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秋田・コンクリートづめ女性死体遺棄

2023年06月20日 | ヒトゴロシ

2023年5月9日、秋田市の雑木林で発見された女性(失踪時48歳)は、コンクリート詰めにされ、木箱に入っており、衣服を着用し、死蝋化が進んだ状態であった。現場となった土地は服役中の暴力団関係者の親族の女性の所有で、警視庁は遺体女性と面識があり、最後に会った人物と見られるその暴力団関係者ら数人が事件に関与していると見て捜査している。また女性はいわゆる闇金融を利用しており、何らかの薬物を使用したことも死亡の原因となったと考えられている。
付近の住民によると現場には数日間停車する不審なレンタカーや、トラックに乗りシャベルを携帯した一団が作業服に着替え、現場へ入っていく様子が目撃されている。
2023年6月7日、警視庁捜査1課は別事件で服役中の元暴力団員の男(48歳)とその妻(34歳)を含む5人を死体遺棄容疑で逮捕した。

遺体で発見された女性は愛知県一宮市で母親と二人暮らしをしていたが、2021年6月に風俗店勤務とライブ観覧のため上京、6月26日に吉祥寺で行われたライブを観覧し、翌日三鷹駅周辺のホテルをチェックアウトした後行方不明になった。
7月2日に会う約束をしていた都内在住の女性の息子は、当日を過ぎても連絡が取れなかったため、同年上旬、小金井警察署へ捜索願を提出している。また息子は手書きのチラシを配ったほか、Twitterにおいて、女性の実名や誕生日、身長、宿泊したホテルなどを掲示し、情報提供を呼びかけた。
相談を受けたYouTuber、コレコレは自身の配信でこれを取り上げ、息子と共に視聴者に情報提供を呼びかけており、女性の勤務先などの情報が提供された

女性の失踪と遺体での発見は、彼女の息子がSNSやYouTuberへの相談を行ったことで大きな反響を呼んだ。ネット上では多くの情報提供が行われていた。
女性の息子については現在、投稿が途切れ、消息は不明となっている


「ごめんなさい、ごめんなさい」殴られ続けた男(26)は言われるがまま木箱を作らされコンクリートを流し…被害女性はオムツを履かされ部屋で放置されていた…〈秋田・コンクリートづめ女性死体遺棄〉

愛知県出身の女性Aさんが失踪2年後に秋田市内で変死体で見つかった事件で、死体遺棄容疑で逮捕された引越し業者3人は、主犯格の元暴力団員に強引に犯行に引きずり込まれた可能性が高いことがわかった。経緯の詳細を知る元同僚が、集英社オンラインに証言した。Aさんはホテルで急死して遺体で外に運び出されたとみられていたが、しばらくは生存していた可能性も浮上、事件の闇がさらに深まった。

 この事件は派遣型風俗店で働いていたAさん(当時48歳)が2021年6月27日、埼玉県内のホテルで元稲川会系暴力団組員、井上大輔容疑者(48)=別の覚醒剤事件で服役中=と会ったのを最後に失踪。今年5月9日に警視庁が秋田市内の雑木林内で発見し、遺体は木箱のようなものに、コンクリート破片などと一緒に入っていた。主犯格の井上容疑者と遺棄現場の土地の所有者で元妻の土岐菜夏容疑者(34)=さいたま市緑区=、井上容疑者が当時勤務していた引越し業者の同僚の菅原和宏(44)、飯田翔(29)、下田陸朗(26)の3容疑者が逮捕されたものだ。 当初Aさんは薬物を摂取後に体調が急変して死亡、井上容疑者が菅原容疑者をホテルに呼び出して遺体を土岐容疑者の自宅に運び、駐車場やコンテナなどで保管した後、21年9月に秋田市金足下刈の雑木林に穴を掘って埋めたとみられていた。しかし、被害者はホテルから土岐容疑者の自宅に運ばれる前に、引越し業者の事務所(埼玉県川口市)でオムツをした状態で“管理”されていたという。井上容疑者が当時勤務していた引越し業者の元同僚が語る。 「Aさんを運んでいるのを見たんですよ。事務所は2DKのアパートで、一部屋を仕事用、もう一部屋を井上の部屋という感じにしていました。21年の6月末か7月の半ばまでのことだったと記憶しているんですが、ある朝、その井上の部屋で誰かが寝ていたんです。暖簾がかかっていたのと薄暗くてはっきり見えなかったんで、『下田が寝てるんですか?』と井上に聞くと『後輩のヤクザから預かってる女だよ』と言われたんです。しかもオムツが床に転がっていて、『これはシャブ絡みのトラブルだな』と直感しました。井上が覚醒剤をやっていたのはみんな知ってましたから」 おかしいなと思いながら引越しの仕事に出たこの元同僚だったが、現場から戻ったとき、事務所は妙に物々しかったという。 「井上と飯田がアパートの階段から女性を運んでるところで、『何してるんですか?』って近づくと『女運んでるんだよ、お前も手伝え』って指示されたんですけど、『時間ないのでしません』と断りました。事務所に戻ってきた井上には『シャブ中の女だからああいう状態になってる。送ってやるために運んでた』と説明を受けました。Aさんの顔もそこで見てるはずなんだけど、あまり覚えてないです。井上のトラブルには関わりたくなかったんで……」 

その日、井上容疑者らはAさんを引越し用トラックの駐車場まで運んだという。元同僚が続ける。 「駐車場まで運んだ数日後に、下田は井上に命令されて木箱を作らされたらしいんですよ。その木箱に、引越しに使う布団袋やエアーキャップでぐるぐる巻きにされた“何か”を放り込んだあげく、コンクリを流したと下田が言ってました。その場には井上と下田の他に菅原もいたけど、菅原は途中で『営業に行ってくる』と退席したらしいです。下田は荷物の中身を聞かされてなくて、その時点では死体とは思わなかったと言ってました」 コンクリートを流し込んだ木箱を駐車場のトラックに放置したまま1週間が経った後、元同僚は井上容疑者に頼み事をされたという。 「井上が『レンタルボックスに荷物下ろしてくれない?』って頼んできたんですよ。『モノは何ですか』って聞くと『コンクリート』だって言うんで、そんなもんひとりじゃ無理だからって断ったんですよ。今になってみれば、それが死体だったんだと思います」 そもそもこの事件の舞台となった「引越し業者」の実態はどんなものだったのか。元同僚はこう詳述した。 「菅原が社長で井上が補佐のような役割でした。私は元々会社にいたんだけど、コロナ禍で仕事がなくなり、しばらく顔を出さなくなりました。2021年の4月ごろに出戻ると、それまで見たこともなかった井上が、菅原の右腕のように振る舞っていて『俺の言ったことは全部やれ』って感じで態度もデカかったです。従業員は5、6人で、私の下に飯田や下田がいました」 井上容疑者は元ヤクザを鼻にかけ、一番若い下田容疑者を暴力で支配していたという。 「下田は週1の頻度で井上にエグい殴られ方をしてました。毎回1時間近くボコボコに血が出るまで殴られて、殴られすぎて痛みも感じなくなってたそうです。飛べばいいのに殴られても『ごめんなさい、ごめんなさい』って謝って、かわいそうなやつですよ。下田は仕事はめっちゃできるし、真面目だから休むこともしないんです。暴力で支配され、井上の命令で川口市内の貸コンテナに、コンクリ詰めの木箱を下ろしに行っちゃったんですね。でも下田がやったのはそこまでで、秋田にまで埋めに行ってはないと言っていました」 

下田容疑者はどのタイミングで「死体」と確信したのだろう。 「中身が死体かどうかはわからないけど、木箱をコンテナに移しに行ったことまでは私も聞いてました。下田は、秋田に埋めに行ったすぐ後ぐらいに『死体』だったことを聞かされたらしく、その瞬間に『もう怖くて仕事できない』と真っ青になって次の日から仕事に来なくなりました。でも人が足りなかったんで、事務所には来ないけど派遣の形で仕事は続けてましたけどね。『死体を埋めた』とか言われても、普通はみんな冗談だろうと思うでしょうけど、下田はコンクリ流すとこまでやってるわけですからね。本当に死体だったと確信した段階で、警察に通報すべきだったと思いますよ」 また、下田容疑者は覚醒剤の運搬もさせられていたようだ。 「会社の事務所には、隠すまでもなくシャブが置いてあったし、井上本人から自慢気に何回かパケを見せられたことがありました。自分が元ヤクザだっていうアピールのつもりもあったんじゃないですか。それも井上は下田に運ばせてたんですよ。あいつは金もなかったし、井上に逆らうことができなかったのでしょう」 井上容疑者と菅原容疑者の接点はどこにあったのか。 「菅原は楽しければ何でもいいってタイプで、井上との接点もクスリつながりかもしれないですね。ふたりはそんな前からの知り合いではないはずです。菅原も挙動不審な行動をよくとっていて、ラリってひとりで勝手に青森ぐらいまで行って音信不通になるとか、そういうところがありました。 飯田は下田と違って殴られてたわけじゃないんだけど、言われたことを淡々とやるイメージです。あんまり喋るタイプではないし、何を考えてるかわからない人間でしたね。 井上の元奥さんの土岐さんも、一度だけ引っ越しででたゴミを運ぶときにトラック内で一緒になったことがあります。感じのいい真面目そうな女性でした。菅原から『井上のこと(クスリや浮気などの私生活)は何も話すな』と釘を刺されていたので何も話しませんでした」 下田容疑者は、捜査の手が迫っているのを知っていたのだろうか。 「そもそも『やっちゃったものは事実だからパクられるなら早い方がいい』って感じでした。今年の2月ぐらいから事情聴取が始まって、私も警察に何度も呼ばれて話をさせてもらいましたが、5月になって遺体が出てからは、下田が『パクられたら風呂入れないよね』と言ってたんで、覚悟はできてたと思います」 いずれにしても、元同僚は井上容疑者の部屋に転がっていた「オムツ」が気になって仕方がないと言う。 「その時点で亡くなっていたら、オムツなんて必要ないですもんね。井上の部屋にいたときはまだ生きてた可能性もありますよね。警察がもっと早く動いていれば助かったかもしれない命だと思うと、複雑です。あと報道では見つかった木箱からはコンクリートの破片がでてきたと報じられていますが、コンクリートはどのタイミングで剝がされたのか…。警察はもちろん捜査にかかわることは教えてくれませんでした」 元同僚は「自分ももっと何かできることがあったのでは…」と自責の念に駆られていた。事件の全容解明が待たれる。 

(2023.6.20.集英社オンライン)
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