砂の女

こないだ大阪に帰った時　小阪駅の栗林書店でなんでか「砂の女」の文庫本版を買い求め　38年ぶりに一気に読んでまいました
初めて読んだんは高１の時で　図書館で借りた「箱男」があんまし面白かったもんで　
いつもエロ本を買いに行く布施の古本屋(店のオヤジがいつも不機嫌でおっかない)で　箱入りの「砂の女」の単行本を安く置いていたもんで　何のためらいもなく買ったら　これがまた面白かった



偉大なる安部公房先生の偉業のなせる業

安部公房解読工房

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「壁」やとか「箱男」よりずっとわかりやすいリアル　
突然するっと監禁されてるスリル感はたまらんたまらんもんがある
これは自宅で「友達だよ」「友達だよ」って知らない人が一杯集まってきて
いつのまにか監禁されてる「友達」とゆー戯曲にも共通する不条理ないわれのないスリル感ですね

そして「砂」とゆー乾きと湿気の持つ小道具と大道具が随所に効いていて　女子が地味なのにヨイ

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今読み返すと　こんなに「例え話」が多かったっけーとあきれ返るほどの例え話の量と名言の数々
サカリのついた高１男子がよく理解できたもんやなーと思いました　とゆーか理解はしていなかったんでしょうな　あの頃は　スリルだけでたまらんたまらんゆーとったんでしょう
起承転結もしっかり効いているしエンタテーメンともあり　そして感動のラスト
昔読んで　印象的なオチは記憶にしっかりと刻まれていたのですが　またしても感動できてしまう　何度でも味わえるエエオチです
これは　いつも大風呂敷を広げて結局グズグズで終わる村上春樹先生に見習ってもらいたい
「なしくずし」とゆーのとグズグズとゆーのは違うと思うん
「なしくずし」とゆーのはこーゆーことなんよ



映画版を観たのは　これから何年後かなのですが　読んだ時のイメージが強過ぎて　岸田今日子さんが何か違うとか岡田英次さんが何か違う　とか贅沢なこと思ったりもしたんですが　あの砂のオトロシさがよぉ出とりました　
今思えば　ドピッタシの配役やと思います



幼少時のトラウマシネマ「他人の顔」

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読み終わった久々の充実感をまた欲しくなり　安部先生の未読もんを求めに池袋ヤマダでんきに寄ってみたところ
な～んと安部公房もんは一冊も置いてまへんがな～！！
これでヤマダでんきの性根が全部見えたよーな気がしたね　そーか　そーか　ヤマダはそーゆーつもりなんかいなと

昨日近所の西友のけっこー品揃えのヨイ文教堂に寄ったのだが　そこにも「砂の女」一冊しか無いやないの
ど～した世間　思春期学生諸君の夏の読書月間に　永遠のトラディショナル安部先生の本を置かんでど～する？

砂の女 英文版―The Woman in the Dunes 安部 公房 チャールズイータトル出版 このアイテムの詳細を見る

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安部公房全集〈30〉1924.03‐1993.01 安部 公房 新潮社 このアイテムの詳細を見る

ついついアマゾンさんでプチっとしちゃいましたラスト30巻
コンプリート化はムリと思いますが　指針と対策が見えてくるかなと思いまして