母親に懲役2年求刑=夫の暴力止めず、起訴内容認める-小4女児虐待死・千葉地裁
千葉県野田市で1月、小学4年栗原心愛さん=当時(10)=が自宅浴室で死亡した虐待事件で、父勇一郎被告(41)の暴力を止めなかったなどとして、傷害ほう助罪に問われた母なぎさ被告(32)の初公判が16日、千葉地裁(小池健治裁判長)であり、同被告は「間違いありません」と述べ、起訴内容を認めた。
公判は即日結審し、検察側は懲役2年を求刑。弁護側は執行猶予付きの判決を求めた。判決は6月26日。
検察側は論告で、なぎさ被告が心愛さんに食事を与えず、勇一郎被告の暴行を制止せず放置したことについて、「実母として守るべき立場にありながら、母親の責任を放棄して虐待に同調した悪質な犯行」と指摘。当時勇一郎被告が支配的な立場にあり逆らえなかったが、なぎさ被告にも心愛さんに自身のストレスをぶつける気持ちがあったなどとして、酌量の余地はないと主張した。
弁護側はこれに対し、結婚当初からなぎさ被告が勇一郎被告からドメスティックバイオレンス(DV)を受けていたことに触れ、支配から逃れることができなかったと訴えた。また、事件で実名報道され実質的な制裁を受けているとし、速やかに沖縄県の実家に帰すことを求めた。
起訴状によると、なぎさ被告は1月22~24日、勇一郎被告による心愛さんへの暴行を知りながら制止せず、指示を受けて食事を与えないなどし、同被告を助けたとされる。
勇一郎被告は、心愛さんの顔に冷水シャワーを浴びせるなどの暴行を加え、1月24日に死亡させたなどとして傷害致死罪などで起訴されている。同被告は、なぎさ被告に対する暴行罪でも起訴されたが、公判期日は決まっていない。
検察側は論告で、なぎさ被告が心愛さんに食事を与えず、勇一郎被告の暴行を制止せず放置したことについて、「実母として守るべき立場にありながら、母親の責任を放棄して虐待に同調した悪質な犯行」と指摘。当時勇一郎被告が支配的な立場にあり逆らえなかったが、なぎさ被告にも心愛さんに自身のストレスをぶつける気持ちがあったなどとして、酌量の余地はないと主張した。
弁護側はこれに対し、結婚当初からなぎさ被告が勇一郎被告からドメスティックバイオレンス(DV)を受けていたことに触れ、支配から逃れることができなかったと訴えた。また、事件で実名報道され実質的な制裁を受けているとし、速やかに沖縄県の実家に帰すことを求めた。
起訴状によると、なぎさ被告は1月22~24日、勇一郎被告による心愛さんへの暴行を知りながら制止せず、指示を受けて食事を与えないなどし、同被告を助けたとされる。
勇一郎被告は、心愛さんの顔に冷水シャワーを浴びせるなどの暴行を加え、1月24日に死亡させたなどとして傷害致死罪などで起訴されている。同被告は、なぎさ被告に対する暴行罪でも起訴されたが、公判期日は決まっていない。
(2019年 5月16日時事.com)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/64/09c600b82b169431a75ae9141b8279c9.jpg)
「お父さんに暴力を受けています。夜中に起こされたり、起きているときに蹴られたり、たたかれたりされています。先生、どうにかできませんか」
千葉県野田市の10歳になる小学4年の栗原心愛(みあ)ちゃんは、いじめを調査する学校のアンケートにこう書いていた。
千葉県野田市に移り住む前、心愛ちゃん一家は沖縄県糸満市で暮らしていた。2017年7月、母方の親族から糸満市に「父親から恫喝を受けている」と相談があった。しかし翌月の8月には一家は野田市に引っ越した。このため糸満市は恫喝の事実関係を確認することはできず、心愛ちゃんに対する恫喝の有無を野田市には伝えなかった。ただ「夫が支配的」とだけ連絡していた。
心愛ちゃんは野田市の小学校に通学し始めて2カ月後の2017年11月6日、前述したアンケートの自由記述欄にSOSの言葉を書き込んだ。小学校と野田市が顔にアザを確認し、千葉県の柏児童相談所が心愛ちゃんを翌7日に一時保護した。
柏児相の一時保護に、父親が腹を立て「誘拐だ」などとまくし立てると、12月27日に親族宅で暮らすことを条件にして一時保護を解除する。さらに父親は小学校や野田市教育委員会に対し、「名誉毀損で訴訟を起こす」と脅して保護のきっかけとなったアンケートを渡すように何度も迫った。市教育委員会は昨年1月15日にアンケートのコピーを渡してしまった。
野田市教委がアンケートのコピーを渡した3日後の昨年1月18日、心愛ちゃんは野田市内の別の小学校に転校し、3月には柏児相の判断で自宅に戻っている。その後は転校先の小学校が心愛ちゃんの様子を見た。心愛ちゃんは学級委員長に自ら立候補するなど活発に学校生活を続けていた。心愛ちゃん自身からも父親の暴力についての訴えはなかった。柏児相や野田市は「もう問題はない」と判断していた。
ところが2018年9月の夏休み明けに10日ほど学校を休み、2019年1月7日の始業式以降に再び長期間の欠席。心愛ちゃんは1月24日に自宅の浴室で死亡しているのが見つかり、翌25日、父親の栗原勇一郎容疑者(40)が千葉県警に傷害容疑で逮捕された。
児相や市は、心愛ちゃんの長期欠席を問題視せず、自宅訪問も行わなかった。柏児相は、2月5日に行った記者会見で、心愛ちゃんが書いた父親の虐待を否定する手紙について、児相は父親によって書かされた疑いがあると考えながら、心愛ちゃんを自宅に戻すことを決めていたと説明した。
千葉県警は2月4日、母親の栗原なぎさ容疑者(31)も傷害容疑で逮捕した。父親の勇一郎容疑者と共犯関係にあると断定した結果の逮捕だった。
報道によると、駆けつけた救急隊員に心愛ちゃんの遺体が発見された1月24日、なぎさ容疑者は、勇一郎容疑者が心愛ちゃんの髪を引っ張ってシャワーの冷水を浴びせかけ、首をわしづかみにするのを見ながら止めなかった。県警の取り調べになぎさ容疑者は「娘が叱られていれば、自分が夫に何か言われたりせずに済むと思った。止めたくとも止められなかった」と供述している。なぎさ容疑者は勇一郎容疑者からDV(家庭内暴力)を受けていたという。
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「お父さん、お母さんに早く会いたい。一緒に暮らしたいと思っていたのは本当のことです」
昨年3月19日、柏児童相談所の職員が自宅に戻った心愛ちゃんに小学校で改めて面会し、父親の暴力を否定する手紙について確認したときの言葉である
女児死亡 父親を傷害致死で起訴
千葉県野田市で小学4年生の女の子が死亡し両親が傷害の疑いで逮捕された事件で、千葉地方検察庁はこのうち41歳の父親について、女の子に食事を与えず十分な睡眠も取らせなかったうえ、冷水のシャワーをかけるなどの暴行を加えて死亡させたとして、傷害致死の罪に切り替えて起訴しました。
また、夫の暴行を止めなかったなどとして32歳の母親を傷害ほう助の罪で起訴しました。
起訴されたのは千葉県野田市の栗原勇一郎被告(41)と、妻のなぎさ被告(32)です。
起訴状などによりますと、このうち勇一郎被告は、ことし1月下旬、長女で小学4年生の心愛さん(10)に食事を与えず十分な睡眠も取らせなかったうえ、自宅の浴室で冷水のシャワーをかけるなどの暴行を加えて死亡させたとして傷害致死の罪に問われています。
また、去年末からことし初めにかけて、心愛さんの胸の骨を折る大けがをさせたなどとして、傷害の罪に問われています。
一方、母親のなぎさ被告は、1月下旬に夫の暴行を止めなかったなどとして傷害ほう助の罪に問われています。2人の認否は明らかにされていません。
心愛さんの死因は特定されていませんでしたが、千葉地検は食事や十分な睡眠を与えなかった上、暴行を加えるなどした一連の行為が死亡につながったと判断しました。
捜査関係者によりますと、これまでの警察の調べに対し勇一郎被告は「生活態度のしつけをしていて、冷水のシャワーをかけたら様子が急変した。けがをさせるつもりはなかった」などと供述していたということです。
一方、なぎさ被告は「娘は夫から繰り返し暴力を受けていた。娘に食事を与えないことがあった」などと供述していたということです。
なぎさ被告は、去年末からことし初めにかけて、夫の暴行を止めなかったなどとして傷害の疑いで先月25日に再逮捕されましたが、これについて千葉地方検察庁は不起訴としました。
不起訴の理由は明らかにされていません。
不起訴の理由は明らかにされていません。
(NHK 2019年 3月06日 )
千葉県野田市立小4年の栗原心愛(みあ)さん(10)が1月24日に自宅浴室で死亡した事件で、千葉地検は6日、心愛さんに2日前から暴行を加えて死なせたとして、傷害致死罪で父親の勇一郎容疑者(41)を起訴。暴行を手助けしたとして、傷害幇助(ほうじょ)罪で母親のなぎさ容疑者(32)を起訴した。地検は2人の認否を明らかにしていない。
捜査関係者によると、心愛さんの胃には内容物がほとんど残っていなかった。長期間にわたり虐待を受け、食事も与えられていなかったとみられる。心愛さんの死因は司法解剖では判明しなかったが、地検は飢餓や強いストレスによるショック死や溺死の可能性があり、直前の暴行と死亡との因果関係を問えると判断。逮捕時の傷害容疑から罪名を切り替えた。
起訴状によると、勇一郎被告は1月22日午後10時ごろから心愛さんを居間や浴室に立たせ続け、十分な睡眠や食事を与えず放置。同24日午後には自宅浴室で肌着姿の心愛さんに「5秒以内に服を脱げ」と命令してボウルに入った水やシャワーの冷水をかけたり、寝室に入ろうとした心愛さんを浴室に連れ込み、顔にシャワーの冷水をかけて死なせたとしている。
なぎさ被告は、勇一郎被告の指示で心愛さんに食事を与えず、勇一郎被告の一連の暴行を認識しながら制止しなかったとしている。
2人が再逮捕された昨年末から年始にかけての傷害容疑について地検は、勇一郎被告を傷害罪で起訴。なぎさ被告を不起訴とした。
勇一郎被告は浴室で、水にぬれた肌着を着せた心愛さんに「5秒以内に服を脱げ、5、4、3、2、1」などと言い、冷水をかけたり、「シャワーで流せよ。お湯じゃないだろう」と言って、冷たいシャワーをかけたりしたという。
その上、心愛さんの背中に座って足をつかんで体を反らせたり、寝室に入ろうとした心愛さんを浴室に連れ込んで冷たいシャワーをかけたりしたという。
浴室で、水にぬれた肌着しか着せていない心愛さんに服を脱ぐよう命じ、「五、四、三、二、一」とカウントし、ボウルに入れた冷水を頭や体に浴びせた。さらに、「シャワーで(体を)流せよ」「お湯じゃないだろう」などと言いながら、冷水シャワーも掛け続けたとされる。
同日午後九時五十分頃には、寝室に入ろうとした心愛さんを見つけた勇一郎被告が「なんでいるの。ダメだから。ちょっと来い」ととがめて浴室に連れ戻し、顔に冷水を浴びせて虐待を続けたという。その約一時間二十分後、心愛さんは浴室で死亡した。
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