横浜の造園屋にアルバイトとして雇われてからが
ジェットコースター的に
オモロエピソードがガンガン入ってくる
悪口罵詈雑言は 若干大人になってきたのか面と向かっては飛ばさない
もちろん性根のド腐れ具合は直るわけもないエンタテーメント満載

せっかく 造園屋で 周りもエエ人に恵まれ
可愛げののある恋までしたのに 
飲み会席での失態暴言が
全てを台無しにしていく

それと並行して土屋隆夫の『泥の文学碑』を通じ田中英光の存在を知り
古書店で田中英光の書物を入手 
全集を先に発見したが それは また後

『田中英光全集』全11巻 芳賀書店 1964年-1965年

こんな純文学があったのか こんな私小説が あったのかと 
ここでの感動がヒシヒシと伝ってきます
飲み会の失態 仲間ハズレ この描写がなかなかにエグイ
胸にズドンとくる 仲間ハズレ感 
そこから逃げ出すかのように 田中英光全集にのめり込み
造園屋社長から 「みんなが気持ち悪がってるから」の理由を持って解雇


仲間ハズレにされる過程と田中英光との出会いの2本柱が今回のキーポイント


あとがきもある

名作 傑作

中卒で家出しその日暮らしを繰り返していた北町貫多は、十九歳にして心機一転を図ろうとした。横浜で新しい仕事を得、片恋する相手も見つけ、人生の軌道修正も図れるかと思いきや、ほどなく激しい失意が訪れる。そのとき彼の心の援軍となったのは、或る私小説家の本だった──。暗い青春の軌道を描く待望の長篇私小説。

 
 
 
 

 
 
 
 
 
 



 
 
 
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