すそ洗い 

R60
2006年5月からの記録
ナニをしているのかよくワカラナイ

筒井さん

2019年11月28日 | 書籍

「炎上を怖がっちゃいけない。電源を抜いたら消えてしまう世界です」

「企業が倒産したり自殺者が出たり、いろんな弊害が出てきて、是正しようとなる。今は匿名性があるから野放しになっているけど、誰が書き込んだか分かるようにするとか、そういうふうになっていくと、今度は逆の弊害が出てきますよね。ちょっとした悪口に至るまで書けなくなったり。そういう自由はあったほうがいい」
「例えば終戦直後は、条例なんてあんまりなかった。みんな悪いことばかりしてたよね。それがだんだん整備されてきて、条例の数が増えた。世の中が平和になるにつれて、規制が増えてきた。今の世の中も、窮屈でおかしいなと思います。たばこまで規制の対象になるんですから。小さな悪意を持てなくなると、大きな悪事に走ったりする。戦争が近づくなんてこともあるんじゃないですかね」

「人種差別をし、身体障害者に悪辣ないたずらをしかけ、死体を弄び、精神異常者を嘲り笑い、人肉を食べ、老人を嬲(なぶ)り殺すといった内容を笑いで表現することによって読者の中の制度的な良識を笑い、仮面を剥いで悪や非合理性や差別感情を触発して反制度的な精神に訴えかけようとするものです」
 
 

「作家は頭の中を無政府状態にして書かなきゃいかんですよね。無政府状態だからいろんなものが出てくるわけだし、弾圧されたら、それに抵抗しようとしてまたいいものができる。『あの人に迷惑がかかるから』と気にし始めると、作家がだんだんいい人になって、何も悪いことはしない、変なことは書かない。人は、そういう作家の書いた作品を読みますか。面白くないでしょ。やっぱり読まれるのは、何かやばいことが書かれていそうだったり、タイトルを見てハラハラドキドキしたりするもの。不愉快なものを愉快がる人もいるわけです。糞尿愛好者だっているんだから」
 
「作家が自分の作品を映像化すると言われて、『ありがたい、やってください』なんていうのは、小説の通りやってくれると思ってるんです。そうじゃないからね。自分の作品が映画化されたものを見て、喜ぶ作家は一人もいないと思うよ。どんな名作であっても、それは映画として名作なわけだから。ヘミングウェーなんかはずっと怒っていたらしいよ。『誰がために鐘は鳴る』なんて、映画として名作だよね。僕は怒りませんよ。そういうものだって分かっているから」

筒井 康隆(1934年(昭和9年)9月24日 - )




「敵」「わたしのグランパ」「銀齢の果て」「愛のひだりがわ」


 

 
 


 

 
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